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新型コロナワクチン 3回目の接種 必要?効果は?

  • 2021年8月8日

新型コロナウイルスのワクチン接種、一定の間隔を空けて2回接種することになっていますが、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の影響で、追加の3回目の接種を始めた国も出てきました。アメリカの製薬会社モデルナは、追加のワクチン接種が必要になるとする見解を明らかに。
3回目の接種についての情報をまとめました。(8月8日情報追記)

ワクチン2回接種での有効性

日本で承認されているファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチンは、いずれも一定の間隔をあけて2回接種することになっています。
2回接種したあとで従来の新型コロナウイルスに対して発症を予防する効果はファイザーとモデルナでは90%を超え、アストラゼネカもおよそ70%と確認されています。

発症を予防する効果は、2021年7月、イギリスの保健当局が「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した論文の内容によりますと次の通りです。

「アルファ株」 ファイザー 93.7% アストラゼネカ 74.5%
「デルタ株」  ファイザー 88.0% アストラゼネカ 67.0%

イギリス政府によりますと、入院予防効果は次の通りです。

「デルタ株」 ファイザー 96% アストラゼネカ 92%

イスラエル 60歳以上に3回目接種

中東のイスラエルでは、60歳以上の人たちを対象に3回目の接種を始めました。
感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の影響で新型コロナウイルスの感染者が再び増加しているためです。一時は、1日の新規感染者が1桁にまで減りましたが、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の影響で再び増加し、連日2000人以上の感染者が出ています。

イスラエルでは、16歳以上の8割以上が2回のワクチン接種を終えています。しかし、接種を終えていても重症化するケースが目立つとして、60歳以上の人に対し、3回目の接種を行うことを決め、対象者への接種が始まりました。

イスラエルでは、ほとんどの人が製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンを接種していて、3回目も同じワクチンを接種することになります。
3回目の接種の対象となっているのは、2回目の接種から5か月以上が経過している60歳以上の人たちです。
一方、イスラエル政府は、59歳以下の人たちへの3回目の接種については、これまでのところ言及していません。

接種を終えた女性
「感染者が増えている状況を心配していましたが、3回目の接種については、専門家の意見をもとに決められているので不安はありませんでした」

イギリス・ドイツ・スウェーデンも

3回目の接種の動きは、ほかの国にも広がっています。
イギリス政府は、70歳以上の高齢者などを対象に9月から接種を始める計画です。
ドイツの保健当局は、新型コロナウイルスワクチンの接種を終えた高齢者などに対し、9月から3回目となる追加の接種を行うことを決めました。
スウェーデンの保健当局も、80歳以上の高齢者など重症化するリスクが高い人を対象に、3回目の接種を早ければことし秋に実施する計画を明らかにしました。

日本でも、河野規制改革担当大臣が、来年、3回目の接種を行うことになるのではないかとの見方を示しています。
専門家も、「半年程度で追加の接種を行うというのは、ありえる話だ」と指摘しています。

東京医科大学 濱田篤郎 特任教授
「いま使われているワクチンは半年くらいで免疫の効果が薄れてくるのではないかと言われている。仕組みは違うが、インフルエンザのワクチンでは効果があるのは半年程度とされている。新型コロナのワクチンでも半年程度で追加の接種を行うというのは、ありえる話だ」

ワクチン接種 3回目の効果は

ファイザーはワクチンが効きにくい変異ウイルスが増えているほか、ワクチンの効果が時間がたつとともに低下していくとして3回目の接種によってワクチンの効果がどのくらい高まるかを確認する臨床試験を行っています。

7月28日にファイザーが公表した資料によりますと、3回目の接種をした人はウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、従来の新型コロナウイルスや、変異ウイルスの「ベータ株」に対しては、2回目の接種後と比べ、5倍から10倍に増えたほか、変異ウイルスの「デルタ株」に対しても18歳から55歳の場合、5倍以上に、65歳から85歳の場合は、11倍以上に増えたということです。

東京医科大学 濱田篤郎 特任教授
「一企業の発表に過ぎず、慎重に見なければならないが、デルタ株に対しては3回目の接種を行って免疫を増強する必要がある可能性がある」

ファイザーは、さらにデータを収集したうえで、早ければ今月にもFDA=アメリカ食品医薬品局に3回目の接種を可能にする許可を申請するとしています。
一方、FDAやCDC=疾病対策センターは、現在使われているワクチンの効果について「接種を完了した人はデルタ株を含めた変異ウイルスに対しても重症化や死亡から守られている。現時点で、接種を完了した人に追加の接種は必要ない」とする共同声明を発表し、今後、科学的な知見に基づいて必要性を判断するとしています。

専門家からは「デルタ株」の感染力の強さやワクチン接種を完了した人でも「デルタ株」に感染すると接種していない人と同じ程度に感染を広げる可能性が示されていることを懸念して、追加の接種が必要だとする意見が出ています。
またアメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士も「臓器移植やがんの化学療法を受けるなどして免疫を抑制された状態にある人は追加の接種が必要になるかもしれない」という見解を示しています。

モデルナ “追加のワクチン接種必要”

アメリカの製薬会社モデルナは、開発した新型コロナウイルスワクチンについて、感染力が強い変異ウイルスの「デルタ株」などの拡大により今後、追加のワクチン接種が必要になるとする見解を明らかにしました。

モデルナは5日、新型コロナウイルスワクチンの有効性や、変異ウイルスに対応した新たなワクチンの開発状況についての資料を公表しました。
それによりますと、接種から6か月後のモデルナのワクチンの発症を防ぐ有効性は93%と、高い水準が維持されていることが確認されたとしています。

一方で、感染力の強い変異ウイルスの「デルタ株」など変異したウイルスが拡大する中「今後ワクチンの有効性は低下していくだろう」として、2回の接種を終えた人にも、ことしの秋以降、3回目の接種が必要になるとする見解を明らかにしました。

追加の接種をめぐってWHO=世界保健機関は、ワクチンの接種が進んでいない途上国への供給に影響が出るとして、9月末まで行わないよう求めていて、議論になっています。

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