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オミクロン株 医療現場の対策は 入国停止で介護や大学に影響も

  • 2021年12月1日

国内でも初めて、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染者が確認され、政府は、水際対策と国内の監視体制をさらに強化する方針です。医療機関では備えが進められている一方で、外国人の新規入国を原則停止したことで業務などへの影響が懸念されているところも出てきています。オミクロン株への対策や影響を受ける現場についてまとめました。

東京都 同じ飛行機の都内の40人を宿泊療養施設へ

「オミクロン株」の広がりを受けて政府は、11月30日から外国人の新規入国を原則停止していましたが、厚生労働省によりますと11月28日にアフリカ南部のナミビアから成田空港に到着した30代の男性が、国内では初めてオミクロン株に感染していたことが確認されました。男性はナミビア国籍の外交官で、発熱を訴えて現在は医療機関に入院しています。

都によりますと、男性と同じ航空機に乗っていた人のうち都内に住む人が40人いると国から報告があったということです。
空港の検疫所での検査では40人全員、陰性だったということですが、保健所を通じて都の宿泊療養施設に入ってもらうよう要請しています。

東京都 小池知事
「この方々については都内に住むか、関係している方で、都の宿泊療養施設に入ってもらうよう指示を出した。みなさん、いったんは陰性だったが、危機管理上、そういう措置をとる必要があると考え指示を出した。やはり水際で対応していくことが何より重要で、その後をどうするかについてもしっかり対応していきたい」

医療現場 陰圧装置・ゾーニングなどで備え

オミクロン株については、国立感染症研究所が、これまでよりも感染力が高まることや、ワクチンの効果の著しい低下、再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。
オミクロン株の懸念される点を踏まえ、コロナ患者の治療にあたってきた医療現場では、備えが進められています。

東京・文京区にある東京医科歯科大学附属病院は、オミクロン株の患者に対応する場合に備えて、ウイルスの飛散を防ぐ「陰圧装置」を備えた病室を準備しています。病室は個室管理になっていて、室内と室外の圧力を調整し、ウイルスが外に漏れ出さないように施されているということです。

さらに、病室も通路も、ほかの患者とオミクロン株の患者とを分けるゾーニングを徹底することにしています。さらに、今は感染が減少傾向のため、コロナ病棟にも一般の患者が入っていますが、オミクロン株の感染が広がれば、一般の患者をほかの病棟に移ってもらうなど対応することにしています。

東京医科歯科大学 武内寛明准教授
「オミクロン株の患者を受け入れる際には、個室、陰圧室で病院全体に広がらないように最大限、感染対策しながら対応していく必要がある。ただ、オミクロン株だけ特殊な対応が必要かといえばそうではなく、デルタ株のときのように、今までの治療や対策は変わらないかたちで、ゾーニングを徹底するなど対策を取りたい」

介護現場 技能実習生の受け入れに影響

一方、水際対策で外国人の新規入国が停止されたことで影響を受けている現場もあります。

さいたま市岩槻区にある特別養護老人ホームでは、介護の「特定技能」で在留資格のあるモンゴル人女性1人を受け入れる予定で、準備を進めていましたが、来日の見通しが立たなくなったということです。
この施設では、来年春までにこの女性と技能実習生のあわせて4人を受け入れる計画で、外国人の入国停止による影響を懸念しています。

「特別養護老人ホームしらさぎ」新井浩二統括事務長
「振り出しに戻ったので残念な気持ちです。人手不足の業界ですが、待ちながら頑張るしかない」

大学 交換留学の協定への影響を懸念

横浜市立大学ではことし、学部や大学院に入学するなどした留学生8人が、入国できないまま、いまもオンラインで授業を受けているということです。今回の水際対策で大学は、今後の留学生の受け入れの見通しが立たたなくなりました。
また、交換留学の協定を結ぶ海外の大学にことし8月以降、22人の学生が留学しましたが、留学生を受け入れられない状態が続いているため、協定への影響も懸念しています。

横浜市立大学グローバル推進室 森谷章子課長
「受け入れを再開できると思ったやさきの入国停止で残念だが、水際対策のためにはしかたない。できる範囲で準備を進め、協定先の大学との関係維持にも努めたい」

政府 さらに水際対策強化

政府は、外国人の新規の入国停止に加え、南アフリカ、アンゴラやザンビア、それにジンバブエやナミビアなどあわせて10か国について、在留資格を持つ外国人の再入国も、原則として、2日午前0時以降、順次、停止することを決めました。

このほか、日本人の帰国者などに、入国後、一定期間、指定する施設にとどまってもらう「停留」の措置について、スウェーデン、スペイン、ナイジェリア、ポルトガルの4か国を対象に追加し、「停留」の期間を3日間としました。

また、国内の監視体制を強化し、空港などでの検疫で陽性になった全ての検体のゲノム解析を実施するとともに、より早期に変異株を検出できる、「変異株PCR検査」の準備を急いでいます。

政府は、オミクロン株に対するワクチンの効果について、疫学的な情報を収集して分析を進め、必要に応じて2回目の接種との間隔を原則8か月以上とした方針を見直すことも検討するなど柔軟に対応していく考えです。

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