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東京パラ学校観戦 千葉県一転して中止 熊谷知事会見の詳細

  • 2021年8月30日

千葉県は、東京パラリンピックの「学校連携観戦」チケットによる子どもたちの観戦について、一転して中止する方針を決めました。
熊谷知事は臨時の記者会見を開き、「多くの保護者が安心して送り出せない以上、実施にこだわるべきではない」と、その理由を説明しました。発言の詳細です。

当初 198校2万3100人が参加予定

東京パラリンピックの会場で児童・生徒などが競技を見る「学校連携観戦」について千葉県からは大会開催前の時点で県内の小・中・高などあわせて198校の2万3100人あまりが参加する見通しでした。
しかし、直前に辞退するケースが相次いだ上、29日に千葉市の市立中学校で今月25日に観戦の引率をしていた教諭2人が検査で陽性となったことが発表されたことを受けて30日、一転して、子どもたちの観戦を中止する方針を決めました。
31日以降は、千葉市立の学校と県立学校のみが観戦する予定だったため、千葉市の神谷俊一市長と協議の上、中止を決定したということです。

臨時会見 発言詳細

熊谷知事は臨時の記者会見を開き、その詳しい理由を説明しました。以下発言の詳細です。

冒頭の発言
昨日、千葉市立の中学校において、学校連携観戦の児童生徒を引率した教諭2名について、競技観戦後に新型コロナウイルスの感染が判明したという事案が発生し、千葉市から発表がありました。学校連携観戦については政府分科会の尾身会長も、「おそらく小学校の子が行っても感染はしない確率が高い」と発言をされており、競技観戦そのものの感染リスクは低いものと考えております。今回の教諭の方についても、この観戦前に感染をされていたというふうに考えられます。しかしながら、あす以降保護者のみなさんや引率する先生方に安心していただくためにはPCR検査等さらなる感染防止策が必要と考え、学校連携観戦を予定している神谷千葉市長と先ほどウェブ会議を開催し意見交換を行ったところです。
神谷市長からは「学校連携観戦は3日までであり、さらなる感染防止策を講じるには教育現場の負担が大きい」とのことでありました。また県立高校についても同様であることから、あす以降のすべての学校連携観戦について中止することで合意をいたしました。
繰り返し申し上げてきたとおり、この学校連携観戦というのは保護者の理解が大前提であります。多くの保護者が安心して子どもを送り出せない以上、この学校連携観戦の実施にこだわるべきではないと考えております。楽しみにしていた子ども、保護者には申し訳なく思います。
学校連携観戦は中止となりますが、是非、児童生徒の皆さんにはパラリンピックをテレビで観戦し、そしてまた体験もしていただき、将来に生かしていただきたいと思っております。県としてもそうした市町村の動きをサポートしていきたいと考えております。

以下、記者の質問と知事の答えです。

Q このタイミングでの中止は、教員がコロナに感染したからか?
まず1つとして、これまでの学校連携観戦の実施状況を見るに、前日直前キャンセルというのが非常に多いわけです。そう考えると保護者の皆様がギリギリまで悩まれて判断をしてこられている。そうした現状がうかがえるところです。そういう中で今回、教員の感染という形で、これが直接学校連携観戦には関係しないと思われますけれども、保護者の方は当然さらに不安に思われるというふうに思います。 先ほど申し上げたとおり、PCR検査等のさらなる安心をしていただくための対策が取れないということであれば、おそらくあす以降、保護者の方はさらに悩まれて、参加する児童もおそらく少ないと思いますので、そうであれば学校連携観戦の意義そのものが薄れてしまうということ。さらには、今までは学期が始まる前でありましたけれども、これからは学期が始まって以降のことになりますので、より一層保護者の方も悩まれると思いますので、そういう意味では、きょう判断をしなければいけないだろうと、そういう考えに至った。

