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緊急事態宣言の解除判断 政府分科会が新指標 “医療をより重視”

  • 2021年9月8日

緊急事態宣言の解除を今後、判断する際の指標について、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会は8日、新たな指標を示しました。感染者数が2週間ほど続けて減少していることを前提に、医療がひっ迫していないことをより重視するとしています。その詳細です。

政府分科会 西村経済再生相 “いまやるべきは医療の強化”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会が8日開かれ、西村経済再生担当大臣は分科会の冒頭で「新規感染者数は全国的に減少傾向が見られるが重症者数は依然として極めて高い水準が続いている。いまやるべきは医療の強化で、自治体と連携しながら取り組みたい」と述べました。
その上で、9月12日が期限となっている緊急事態宣言の扱いについて「専門家で議論を重ね、自宅療養や入院調整中の方の指標も加味しながら判断する必要があるという考え方が整理されたと聞いている。各都道府県と意思疎通を図りながら、医療提供体制などをよく分析、共有し『基本的対処方針分科会』で対応を議論していただきたい」と述べました。

今後の宣言解除の判断 “医療の状況をより重視” 

分科会では、緊急事態宣言の解除を今後、判断する際の新たな指標がまとめられました。
それによりますと、緊急事態宣言の解除を判断する際には、感染者数を考慮するとともにいままで以上に医療がひっ迫していないことを重視する必要があるとしていて、「新型コロナウイルスに対応する医療への負荷」と「一般医療への負荷」の2つの側面での検討が必要だと指摘しています。

〇2つの側面で検討
「新型コロナウイルスに対応する医療への負荷」
「一般医療への負荷」

医療への負荷 具体的な指標は

判断の際の具体的な指標として、「新規感染者数」が2週間ほど継続して安定的に下降傾向にあることを前提に、「病床使用率」と「重症病床の使用率」がそれぞれ50%未満であること。すべての療養者に占める入院できている人の割合である「入院率」が改善傾向にあること。「重症者数」や「中等症患者の数」の減少傾向が続いていること。特に大都市圏では、「自宅療養者と療養などを調整中の人を合わせた人数」が人口10万人あたり60人程度のレベルに向かって確実に減少していることを挙げました。

また、「一般医療への負荷」を見る指標としては「救急搬送が困難なケース」が大都市圏で減少傾向にあることを挙げています。

さらに、こうした指標とともに自治体や地域の専門家の意向を考慮することや、宣言解除後に感染の再拡大が起きることに備えて慎重に判断することが求められるとしています。そのうえで総合的に判断するとしています。

“実態をより正確に評価できるようにしたい”

今回、分科会は感染の第5波でワクチンの接種が進む一方で、感染力の強いデルタ株が主流になり、重症者より軽症や中等症の患者が増加して医療のひっ迫が起き、自宅療養者も増加したことを受けて、新たな状況に応じた考え方を示しました。
分科会では今後、感染や医療の状況の「ステージ」についても、ワクチンが行き渡る時期に向けて新たな考え方を提案するとしています。
政府の分科会の尾身茂会長は、会合のあとの記者会見で、実態を把握するために今後も指標を更新していく必要性があるとする考えを示しました。

〇新たな指標を示したことについて
ワクチン接種が進みつつあるいまの状況は、いわば過渡期でこれまでのステージの考え方をすべて捨てたわけではないが、それだけでは対処できない。すでにある考え方に追加をすることで、実態をより正確に評価できるようにしたいという思いがあった。

〇現状の感染者数と医療ひっ迫の関係は
ワクチン接種が進み、重症化する人の数が減ったことによって、感染拡大の第3波や第4波のときと比べて新規感染者の数が倍くらいのところで、医療がひっ迫するというのが見えてきている。現在、感染者数の指標はステージⅣが1週間の感染者が10万人あたりで25人という数字になっているが、現時点でも、それより上の数になってもいいのではないかというのは専門家の一致した見解だ。

〇「重症病症の使用率」などの指標については
重症者がすべて重症病症に入院できていなかったり、逆に重症病床に軽症者が入ったりしている場合もあり、実態を必ずしも正確に表していない側面がある。人工呼吸器の使用率など、より実態を反映した指標を把握できるようにすることも必要だ。

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