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  • 2021年7月27日

コロナ第5波「中等症から重症に転じるケースも」実態は?

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新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、中等症で入院した患者が数日後、重症に転じるケースが相次いでいます。医師は、「いつ重症化するかわからない中等症の患者が予備軍のように大勢いるのが第5波の特徴だ」と指摘、警戒を呼びかけています。

いつ重症化するかわからない

埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県川越市)は、重症と中等症の患者の治療にあたっていて、先週以降、ほかの病院で症状が悪化した患者が連日運ばれてきています。

24日時点で、13人が入院 
・30代から50代の若い世代で10人を占める 
・インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に感染していた患者は11人

この病院では、これまでのところ、「重症」は2人、「中等症Ⅱ」は7人ですが、重症の2人は入院時は中等症だったものが重症化したということです。

厚生労働省によりますと、新型コロナの対応にあたる医療現場では重症度について、 
「重症」、「中等症Ⅱ」、「中等症Ⅰ」、「軽症」の4段階に分類しています。 
「中等症」は、酸素の吸入が必要なほど症状が悪化した「中等症Ⅱ」と、それ以外の「中等症Ⅰ」に分類されます。

「中等症Ⅱ」は、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを装着した「重症」の次に重い部類に分類されます。 
血液中の酸素の数値が93%以下で、濃度の高い酸素を送り込む酸素マスクなどを付けて投薬治療などの結果、状態が保てなくなった場合は、人工呼吸器を装着するとしています。 
また、血液中の酸素の値をめぐっては、96%以上を「軽症」、94%と95%を「中等症Ⅰ」と定めています。

50代男性 7日目に悪化 軽症→中等症Ⅱに

7月上旬、埼玉医科大学総合医療センターに入院した50代の男性は、感染力が強い、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」への感染が確認されました。 
男性はワクチンは接種しておらず、最初は軽症と診断されましたが、基礎疾患があったため、入院することになりました。その後、徐々に肺炎が広がり、血液中の酸素の数値も悪化し、入院からおよそ1週間後、酸素マスクをつけざるを得なくなり、「中等症Ⅱ」の状態にまで悪化しました。 
その後、集中的に治療を行った結果、なんとか持ち直し、医師が質問する形式で取材に応じてくれました。

男性 
「仕事中に急に寒気がして休憩室で倒れ込んでしまった。39度以上の熱が出て、とにかくつらかった。入院中は不安でたまらず、コロナには2度とかかりたくない」

医師から回復傾向にあると告げられると、ほっとした表情を浮かべていました。

埼玉医科大学総合医療センター感染症科 岡秀昭教授 
「この患者は入院して7日目に呼吸状態が悪化して中等症Ⅱになった。軽症で入院した人が1週間後には中等症Ⅱになったり、重症になったりするかもしれない。きょうの重症者の人数を見て大丈夫だと判断されると現場としては後手後手になってしまうと言わざるを得ない」

第5波 予備軍の中等症多いのが特徴

7月21日の東京都のモニタリング会議でも、「入院患者が急増している。この状況が続けば、若年・中年層の中等症の患者が増加し、遅れて重症患者が増加する可能性がある。人工呼吸器またはECMOによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の患者数が依然として多いため、重症患者数のさらなる増加が危惧される」と指摘されています。

大学病院の岡教授も、中等症が重症患者の予備軍のように多くいることが第5波の特徴とした上で、警戒を緩められないと指摘しています。

埼玉医科大学総合医療センター感染症科 岡秀昭教授 
「中等症Ⅱはよく誤解されるが、海外では重症に分類するところもあり、酸素を吸わないといけない、人工呼吸器の一歩手前の状態となる。今は重症が少ないと言われるが、実は重症という氷山の下に中等症Ⅱが予備軍のように大勢いるというのが第5波の特徴だ。中等症Ⅱで入院した患者がわずか数日で悪化し、生命維持装置が必要になるケースもあり、警戒を緩められない」

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