Q 生徒で感染が確認された事例は?
おそらく濃厚接触者はいないもの、改めて念のために18名の方を拡大PCR検査をされる方針と聞いていますので、その状況というのは今後出てくると思います。改めて申し上げると学校連携観戦そのものの感染リスクは決して高くはないという考え方に千葉県・千葉市ともに変わりはありませんけど、しかしながら保護者方の不安、それを払拭するような安全というよりも安心して頂くための施策についてさらに実施することは困難という状況であれば、決断をするべきだろうというふうに考えました。

Q 学校連携観戦にはプラス面があるといっていたが、それを上回るマイナス面とは?
パラリンピックの学校連携観戦を実施する学校については、単に行くだけではなくて、それまでの授業等のなかでですね、パラリンピックの競技であったりパラスポーツ、もしくは障害者の皆さんの置かれてる状況などを学んでこられたうえで、実際に観戦をするということで、座学的な学びとそれから実際、現場を見る事による、そうした部分で相まって、子どもたちに大きな共生社会の意義を考えるきっかけにはなるというふうに考えています。ですからこそ多くの学校や市町村が実施を検討されたというふうに思います。 しかしながら、保護者の方々が直前まで悩まれる状況、かつ一定数以上の参加が見込めないのであれば、これは教育効果、そもそもの事業効果を十分に発揮できないというふうに思いますし、保護者が直前まで悩むという部分を、やはりこの事業によって多くつくりだしてしまうと、それは避けるべきだと考えてますので、これまでの学校が始まる前の自由意思による参加と、これから学校が始まって以降、またそれは保護者にとっても、位置づけが少し異なると思いますので、このタイミングで判断させてもらったということです。

Q 政府からのなんらかの指示ではなく知事判断か?
あくまで千葉市と協議をして、さらなる対策が実施可能か、また千葉市としての考え、神谷市長の判断を確認したうえで、協議の結果この結論に至った。 これは我々としても中止を判断するにあたっては、組織委員会等には連絡をさせていただいた。

Q 学校連携観戦については、そもそも反対意見もあったと思うが?
当然ながら不安に思う方が一定数いらっしゃるというのは、これは当然だろうというふうに思っています。しかしながら、逆に一方で観戦をしたいと、パラリンピックを観戦したいという、児童それから保護者もそれなりの一定数いらっしゃったのも事実で、我々とすると選択肢を作る、市町村学校設置者によって判断できるようにするというのが我々の基本的な考え方であります。

Q もともと感染者が出たら中止する予定だったか?
それは特に考えてはおりませんでした。ただその感染の中身ですね、それがパラ観戦そのものによって、感染が広がったという事例があれば、当然中止をするべき内容だというふうに思う。今回に関しては、発症日から考えてパラ観戦とは関係ない形で、おそらく学校内の何らかの形で感染が拡大したというふうに考えられますので、直接的な判断に、これがダイレクトにこれだけが影響したわけではありませんけれども、申し上げたとおり、保護者の状況、参加の状況を総合的判断をさせていただきました。

Q 観戦する前に発熱した先生がいたが、それでも観戦を実施した学校の対応については?
この学校連携観戦を実施するにあたっては、感染防止対策を徹底したうえで実施というスタンスであります。 この学校の学校連携観戦に至るまでのその状況についてはですね、千葉市のほうでそれが適切であったのかどうなのかという事を、検討の上で評価をしていただきたいというふうに思っています。

Q 千葉市の先生が感染しなかったら観戦は続けていたか?
難しいご質問だと言うふうに思っています。 先ほど申し上げたとおり、保護者の中で非常に直前まで悩まれている状況、それがあったのは事実ですね。それに加えて安心していただくPCR検査等の対策が、実際に千葉市さんから難しいというお話しがあったので、総合的に判断させて頂いたというところです。

