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自宅療養の経験者が直面した情報不足と不安 必要な備えとは

  • 2021年8月4日

東京都内では新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人が、すでに1万人を超えていて、健康観察をどう進めるか、容体の急変にどう備えるかなどが課題となっています。高校生の長女が感染し、自宅療養する娘の世話をした40代の女性が、療養中の不安や準備しておけばよかったことなど、経験を話してくれました。

娘が高熱…新型コロナ感染で自宅療養に

東京都内に住む40代の女性は、高校生の長女が新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養を続けています。長女の感染が確認されたのは、7月30日のことでした。翌日、保健所から連絡があり、行動履歴などの調査のあと、保健所からは「今後は、医療相談や健康観察にあたる窓口の都のフォローアップセンターに引き継ぎます」と説明を受けたということです。

〇保健所の対応は
不安がたくさんありました。保健所から電話では、今後どうしたらいいかと40分ほど話をしました。フォローアップセンターから電話ないしメールがいきますので、保健所からは一旦終了になりますという話になりました。しかしフォローアップセンターからは、電話連絡もメールの方もいまだにありません。電話しましたがつながらない状態で、フォローアップセンターもパンクしているのだなと思いました。

自宅療養 “どうしたらいいのか分からない”

フォローアップセンターと連絡がとれないまま、女性は不安を抱えたまま娘の自宅療養に入ることになりました。何をどこまでやったらよいのか。濃厚接触者の家族はどう対応したらよいのか。情報が不足した中での自宅療養となりました。

〇高熱にどう対応したか
前日は36.8度まで下がった熱が、次の日になったら、薬が切れたせいかもしれませんが、39.3度まで上がりました。薬を飲んで、食事は食べられるのだから、なんでもいいから食べて、とりあえず冷やすとか、普通のことですけれども、それぐらいしかできませんでした。
いまは熱が下がって体調が良い状態なので、このままいけば、と思いますが、次の日の朝に起きたらすごく熱が出て苦しくなってということもあるのではないかと頭の片隅で思っているので、実際どうなのかなっていうのはありますね。不安になること、どうしたらいいのかなということが、いまも、ものすごくあります。

〇濃厚接触者の家族は
濃厚接触者となった際に、私たちは何をすればいいのかということもありました。病院を探して検査をして、時間は少しかかりましたが、私も、もうひとりの子どもも陰性でした。いま陰性でも、どこで感染して陽性になるか分からないので、家でも感染対策をしっかりやることしかできないです。

〇情報不足の自宅療養
新型コロナに感染した方の話をきくこともできないですし、情報がやっぱり足りないと改めて思いました。どうしたらいいかっていうのが、まったく分からない状態で、重症ではないので自宅で看なければいけないっていうことは、どこまで どうしていいのかという不安がいまでもあります。娘には私がいましたが、ひとり暮らしの方が自宅療養となったときに、どこまで1人でできるのかなと思います。重症化ではないから自宅にいてくださいと言われても、事実そこから悪くなって亡くなる人もいると思うので。

自宅療養に備えるには

感染が急拡大し、医療がひっ迫する中で誰もが自宅療養を経験する可能性があります。今回の経験を通じて、女性は、事前にPCR検査を受けることができる場所を把握しておくことや、家庭内の感染防止のための道具を準備することなどが安心につながると話しています。

〇自分でできる備えとは
一番、困ったのはPCR検査を受ける場所です。病院でPCR検査をしていただけるところをしっかりと自分で把握をしておくことです。それを調べるだけでもいいと思います。調べておいてもらえれば、焦っていると思うので、少しは落ち着けるかなと思います。
また、スプレーとか拭くタイプだとか消毒用のアルコールの準備、また洋服を洗うにしても別に分けることも必要です。あと食器ですね、紙コップとか使い捨てできるものを用意しておくと便利かと思います。

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