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東京パラ 学校連携観戦 参加自治体詳細 保護者ら戸惑いの声も

  • 2021年8月24日

東京パラリンピックは、新型コロナウイルスの感染拡大で、原則、無観客で行われますが、焦点となっているのは子どもたちに会場で直接、競技を見てもらう「学校連携観戦」。現段階で参加する東京・千葉・埼玉の自治体の情報をまとめました。
一方で、参加を決めた自治体の保護者や学校関係者からは、感染拡大する中での参加に戸惑いの声も聞かれました。
※8月25日データ更新

東京都内 学校連携観戦 4自治体が参加

東京パラリンピックは原則、無観客で行われる一方、学校連携観戦は、教育的な意義を重視して希望者のみで安全対策を講じて実施されます。

赤:参加 オレンジ:参加を検討

都の教育委員会によりますと、公立の学校で参加するのは8月24日の時点で、新宿区、渋谷区、杉並区、八王子市の幼稚園児と小・中学生あわせて2万人余りと、6つの都立高校などの生徒およそ500人の、あわせて2万500人あまりです。このほか、港区が参加を検討しているということです。
各自治体ごとの参加する予定の学校数と子どもの数、割り当てた会場は以下の通りです。

区・市立学校(計121校 2万94人)
新宿区 39校 7538人 国立競技場
渋谷区 31校 9108人 国立競技場・東京体育館・国立代々木競技場
杉並区

48校

3108人 国立代々木競技場・武蔵野の森総合スポーツプラザ・
有明アリーナ・有明体操競技場
八王子市 3校 340人 武蔵野の森総合スポーツプラザ

都立の学校ごとの参加する子どもの数、割り当てた会場は以下の通りです。

都立の学校(6校で合わせて489人)
広尾高校 8月25日 1人 東京体育館で卓球
松原高校 9月3日 10人 東京体育館で卓球
荒川商業高校 8月27日 42人 日本武道館で柔道
久留米西高校 8月28日 20人 夢の島公園アーチェリー場でアーチェリー
桜修館中等教育学校 8月25日~27日 258人 国立代々木競技場で車いすラグビー
南多摩中等教育学校 8月28日 158人 国立競技場で陸上

参加する子どもたちや引率の教員は、希望すれば事前にPCR検査を受けられるということで、検査キットは都の教育委員会が用意します。
24日の時点で学校連携観戦に参加する予定の私立の学校は、合わせて22の幼稚園と中学校、高校で、3770人です。

一方、参加を予定していた江東区と江戸川区が24日、感染拡大を受けて、参加の中止を決めました。このうち江東区ではパラリンピックの8つの競技が行われる予定で、区立の小・中学校の児童や生徒のうち、およそ7割にあたる2万3000人あまりが参加を希望していました。

都内では8月18日時点で、公立でおよそ13万2000人、私立でおよそ6000人が参加予定でしたが、感染状況の悪化でとりやめる学校が相次いだ形になりました。

千葉県内は7市町 1週間で約30%減

東京パラリンピックの「学校連携観戦チケット」について、千葉市の幕張メッセで4つの競技が開催される千葉県では、公立と私立の小・中・高校などの児童・生徒や引率の教員に当初8万8000枚が割り当てられていました。

千葉県や千葉市によりますと、8月16日の時点で観戦の希望者は8つの市と町や県立、私立の231校のあわせて3万1900人となっていました。
しかし、新型コロナの感染拡大が続く中で保護者などに改めて意向を確認したところ、希望者は23日時点で7つの市と町と県立、私立の199校のおよそ2万3300人となり、この1週間でおよそ8600人減ったということです。

・千葉市 2万1000人ほど
・我孫子市 491人
・成田市 45人
・市原市 40人
・神崎町 167人
・市川市 20人
・多古町 120人
・県立学校 718人
・私立学校 386人 など
(いずれも引率教員含む)

埼玉県は新座の1校 神奈川県は中止

東京パラリンピックで1つの競技が行われる埼玉県では、新座市の小学校1校におよそ340枚のチケットが配布され、射撃競技の観戦に参加する予定で、夏休み終了後に、学校で再度、保護者に参加の希望を確認することにしています。
参加を決めた理由について、新座市は会場まで公共交通機関を利用せず、徒歩で移動できることやパラリンピック会場に近い小学校として障害者教育に5年間、力をいれてきたことなどを挙げています。

神奈川県では、横浜市と海老名市が児童や生徒による競技観戦を予定していましたが、感染拡大を受けて中止を決めました。

保護者や学校関係者 戸惑いの声も

参加を決めた自治体で、各学校ごとに進められているのが保護者への意向調査。
東京都の杉並区立第十小学校では、8月19日の午前9時半過ぎに学校から一斉メールが保護者に届き、5時間半後の午後3時までに回答するよう求められたということです。

「参加する」と回答 5年生の母親
「一生に一度の機会なので、行かせてあげたい反面、感染者数も増えているのでどうしたらいいのか分かりませんでしたが、子どももオリンピックをテレビで見て盛り上がっていたし、『感染対策します』という文面を信じて参加することにしました」

「参加しない」と回答 6年生の母親
「子どもの感染もはやっていて友達と接触するのも怖がっている状態なので、貴重な経験とはいえ、リスクを負わせて不安な気持ちのまま行かせる必要もないかなと思って、見送りました。杉並区は7月に一度、中止を決めているのに、再度検討して、今度は家庭の判断でというのは筋が通っていない気がしてどうなのかなと思います」

5年生の母親
「あまりにも情報がアバウトで、回答期間が短く、親として決めかねるものだったので問い合わせたら、『都の教育委員会に問い合わせているけど何も情報が下りてこない』と言われました。『個人判断できょう中に決めて』というのは今までなかったので今回は異例だなとすごく思いました」

参加に向けて準備を進めてきた都内の公立中学校の校長が、悩ましい胸の内を明かしました。
この校長は、区の教育委員会の指示で、東京パラリンピックの学校連携観戦チケットによる観戦に希望する生徒がいれば引率する予定で準備を進めてきましたが、まもなく新学期が始まるため、学校での感染対策を強化しようとしているさなかに、競技会場に子どもを引率することに矛盾を感じているといいます。

校長
「怖いのは、バスで一緒に行って感染者が出てしまった時に、濃厚接触者として2週間、登校できない子が多数出てきてしまうことです。デルタ株の感染が広がる中で、部活動や修学旅行は中止などを考えていて、パラリンピックの観戦だけが平気で行われるというのが非常にちぐはぐな感じがします。学校は安全安心を第一に考えないといけないのに、命に関わることを学校が判断できずに参加するかしないかを保護者に任せている状況です。このままでは学校の信頼が失われてしまう」

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