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ジェンダーレス制服の現状は 選択の自由の訴えに1万人超の署名も

  • 2021年11月10日

多様性を理解して認め合おうという社会の動きのなかで、制服のあり方の見直しが始まる一方で、依然、性別による制服の問題で苦しむ人もいます。性別に関係なく制服を選べるようにすることを求め、都立学校に通っていた元生徒が、およそ1万人あまりの署名を都の教育委員会に提出しました。制服をめぐるジェンダーの問題を取材しました。

“制服を選ぶことができていれば”

署名を提出したのは、ことし春に都立の中高一貫校を卒業した元生徒です。戸籍は男性ですが心と体の性別が一致しないトランスジェンダーです。
通っていた都立の中高一貫校では、中学の課程で女子はスカートかスラックスかを選択できましたが、男子はスラックスしかなかったことから元生徒は強い違和感を持ちながらスラックスをはいて3年間を過ごしたということです。署名を提出する前に記者会見をして胸中を明かしました。

都立学校の元生徒
生徒の多くはあまり気にしていない、別に制服なんてあってもいいじゃないか、と思っているかもしれませんが、私にとってそれは、何も気にせずに着られるようなものではなくて、自分をまさに否定するようなものだったと考えています。
具体的に言えば、おまえは男なんだ、そして男はこうあるべきなんだ、と毎日学校に強制されているような、そう言い聞かされているような気分でした。あのとき、もし自分が制服を選ぶことができていればという悲しみで押しつぶされそうになります。

“自由に制服選択を” 1万1500人が賛同

元生徒は学校のルールで性別によって区別することは不合理だとして、誰もが性別などに関係なく制服を選べるようにすることを訴え、去年11月からオンラインで署名を始めたところ賛同する人はおよそ1万1500人にのぼりました。
元生徒は9日、都庁を訪れて都の教育委員会にこの署名を提出しました。

制服は男女ではなくA型・B型 選択は自由

一方、都内ではLGBTQと呼ばれる性的マイノリティーの人たちの声をきっかけに新たな取り組みが進められている地域もあります。
江戸川区は、去年8月、LGBTQの当事者から制服についてスラックスかスカートか自由に選べるようにしてほしいと要望書が出されたことなどを受け、今年度から33の区立中学校の3分の1にあたる10校で性別に関係なく選択できるようにしました。

このうち、瑞江第二中学校ではこれまでの男子用、女子用という制服の呼び方をやめてA型、B型などに変更しました。

 

スラックスの制服を着ることがあります。ジェンダーに理解があっていいと思います。

 

制服が選べて個性が出ていいと思います。女子がネクタイ、スラックスでも違和感ありません

男女の固定観念にとらわれない

このほか、学校は、男子が青、女子が赤というトイレ表記の色を黒に統一したほか、男女で分けていた出席名簿を男女混合にして、これまでの男性と女性の固定概念にとらわれない取り組みを行っています。

瑞江第二中学校 滝澤清豪校長
「よかったという声が一番多く何で早くやってくれなかったですかという声もあったぐらいです。
子どもたちが、中学校に入ったらこういうものなのだとやっているというのが現実であって、私たちが、そこに注目しないで、今までどおりやっていたということに、ちょっと立ち止まって考えている、というのが本校の取り組みです。 
学校現場は、昔は男女別の授業もたくさんありました。よく考えた上で、ここはやはり変えなければならないという判断をするべきところは多々あると思います」

都教委 “個別に丁寧に対応 安心して学校生活を”

署名を受け取った東京都教育委員会は、「学校の現場で生徒の相談に対して個別に丁寧に対応している。すべての生徒が安心して学校生活を送れるよう都教育委員会としても学校を支援していく」としています。
都の教育委員会によりますと、都立の高校については、2016年度に行った調査で、制服や生徒の標準服を導入していると回答した180校のうち93校が女子用のスラックスを導入しているなど、生徒が制服を選ぶことができると回答したということです。
都の教育委員会では性的マイノリティーの生徒の意向を尊重できるよう、それぞれのケースに応じて丁寧にきめ細かく対応するよう学校に求めているということです。

都立学校の元生徒
自分の周りでもトランスジェンダー、あるいはその他の理由で、制服が苦しいから学校に行くことが苦しいという人が少なからずいるということを感じて署名活動を始めるに至りました。 
複数の市区町村では、すでに制服を選択できるようにしようあるいは制服というのは本当に必要なのだろうか考え直す動きがあります。押しつけるのではなく、東京都全体で、都立学校全体で、児童や生徒の悩みに寄り添うような新しいルールを早くつくっていかなければならない、制服に関するルールを考え直さなければならないと思います。

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