痴漢の被害があとを絶たない中、高校生たちが政府に本格的な対策を求める署名活動を進めています。被害にあって思ったこと。さらに目撃した被害、インターネットや大人たちの反応など、高校生たちはどう感じているのでしょうか。彼女たちの訴えです。
若者の政治参加を進めようと高校生や大学生などが中心となって活動している「日本若者協議会」は、8月上旬からオンライン上で政府に痴漢の対策を求める署名活動を行っています。あとを絶たない痴漢の被害について、記者会見で感じていることを話してくれました。
クラスの女子の雑談の中で結構大勢の人が痴漢にあっていることを知って、対策などを調べてみたら、痴漢のえん罪にあった人がどうすればいいかという弁護士のページが結構あがってきたりして。痴漢バッジとかポスターという対策をネットで見つけることができたのですが、こんなにも多くの被害者がいるのに痴漢バッジやポスターだけじゃ対策が足りないじゃないかと怒りを感じました。
学校に行く途中の電車の中で、女子高校生が「この人痴漢です」と手をつかんで勇気を出して声を上げました。周りの大人はどうしていいか分からないっていう顔をしていたり、他人事だという顔した人もいたりして、なかなかその女子高校生と一緒に駅を降りるっていう選択をしてくれなかったっていうことがあって、とてもショックを受けました。痴漢についてどういう意見があるかツイッターなどで調べると、痴漢をやめようという意見が話題の上位にあがってこないということに、すごい違和感を覚えました。
自分が痴漢の被害にあうまで、誰かが騒いでいるとか思っていたところがあって、いま考えると、本当に恥ずかしいことなのですけど。実際に痴漢の被害を受けたあとのプロセスで、現場に行って写真を撮るなどの経験をした時に、すごく傷つき、嫌な気持ちがしました。また、友人が盗撮されたあとに、学校に行って先生にそのことを伝えても、ちゃんとした対応をしてもらえないばかりか、ちゃんと取りあってすらもらえなかったことですごく深く傷ついていて、痴漢問題というのは、すごく身近な問題だと思います。
「国は本気の痴漢対策に乗り出して欲しい」とした署名活動ですが、今後の対策や対応については、どのような思いを抱いているのでしょうか。彼女たちの訴えです。
とりまとめた要望では、痴漢の実態把握のための調査を行うことや、痴漢や性犯罪にあった際の対応方法について教育現場で教えること、さらに再犯率の高さが指摘されているとして加害者が早期に再発防止プログラムを受けられる仕組みづくりなども求めています。
団体によりますと、すでに2万5000余りの署名が集まっているということで、9月中に関係省庁に要望することにしています。