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沖縄のビーチ覆う軽石 小笠原の海底火山から噴出か 影響広がる

  • 2021年10月25日

小笠原諸島の海底火山から噴き出したとみられる軽石が、沖縄・奄美の各地に流れ着いています。沖縄のリゾートホテルでは、白い砂浜に漂着した軽石を取り除いても次々と流れ着くため、担当者が頭を悩ませています。
観光や漁業などに影響が出ているほか、今後、影響は本州沿岸にも広がりそうです。

沖縄の白いビーチが灰色に・・・

沖縄本島北部の今帰仁村にあるリゾートホテルが管理するビーチ。今月17日から大量の軽石が流れ着いています。およそ1キロある白い砂浜が灰色の軽石に覆われ、波打ち際にも大量の軽石が漂っていてマリンレジャーができなくなっています。

そして、国の緊急事態宣言が解除されて予約が入った県内の小中学校の体験利用のキャンセルが相次いでいるということです。
ホテルでは軽石の除去作業を進めましたが、次々と大量に流れ着くため作業が追いつかず、頭を悩ませています。

リゾートホテル 宮城寧支配人
「白い砂浜と青い海を求めてくるお客様が多いので、この状況に残念そうです。ホテルだけでは対応できないので、行政でも対応をお願いしたい」

小笠原の海底火山噴火が原因か

小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場で、ことし8月に発生した噴火。このとき噴出された軽石が沖縄・奄美で大量に漂着していると見られています。
小笠原諸島の硫黄島の南にある海底火山、福徳岡ノ場は8月13日に規模の大きな噴火が発生し、大量の噴出物によって2つの島ができました。

産業技術総合研究所などの研究グループは、気象衛星「ひまわり」や300キロほど離れた父島からの観測などをもとに、噴火規模を分析したところ、噴煙の高さは1万6000メートルから1万9000メートルに達し、マグマの噴出量はおよそ3億トンから10億トンとみられるということです。

このため研究グループは、今回の噴火の規模は明治以降の国内の火山噴火としては桜島で1914年(大正3年)に発生した「大正の大噴火」に次ぐもので、最大クラスだったとしています。

産業技術総合研究所 及川輝樹主任研究員
「これだけの量の軽石が海岸に漂着したことは、非常に規模の大きい噴火だったことを物語っている。海水を利用する発電所や製鉄所のほか、漁船やフェリーを運航する人たちは注意してほしい」

漁業にも影響 魚の体内から軽石

生けすで死んだ魚 体内から軽石

漁業にも影響が出ています。
25日午前、沖縄県国頭村の辺土名漁港のすぐ沖に設置された生けすで、魚が死んで浮いているのを国頭村漁業協同組合が確認しました。
魚は、地元で「グルクマ」と呼ばれる体長が40センチほどのサバの仲間で、東京へ出荷する前に生けすで育てていたおよそ300匹のうち、200匹余りが死んでいたということです。

漁港には、小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場でことし8月に発生した噴火で出た軽石が漂着していて、生けすの中にも入り込んでいたということです。

魚の体の中から細かい軽石が見つかったということで、組合は、魚がエサと間違えて軽石を飲み込んだのが原因とみられるとしています。

国頭漁業協同組合 村田佳久組合長
「漁港に押し寄せる軽石のせいで、すでに1週間ぐらい漁に出ることができず、大変な状態になっているが、生けすの魚も出荷できなくなった。この状況がいつまで続くか心配だ」

海保の巡視艇も航行不能に

船の航行にも影響が出ています。
中城海上保安部によりますと23日午後6時20分ごろ、沖縄県糸満市の喜屋武岬の南方およそ55キロの海上を射撃訓練を終えて航行していた巡視艇「しまぐも」が、エンジンの冷却装置に軽石を吸い込んで航行不能になりました。
共に射撃訓練を行った巡視船「いしがき」が救出に向かい、午後9時半すぎにロープを使って巡視艇のえい航を始め、沖縄市の中城新港に24日午後2時前に到着しました。
乗組員9人にけがなどはないということです。

海上保安部によりますと、沖縄近海には小笠原諸島の海底火山から噴出したと見られる大量の軽石が漂流していて、巡視艇はこれを避けながら航行していたものの、吸い込んでしまったということです。

海上保安部では沖縄近海を航行する際は軽石の吸い込みに十分注意するよう呼びかけています。

漂流する大量の軽石 関東など到達のおそれも

沖縄・奄美に漂着した大量の軽石。専門家がシミュレーションしたところ今後、その一部が関東など、本州の南岸にも近づくおそれがあることがわかり、注意を呼びかけています。

JAMSTEC=海洋研究開発機構の美山透主任研究員は、黒潮など海面付近の海流予測をもとに福徳岡ノ場から噴出した軽石がどのように漂流するのかシミュレーションを行いました。

8月の大規模な噴火のあと、沖縄や奄美に流れ着いた軽石は時計回りに旋回し、11月上旬にかけて、四国付近の沖合まで進むとみられています。

その後も黒潮に乗って軽石は流れ続け、11月中旬には四国と紀伊半島の間の紀伊水道の沖合に達するとみられます。

そして、11月の末ごろにかけて、軽石の一部は日本の南を大きく蛇行したあと、再び東海道沖に北上して関東など、本州の南岸にかなり近づくと予想されています。

海洋研究開発機構 美山透主任研究員
「今の時期は黒潮の影響で大きく蛇行し、東海や伊豆諸島まで軽石が流れる可能性がある。まだしばらくは軽石の漂流が続くとみられ注意してほしい」

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