Q 千葉市がPCR検査を難しいとしたことについて

我々としてはこのパラリンピックの学年連携観戦にかぎらず、それぞれの学校等の校外活動などで、引率する方のPCR検査の補助制度というのを県としても作らして頂きましたので、こういうものを活用していただければという思いはありますけれども、千葉市さんには千葉市のお立場であったりですね、実施を検討するにあたっての諸課題があったかというふうに思っておりますので、それについては私どもから申し上げることはできないです。ただ、こういう事案があればですね、少なくとも参加をしてより多くの児童に参加をしていただくためには、安心をしていただくためにはPCR検査というのを、やはりやっていく必要があると思います。 そしてそれが困難と言うことでありますので、であるならば実施にこだわるべきではないだろうというふうに考えております。

Q 中止を検討し始めたタイミングは?
千葉県千葉市ともに、それぞれの日々の実施状況、その模様も含めて意見交換をしてきておりますけれど、最終的に判断をしたのは、この事案があって、保護者の方に安心していただくための施策が、このタイミングで実施できないというふうに千葉市さんからおっしゃって頂いて、そこで神谷市長と意見交換をさせて頂いて先ほど、そこで最終的に判断した。

Q 判断の難しさについて感じるところは?
重要なのは、感染リスクをコントロールできるようなグループ化、シチュエーション化、場面化、そういうことをしっかりと科学的に判断するべきだというのが私の立場です。 パラリンピックの学校連携観戦については、観戦リスクというのは決して、他の学校生活と比べて高いとは言えないというふうに思います。 しかしながら、やはり保護者の方々には、このパラの会場までのルートをご覧になっているわけではありませんし、パラの会場の広い空間であったり、そうしたこともなかなか実感としてわきにくいというところもあったかと思います。 そういう保護者の不安に対して、一定以上の参加が見込めないのであれば、これはやむをえないというふうに判断していますので、当初より申し上げてるとおり、保護者の理解が前提の事業だと思います。

Q 事前のPCRの準備など、こうしておけばよかったと思うところがあれば

我々、千葉県としては選択肢を用意し、かつ県の補助事業としても引率者のPCR検査の助成制度も用意しておりますので、県としては実施にあたっての環境を用意をさせていただいたと思っています。それを最終的には実施していくのは市町村であり各学校でありますのでそれについては我々、私はそこまで全てをコントロールできないと。

Q 保護者の不安というのは、当初の想定と違ったか?

やはり日々の報道によってもですね、多くの保護者がさらに動揺されておりましたし、初日の学校観戦の状況でもですね、写真的に密に見えてしまうような写真も出回っておりましたし、我々が実地で確認をしたパラリンピックの学校連携観戦のリスクよりも、多くのリスクがあるというふうに保護者が受け取られたのは事実だと思います。 さらに今回の事案でありますので、我々からするとこの事業を実施するに、一定の意義を見いだせる参加者数はなかなか見込めないだろうと判断いたしましたので、こうい結論に至った。

Q 見通しが甘かったということは?

事前に千葉市さんが実施された直前のアンケートなどで、中学校が50%強、千葉市がサンプル校で70%、小学校ですね、緊急事態宣言が出されたあとのアンケートの数字を見てもですね、一定の見に行きたいという方がいらっしゃるという事で、我々も選択肢を作るという判断いたしました。その後のこのパラリンピックの学校連携観戦をめぐる報道を含めて、保護者の方の不安が拡大をして、直前まで悩まれてる方々がたくさん出た。 結果は、悩んだうえに不参加を決められる保護者もこれだけ大勢いらっしゃる。そうしたなかで、実施にについてこだわる必要はないというふうに考えた。 その意味で、8月の初旬の保護者の意識と、それから8月末のこの状況では、大きく保護者の受け止め方は変わっているというふうに判断できると思います。

“実施すべきでない” 196件

千葉県によりますと、8月6日から30日夕方までに千葉県庁にも「感染者が増えているのに実施するべきではない」とか「感染した場合誰が責任をとるのか」「テレビで見られるのになぜ行くのか」などといった意見が電話や郵便などであわせて196件寄せられたということです。 また、千葉県は緊急事態宣言の期間中、教育活動に参加する児童生徒、引率者などのPCR検査の費用を全額負担して支援する事業を行っていますが、「学校連携観戦」に参加した学校のうち利用したのは県内の小学校1校のみでした。

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