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5歳からファイザーのワクチン 米FDAは許可へ 日本の対応を専門家は

  • 2021年10月28日

5歳から11歳への新型コロナウイルスのファイザーのワクチン接種について、アメリカのFDA=食品医薬品局の委員会は「利益はリスクを上回る」とする結論を可決しました。FDAは近く、接種対象を拡大する許可を出すものとみられます。
ワクチン接種の対象が小学生の年代に広がろうとしていることの意味や、日本国内での接種の進め方などについて専門家に聞きました。

ファイザーのワクチン 5歳から11歳への拡大案

ファイザーのワクチンは、当初は16歳以上が対象でしたが、ことし5月、アメリカで12歳以上に拡大されたあとで日本でも5月に拡大されています。

アメリカのFDAが開いた専門家の委員会では26日、ファイザーのワクチンについて現在、12歳以上である接種の対象を5歳から11歳の子どもにも広げる案について検討されました。

子ども対象の臨床試験 ファイザー “90.7%に効果”

ファイザーなどは、5歳から11歳の2200人以上の子どもを対象に、12歳以上に使われている3分の1の量のワクチンを接種するグループと、ワクチンに似せた偽の薬=プラセボを投与するグループに分けて、有効性や安全性を確認したということです。

結果についてファイザーは、発症を防ぐ効果は90.7%に上り、重症化したケースはなかったとしました。

子ども対象の臨床試験 副反応の状況は

〇 ワクチンの副反応
38度以上の発熱 1回目2.5% 2回目6.5%
けん怠感     1回目33.6% 2回目39.4%

一方で、ワクチンの副反応は、38度以上の発熱が、1回目の接種のあとで2.5%の子どもで、2回目の接種のあとでは6.5%。けん怠感は、1回目の接種のあとで33.6%、2回目の接種のあとでは39.4%で見られるなどしたということです。

ファイザーは安全性にも懸念は示されなかったと説明しています。

委員会  “利益がリスクを上回る” の結論を可決

FDAは、この年代について、さまざまな想定を分析した結果として「感染によって入院するリスクのほうが、ワクチン接種による副反応のリスクより高い」という見方を示しました。

さらに、5歳から11歳の子どもは、1回のワクチン接種量がほかの年代の3分の1に抑えられることなどから、心筋炎を発症するリスクは12歳から15歳に比べて低くなると考えるのが合理的だとしています。

そして委員会は、「利益がリスクを上回る」とする結論を賛成多数で可決しました。

これを受けてFDAは近く、接種の対象を拡大する緊急使用の許可を出すものと見られ、その場合、CDC=疾病対策センターが、11月初めにも最終的に推奨するかどうかの判断を下すことになります。日本でも議論が始まる見通しです。

小学生の年代に接種を広げる意味は

小児科の医師でワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は「ワクチン接種には個人を守ると同時に、生活する集団を守る役割があり、新たな感染対策の1つができるという点で意義がある」としました。
その一方で、子どもにも感染が広がったアメリカと感染者数が減っている日本の状況は異なるとした上で、日本での接種の進め方について次のように述べています。

北里大学 中山哲夫特任教授
「基礎疾患のある子どもたちは感染すると重症化するリスクが高く、ワクチン接種を進めたほうがいいと思うが、子どもは多くの場合は軽症で、重篤になることが少ないため、全員にワクチンを接種すべきかどうかについて慎重に考えないといけない。性急に進めるのではなく、様子を見ながら進め、徐々に接種が拡大していくことを望んでいる」

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