「恩返したい」
幼い頃、父を亡くし、大学に進学する際に市から教育費の援助を受けた男性が、地元・神奈川県逗子市に10億円を寄付しました。市は、給付型の奨学金事業を行う方針です。
逗子市によりますと、11月10日、逗子市出身でアメリカ在住の男性から大学生の奨学金事業を始めることを条件に現金10億円を寄付すると申し出がありました。
市は財団法人を設立し、来年度から給付型奨学金の事業を始める方針を決めました。
市は来年4月に大学に入学する5人に年間72万円を給付する予定で、選考の際は国際的なリーダーを育てたいという寄付者の意向で国が選定した「スーパーグローバル大学」の学生やひとり親世帯の学生を優遇する方針です。
寄付を申し出た男性は、幼い頃に父親を亡くし、大学に進学する際に逗子市から教育費の援助を受けたことから「恩返したい」と話していたということです。
ネットでは、共感の声が広がっています。
東京のNPO法人「日本ファンドレイジング協会」によりますと、アメリカでは超富裕層と呼ばれる人たちの寄付先として最も関心が高い分野が教育で、去年は法人からの寄付もあわせて、日本円で8兆円あまりの寄付があったと報告されていますが、日本で、個人が10億円を寄付するのは極めてまれだということです。
逗子市
「コロナ禍で大学進学を諦めざるを得ない学生もいるので、有効活用したい」