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「オミクロン株」ワクチン効果低下の可能性 感染力や各国の状況は

  • 2021年11月27日

南アフリカの当局は25日、新型コロナウイルスのワクチンの効果を低下させる可能性がある新たな変異ウイルスが見つかったと発表しました。
WHO=世界保健機関は、「VOC=懸念される変異株」に指定し、呼称は「オミクロン株」としました。
国立感染症研究所も、国内でも「VOC」に位置づけ、監視体制を強化しています。

南アフリカで確認の変異株 ワクチン効果低下か

南アフリカの保健当局は25日、首都プレトリアや、最大都市ヨハネスブルクのあるハウテン州で、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスが検出されたと発表しました。

保健当局によりますと、これまでに国内で確認されたこの変異ウイルスの感染例は77例ですが、検出される割合は急速に増えていて、ハウテン州以外にも広がっている可能性があるということです。

またこの変異ウイルスには、ワクチンの効果を低下させる可能性のある変異があるということで、南アフリカ以外にも隣接するボツワナで検出されているほか、香港でも、南アフリカからの旅行者から検出されたということです。

南アフリカ保健相

WHO「懸念される変異株」オミクロン株

WHO=世界保健機関は26日、南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて、「懸念される変異株」に指定したと発表しました。

指定の理由について、WHOは、現時点で得られている科学的な根拠からほかの「懸念される変異株」に比べ、再感染のリスクが高まることが示されているなどとしています。呼称は「オミクロン株」としました。

今回、WHOが南アフリカで確認された新たな変異ウイルスを現在、広まっているデルタ株などと同じ「懸念される変異株」に指定したことで世界的な監視態勢が強化されることになります。

WHOで新型コロナウイルス対策の技術責任者を務めるバンケルコフ氏は、オミクロン株について「数多くの変異が生じており、中には懸念される特性を持つものもある」と述べた上で感染力や重症化のリスク、診断やワクチンの効果への影響などについて各国で研究を進めていることを明らかにしました。

感染研 ワクチン効果低下など強く懸念

日本ではこれまでのところ、感染者は見つかっていませんが、国立感染症研究所では、ウイルスについての海外の情報などから国内でも「VOC」に位置づけたということです。

国立感染症研究所によりますとオミクロン株はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分にこれまでの変異ウイルスの中で最も多い、30か所の変異が見つかっていて、このほかにも遺伝子の一部が欠損するなどしているということです。

「スパイクたんぱく質」はヒトの細胞に入り込む際に最初に結合する部分で、ワクチンによる抗体が目印としています。

このため国立感染症研究所では、これまでよりも感染力が高まることやワクチンの効果の著しい低下、それに再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。
ただ、今のところ実験データなどがなく、疫学的な情報も十分ではないため、年代別の感染性への影響や症状の重篤度、実際の社会でのワクチンの効果への影響などについて注視していく必要があるとしました。
その上で、個人の基本的な感染予防策として従来と同様に3密を避けることや特に会話の際にマスクを着用すること、それに手洗いなどの徹底が推奨されるとしています。

イギリスも制限強化 保健相「デルタ株より強い可能性」

イギリス政府は、南アフリカで新たな変異ウイルスが確認されたことを受けて、南アフリカやその周辺のボツワナなど合わせて6か国を対象に、現地時間の26日正午、日本時間の26日午後9時から、渡航制限を強化する措置を発表しました。

これらの国々からは直行便が停止され、入国が禁止されます。

また、イギリスに住んでいる人については政府指定のホテルでの隔離が義務づけられることになります。

イギリス ジャビド保健相
「この変異ウイルスは、デルタ株よりも感染力が強い可能性があり、ワクチンの効果を弱めるおそれがある」

イギリス政府によりますと、新たな変異ウイルスはイギリス国内では今のところ確認されておらず、今回の措置は予防的なものだとしています。

各国の感染状況は

南アフリカで確認された新たな変異ウイルスの感染者は、29日現在、次の国と地域で確認されています。

南アフリカ ボツワナ イスラエル イギリス ドイツ ベルギー イタリア デンマーク オランダ オーストラリア カナダ 香港

香港で感染が確認されたのは、11月11日に南アフリカから到着したあとホテルで隔離中の男性と、その向かい側の部屋で隔離中のカナダから到着した男性の2人です。2人はいずれも2回のワクチン接種を終えていたということで、カナダからの男性は、食事の受け渡しのため部屋のドアを開けた際に感染した可能性が高いとみられています。

イスラエルで、感染が確認された1人はアフリカ南部のマラウイから戻った人だということです。

ベルギーの感染者は、エジプトからトルコを経由して11月11日に到着した人で、ワクチンは接種しておらず、地元の公共メディアは南アフリカやその周辺には滞在していなかったと伝えています。

専門家「ワクチン効果影響されるか注視」

南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて、海外の感染症に詳しい専門家は「ワクチンの効果がどれだけ影響されるかもう少し様子をみる必要がある」という見方を示しています。

海外の感染症に詳しい東京医科大学 濱田篤郎特任教授

『スパイクたんぱく質』に30以上の変異
この変異ウイルスは表面にある『スパイクたんぱく質』という部分に30以上の変異があり、デルタ株よりも変異が多いことから感染力の増加やワクチンへの影響につながる可能性がある。今、調査が進められていると思うが、現段階では感染力がある程度高い可能性があるためWHOはVOC=懸念される変異株にしたとみられる。ワクチンの効果がどれだけ影響されるかはもう少し様子をみる必要があるのではないか。


現在の予防対策を粛々と進める

香港で感染者が見つかっていて、日本にも入ってくる可能性はある。まずは南アフリカとその周辺からの入国者について、厳重に健康監視をすることが重要だ。日本で私たちが注意するべきこととしては、現在行っている予防対策を粛々と進めていくことだ。これから日本でも始まる3回目の追加接種を進め、日ごろからマスクを着用する、距離を保つなどの予防対策を取っていくことでかなり防げるのではないか。

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