こちらの画像。お茶を飲みながら、たばこをちょっと一服…という場面ではありません。
たばこのパッケージにそっくりな「CHABACCO(ちゃばこ)」と書かれたこちらの箱には実はお茶の粉末が入っています。
狭山茶が特産の埼玉県所沢市でユニークな取り組みが始まりました。
この「CHABACCO(ちゃばこ)」は自動販売機で売られています。
利用したのは、喫煙者の減少に伴って、全国では年間およそ2万台廃棄されているたばこの自動販売機です。
こうした自動販売機を活用して、たばことぼぼ同じ大きさの箱にお茶の粉末スティックを入れて販売する取り組みが静岡県から広がっていて、埼玉県のお茶どころ、所沢市でも9月から狭山茶の販売が始まりました。
たばことほぼ同じ大きさの箱のパッケージには茶畑や、所沢市が日本の航空発祥の地と言われていることにちなみ、飛行機などがデザインされ、狭山茶の粉末が入るスティックが8本入って1箱600円で販売されます。
パッケージには「喫茶は、心の沈静傾向を強め、あなたが人に優しくして相手も心地よいなど皆が幸せになる可能性を高めます」などユニークなメッセージも書かれています。
販売を始めた西武ホールディングスの担当の庄司智恵子さんは所沢市出身で、身近に茶畑があるなかで育ちました。狭山茶に深い愛着がありますが、急須で飲む人向けの商品が多いため、買い求める人の高齢化を感じていたと言います。
そこで、急須を使うことなく、水にかきまぜて飲むことができるこの商品を取り入れて、狭山茶を多くの人に飲んでもらおうと考えました。
取り組みに協力したのは地元のお茶農家で代々、狭山茶を生産・販売してきた新井重雄さんです。
新井重雄さん
「消費者にお茶を提供する新たな手法を切り開いてもらえて、ありがたく思っています。狭山茶の振興につながればうれしいし、期待しています」
9月1日、西武鉄道の所沢駅の構内に設置された自動販売機で販売が始まると、朝から並んでいた人たちが次々と買い求めていました。
パッケージがユニークで本当にたばこそっくり。
自分で粉を入れてちょっとふるみたいな。発想がおもしろいなと思いました。
庄司智恵子さん
「朝早くから並んでいる人もいてうれしく、やってよかったと思います。狭山茶や地域の魅力を知ってもらい、地元への愛情を高めてもらいたいです」
この自動販売機は川越市の本川越駅にも設置されたほか、今後、別の2つの駅にも設置されそれぞれの地域の名所などがデザインされたパッケージで販売されます。