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感染再拡大のイギリス “日本では急拡大しないのでは” 専門家

  • 2021年10月27日

新型コロナウイルスの感染は、イギリスのようにワクチン接種が進んでも再拡大している国もあります。一方、日本の状況について専門家は「多くの人が基本的な感染対策を続けているので、イギリスのような急速な感染拡大はしないのではないか」などとしています。厚生労働省の専門家会合も、改めて一人ひとりが感染対策を取るよう呼びかけています。

続く感染者の減少傾向 経済活動の再開も

厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、新規感染者数は25日までの1週間では、前の週と比べて、首都圏の1都3県では東京都で0.51倍、千葉県で0.52倍、埼玉県で0.44倍、神奈川県で0.42倍と減少し、全国も0.57倍と多くの地域で減少が続いています。

そして25日、東京など5つの都府県で飲食店に対する営業時間短縮の要請などが解除されました。このうち東京都では、認証を受けた店ではおよそ11か月ぶりに通常営業が可能となりました。各地で経済活動を再開する動きが出てきています。

規制撤廃のイギリス 再拡大の4つの要因とは

一方、ワクチン接種が先行していたイギリスでは、ことし7月、人口の大部分を占めるイングランドで規制がほぼすべて撤廃されましたが、その後、感染者が増加に転じています。ワクチンの接種が進んでいるにも関わらず改めて感染が広がっていることについて、大きく分けて4つの要因が指摘されています。

〇規制の撤廃
ロンドンのあるイングランドでは、マスク着用の義務などの規制はほぼなくなり、街なかは、コロナ以前と変わらない状況になっています。

 

ワクチンは2回完了したし、3回目もまもなく接種する。守られていると思う。私たちの生活のことも考えなくては

 

医療は多少圧迫されているが、ひっ迫はしておらず、さらなる規制はいらない

 

〇進まない子どもへの接種
子どもたちへのワクチン接種は9月下旬に始まったばかりで、新学期の開始をきっかけに学校での感染が広がっています。

〇免疫力の低下
接種を完了してから半年以上経過して、免疫が落ちてきているのではないかという指摘があります。

〇変異株の新たな動き
また「デルタ・プラス」とも呼ばれるデルタ株のなかの新たな系統がじわじわと増えています。最新の調査では、新規感染者の6%を占めるとみられ、専門家はデルタ株に比べ感染力が10%ほど強いという見方を示しています。ただ、現時点では急激な感染拡大につながるとはみられておらず、イギリス政府が注視している状況です。

ワクチン追加接種を急ぐイギリス

感染の再拡大に対して、イギリス政府は、3回目の追加接種などを急いでいますが、死者や重症者が比較的抑えられていて政府は背景にワクチンの接種があると強調しています。
このため、ジョンソン政権は、マスク着用の義務化や在宅勤務の推奨など新たな対策の導入には否定的です。コロナとの共生を掲げるイギリス政府は、経済などが再び混乱する事態は避けたい考えです。

これに対して、医療関係者の間では、今後、冬に向けて、インフルエンザの流行も相まって感染拡大による医療のひっ迫が懸念され、手遅れになる前に、今対策をとるべきだという声が強まっています。

政府は、どの時点で規制を導入するのか、あるいはしないのか、慎重に見極めていくとみられます。

“イギリスのような急速な感染拡大はないのでは”

イギリスの状況から何を学べばいいのでしょうか。国内での対応などについて専門家に聞きました。

アメリカの国立研究機関に勤める峰宗太郎医師は、「日本は多くの人が基本的な感染対策を続けているので、イギリスのような急速な感染拡大はしないのではないか」としました。そのうえで、「マスクの着用や『密』を避けることなど、基本的な感染対策を油断せずに続けることが大切だ」と話しています。
公衆衛生学が専門の和田耕治教授は「今後、国内でもワクチンの効果が下がったり、年末のイベントなどで『密』な場面が増えたりすると感染が再び広がるおそれもある。高齢者などの感染状況を注視していくことが大切だ」と話しています。

専門家会合 “改めて個人の感染対策を”

厚生労働省の専門家会合は26日、ワクチンの接種が先行している諸外国で、接種を完了した人でも、中和抗体の値の低下や、接種済みでも感染するブレイクスルー感染、それに、感染の再拡大が起きているとして、対策の緩和の際には注意し、追加接種に向けた検討を進める必要があるとしています。
さらに、対策が緩和されて飲食の機会が増えることが見込まれる中で、一定のリスクの高い状況が重なると集団感染につながるおそれがあることを踏まえて、飲食の際には、感染対策の認証を受けた店を選び飲食時以外はマスクを着用することなど、改めて一人ひとりが感染対策を取るよう呼びかけています。

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