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感染した妊婦の自宅療養 学会が救急搬送の具体的な目安

  • 2021年8月23日

新型コロナに感染し千葉県で自宅療養中の妊婦が、入院先が見つからず自宅で出産して赤ちゃんが亡くなりました。産婦人科の学会などは自宅などで療養中の妊婦が適切に医療機関にかかれるよう救急搬送が必要な呼吸状態などの具体的な目安を公表しました。また、赤ちゃんを亡くした女性のかかりつけの医師は経緯や心情を明らかにしています。

かかりつけ医が明かす経緯

新型コロナの感染拡大にともない妊婦の感染が相次いでいます。千葉県柏市では、自宅療養中だった妊娠8か月の女性の入院先が見つからず、8月17日、女性は自宅出産し、赤ちゃんが亡くなりました。女性のかかりつけの医師が今回の経緯などについてNHKの取材に文書で答えました。

それによりますと、17日の午前、診療所の医師に保健所から連絡が入りました。女性に少量の出血などがあり、産科として搬送先を探してほしいという依頼だったということです。
ふだん搬送先として協力してもらっている病院に相談をしましたが、早産には対応ができないのでほかをあたってほしいと言われたということです。
そこで産科の搬送先が見つからない場合に広域で搬送調整を行う県のコーディネーターに依頼をしました。しかし、対応できる医療機関は見つかりませんでした。

そして、まだ陣痛はなかったことから本人の治療を優先してほしいとして、「産科のない病院でもいいので搬送先を探してほしい」と保健所などに依頼したということです。その後、保健所から「陣痛になっているようだ」と連絡があり、受け入れ先を探したものの見つからず、今回の事態になったということです。

“直接診療ができない難しさ” 

かかりつけ医は「感染した妊婦が自宅療養をしている場合、直接診察できず電話でのやりとりでしか状況を推測できないことが難しいと感じる。今回も診察していれば陣痛につながりそうだと推測できたかもしれないと思っています」と記しています。

難航した入院調整については、「妊婦でなくても搬送先が見つかりにくい現状では、妊婦はさらに見つからない、これが一番難しい」とした上で「助けられる可能性のあった子を死なせてしまった状況に悲しみしかありません」とつづっています。

感染した妊婦 救急搬送が必要な目安は

事態を受けて、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は、新型コロナに感染した妊婦に特有の注意点や救急搬送が必要な症状などの具体的な目安をとりまとめ、それぞれのウェブページで公表しました。

この中では、自宅などで療養中の妊婦は、1時間に2回以上の息苦しさを感じる時やトイレに行くときなどに息苦しさを感じるようになった時、心拍数が1分間に110回以上、または呼吸数が1分間に20回以上となった時、そして安静にしていても血液中の酸素の値が1時間以内に93%から94%の間から回復しない時などは、かかりつけの産婦人科の医師か保健所に連絡するとしました。
さらに、すぐに救急車を要請するよう求めているケースとしては、息苦しくなり、短い文章を話すこともできなくなったり、血液中の酸素の値が92%以下になったりした時をあげています。

また、行政機関に対しては、こうした症状がみられた妊婦に対しては救急車を要請する場合ではなくても、早めに出産が可能な医療機関への入院を促すよう求めるとともに、自宅などで療養となった妊婦が毎日、血液中の酸素の値を測定できる環境作りなどを求めています。

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