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「ド・ドドンパ」骨折6人に 経緯は?富士急ハイランド会見

  • 2021年9月1日

山梨県富士吉田市にある遊園地「富士急ハイランド」のジェットコースターの利用客4人が相次いで骨折した問題。8月31日、富士急ハイランドが初めて記者会見を開きました。事故について謝罪したうえで、同じジェットコースターの利用客2人が骨折するけがをしていたことを新たに明らかにしました。これまでの経緯と会見の内容です。

去年12月~8月に4人骨折

富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」は、車両に取り付けられたタンクから噴射する空気圧によって発車から2秒足らずで時速180キロに加速するのが特徴です。
「ド・ドドンパ」をめぐっては、去年12月からことし8月にかけて、利用した30代から50代の男女4人が首や背中の骨を折るけがをしていたことがわかりました。

4人が乗車した車両や座席の位置、けがをした箇所に共通点はないということですが、3人は、本来、頭を座席に当てて乗車しなければならないところ、前傾姿勢だったなどと話しているということです。

報告の遅れ

山梨県は富士急ハイランドに対し、ジェットコースターの利用客が重傷になる事故などがあった場合は、速やかに報告するよう毎年通知していたということですが、4人のけがについて報告があったのは8月17日でした。
山梨県は、事故を速やかに報告しなかったとして行政指導を行い、8月21日、建築基準法に基づき、遊園地の立ち入り調査を行いました。現在、山梨県と国の事故調査部会が調査を進めています。

山梨県 長崎知事(8月24日)
「事故が発生した際には、速やかに報告するよう毎年、通知してきたが、今回の事案は最初の事故発生から7か月以上報告を怠っていたことが明らかとなっている。これは極めて重大な問題で遺憾だ」

新たに2人の骨折判明

事故が相次いだことを受けて、富士急ハイランドが8月31日、初めて記者会見を開きました。
この中で、岩田大昌社長は「楽しみにおこしいただいたのに負傷されたお客様や関係者に多大なるご迷惑やご心配をかけ、心よりおわび申し上げます」と謝罪しました。

そして、8月21日に開設した窓口への相談などから、新たに2人が「ド・ドドンパ」を利用して骨折するけがをしていたことを確認したと明らかにしました。
窓口にはこれまでに132件の相談が寄せられていて、このうちおよそ9割が「ド・ドドンパ」を利用したものでした。
さらに、このうち骨折が確認された2件を含む16件は、首や背中の骨折など治療期間が30日以上と見込まれる症状の相談だったということで、富士急ハイランドは確認を進めています。

第三者委員会で再発防止策検討

会見の中で、富士急ハイランドは、9月3日に専門家による第三者委員会を設置し、今後、すべてのアトラクションでの安全管理体制を検証したうえで再発防止策などを検討していくことを明らかにしました。

富士急ハイランド 岩田大昌社長
◯報告の遅延について
 
今回の負傷の報告の遅延につきまして、当社としては遊戯施設の瑕疵、点検や運営における安全管理に過失が認められる人身事故が報告の対象であると認識しています。その前提において、直前・直後での点検での異常が確認できず、機器が正常に動作していたこと、アトラクションの乗車基準に基づき、看板、サイン、映像、放送、係員の指示などで注意喚起を徹底していたこと、乗車時の姿勢が不明であったこと、これらの理由により、アトラクションと負傷との間に、因果関係が確認できなかったため、報告基準に該当しないと認識しておりました。当社の誤認により、山梨県と国へのご報告が遅れましたこと、お詫び申し上げます。

◯今後の対応について 
各分野の専門家を委員とした第三者委員を立ち上げることにしました。すべてのアトラクションを第三者の目で客観的に検証いただくことにします。安全安心を提供できる遊園地、企業として、みなさまの信頼回復を図って参ります。

専門家「決してあってはいけない話」

今回の事故について、製品事故に詳しい明治大学の向殿政男名誉教授は次のように指摘しています。

明治大学 向殿政男名誉教授
「事故が起きないという大前提でスリルを味わうものなので、事故が起きるのは決してあってはいけない話だ。
国や県が作る安全基準は最低基準で、業者はそれを満たすだけでなく、常に安全な度合いを上げるように努力し続ける責任がある。そして、乗る人にも自分の身は自分で守るという責任があるので、注意事項に従うことも大切だ。責任の追及というよりも、原因を究明して、今後どうしたら防げるかということを事業者や国も含めて議論して、よい基準、より安全な基準を作っていくべきだ」

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