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デパートで人気の北海道物産展の歴史 昭和27年は乳搾り体験も

  • 2021年10月14日

牛の乳搾りを撮影した写真。場所は牧場ではなく、デパートの屋上です。戦争の記憶がまた新しい昭和27年に、初めて開かれた北海道物産展の様子なのです。
今、ウニやいくら、チーズやメロンなどが所狭しと並ぶ北海道物産展の歴史を振り返ると、人々の関心の移り変わりや、物流や冷凍技術が発達していない中での苦労や工夫が見えてきます。

大人気の物産展 その歴史は約70年

いくらなどの新鮮な海の幸に、特産のじゃがいもやスイーツ。
東京・中央区にある日本橋高島屋で10月6日から開かれている北海道物産展です。

このデパートでは戦後の昭和27年から北海道物産展が始まり、ことし70年目の節目にあたることから、その歴史を振り返る展示も行われています。

牛の乳搾りから流氷まで

こちらが第1回目の昭和27年の開催の時の写真。なんとデパートの屋上で乳牛の乳搾り体験が行われていました。

昭和60年には「キタキツネ」が。

平成2年には「流氷」の展示が行われていました。
かつての物産展では、遠く離れた北海道の魅力を知ってもらおうと、北海道にちなんだ生き物などが会場まで運ばれていたのです。

元社員の伊東章一さん(67)は、平成に入ってバイヤーとして物産展を担当しました。
先人たちの苦労について、次のように語ります。

伊東章一さん
「昭和30年代ごろはクール便もなく、商品の買い付けよりも買った商品をいかに東京に持ってくるか、輸送の手配が大変だったと聞いています。当時は現金商売だったため、懐に現金を入れて買い付けに行っていたそうです」

伊東さん自身、当時はまだ珍しかったイートインの回転ずしを準備するなど、他店にはないものを楽しんでもらうために奮闘していたということです。

「ほかの店に出ていない商品を引っ張ってくるぞというプライドがあって、何年も諦めずに交渉したこともありました。ことしはどういう新しいものがあるか、わくわくしながら来てほしい」

新聞広告からも当時の様子が

新聞広告からも当時の時代の様子が分かります。
物産展が始まった直後の新聞広告には「新巻ざけ100円」や「するめ45円」などと記されています。
物流網や冷蔵技術が十分に発達していない時代に日持ちする塩漬けされた食品などが商品の中心だったことがわかります。

昭和45年に入社した元社員の織田憲嗣さん(75)は新聞広告のイラストを手がけ新巻ざけを描きました。

織田憲嗣さん
「輸送で時間がたっているので生きはあまりよくないですが、その中でもいい顔のものや、尾びれが立派なもの、体の張りがいいものを選んで組み合わせ、脚色してイラストを描いていました。北海道の物産をよりよいイメージで伝えたいという思いがありました。コンピューターがないアナログの世界でしたが、みんなこだわり、制作現場にも熱気が充満していました。現地に行かないと食べられないものが集まるので、多くのお客様が来ていました」

物産展と展示は10月18日まで開かれています。

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