入院する人がいま最も多い40代と50代。「日常生活で新型コロナウイルスに感染すると思わない」と考える人が、40代から50代ではおよそ半数に上ることが国際医療福祉大学の調査で分かりました。
専門家は、この世代に感染するかもしれないという認識を持ってもらうことが重要だと指摘しています。
9日に感染が発表された人の数を年代別に見ますと、40代と50代がおよそ30%となっています。
ワクチンも高齢者への接種が進む一方で、医療現場で「重症化しやすい」と指摘されている40代から50代の接種は進んでいません。
NHKが今月、東京23区に年代別の進捗状況を取材したところ、50代で1回目の接種を終えた人が5割に達していない区が回答した18の区のおよそ8割(14区)にのぼりました。
40代では、1回目の接種を終えた人が5割を超えているのは墨田区だけでした。
こうした中、自分が新型コロナに感染すると思うか尋ねた今回の調査。
国際医療福祉大学の和田耕治教授らが、7月13日からの3日間首都圏の1都3県の20代から60代を対象にインターネットで行い、およそ3100人から回答を得ました。
調査では、自分が日常生活で感染すると思うか尋ねました。
「あまりそう思わない」か「そう思わない」と答えた人は、以下の通りです。
男性
20代:43%、30代:41%、40代:52% 50代:55% 60代:66%
女性
20代:42% 30代:45% 40代:48% 50代:60% 60代:70%
ワクチン接種が進んだ60代をのぞくと、男女ともに、いま入院患者が多い40代や50代が高くなっていました。
知り合いに感染した経験がある人がいた場合、20代から30代では60%以上の人が「感染すると思う」と答えましたが、40代から50代では、知り合いに感染経験のある人がいてもいなくても、半数以上が「感染すると思わない」と答えました。
研究グループは感染リスクの認識が十分ではないとしています。
国際医療福祉大学 和田耕治教授
「リスクの認識が低いと、感染対策もおろそかになりがちだ。企業でも中心的な役割を担っているこの世代の人たちに感染リスクを正しく認識してもらう必要がある」