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“オール八王子”の総力戦 コロナの自宅療養者をいち早く診察に

  • 2021年8月26日

画像は、新型コロナウイルスに感染し自宅療養を続けていた東京・八王子市の男性が、病院に救急搬送されている様子です。
ただ、この病院がコロナの患者を受け入れたのはこれが初めて。自宅療養者が重症化する前に診療を受けてもらうための決断です。
増え続ける自宅療養者をいち早く、医療に結びつけようと“オール八王子”と称した総力戦で対応する現場を取材しました。

“オール八王子作戦”の拠点

八王子市では市内の病院で合わせて200床余りある新型コロナ患者の病床がほぼ満床の状況が続き、自宅療養者は1500人近くにのぼるなど、すぐに入院できないケースが相次いでいます。

こうしたなか、八王子市では「総力戦」で取り組もうと、市役所の一角に「支援拠点」を立ち上げました。

その仕組みです。
拠点では、まず、保健所から重症化のリスクがある患者の情報を収集します。
そして、コロナ患者の対応を行う6つの病院で空きベッドが出た際の情報を一元的に集め、「入院調整」を行います。
空きベッドがなく、すぐに入院できなくても、取り急ぎ、受診だけはできるように、市内に40余りある診療所やクリニックと連携し、患者を振り分ける「受診調整」を行っています。
調整がつけば、診療所の医師が患者の自宅に往診に行くか、患者宅に民間の救急サービスを手配し、診療所に患者を運びます。

支援拠点で指揮にあたる 徳岡健太郎 医師
「治療薬の投与など、重症化を軽減するために、患者を早めに医療に“タッチ”させて治療を始めることが重要です。非常事態で災害とも言われる状況の中で、限られた医療資源をどう有効に使っていくか、そのために“オール八王子”で頑張っていくしかない」

50代男性が救急搬送 運ばれた先は…

拠点には、保健所から状態が悪化した患者の情報が相次いで寄せられています。

このうち医師の診察を受けた50代の男性は、8月中旬に新型コロナウイルスに感染し、1週間近く自宅で療養を続けていましたが、高熱に加えて、息苦しさや吐き気などが強くなったため23日の夜、みずから救急搬送を依頼したということです。

しかし、救急隊員が駆けつけた時点では、血液中の酸素の数値が安定していたことなどから、夜間に受け入れ先を見つけるのは難しいとして、保健所から支援拠点に情報が寄せられました。
そこで、拠点で対応にあたる保健師が男性から話を聞いたところ「息苦しさが続いている。解熱剤が効かない」などと話したことから、取り急ぎ、近隣の医療機関に「受診調整」を行いました。

職員は医療機関や移動手段を確保し、男性と話をした1時間後に、診察を受けられることになりました。診察では、軽い肺炎の所見がみられたため、治療薬が処方され、自宅で療養を続けることになりました。

診察にあたった医療機関は、認知症の高齢者などが療養していることなどから、これまで新型コロナの診察は行ってきませんでしたが、現在の感染状況もあり、対応に加わることを決めたということです。

診察にあたった医師
「今はなかなか入院できないので、自宅療養中でも今回のように医療につながることで患者は安心していただけると思う。入院の必要性はあるものの在宅の患者がどんどん増えているが、自宅療養者が在宅で亡くなるようなことがあってはいけないので、もうこれは『総力戦』であたらないといけないと思う」

東京 杉並区で「自宅療養者支援ステーション」設置へ

自宅療養者を見守る取り組みは、他の自治体でも始まっています。
東京 杉並区では、区の職員が自宅療養者の健康観察などを継続的に行う「自宅療養者支援ステーション」を新たに設置することを決めました。

「自宅療養者支援ステーション」
・荻窪
・高井戸
・高円寺
 3つの保健センターに9月いっぱい設置予定

区の職員60人余りを派遣し、1日2回、電話で自宅療養者全員の健康状態を確認したり、療養者からの相談に対応したりするほか、必要な人には酸素濃縮装置やパルスオキシメーターを届けるとしています。

さらに、連絡がつかない人の自宅を直接訪問して安否の確認も行う予定です。
また、自宅療養中に症状が悪化した人には、区の医師会などと協力して訪問診療を行う体制も整備するとしています。

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