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東京オリンピック無観客の開会式 国立競技場の外側の風景

  • 2021年7月24日

7月23日、東京オリンピックの開会式が行われました。ただ、会場は無観客。多くの人たちがそれぞれの場所で1日を過ごしました。
国立競技場の外側で見つめた、東京の1日です。

正午すぎ 聖火リレー都庁に到着

ことし3月にスタートして全国をまわったオリンピックの聖火リレーは最終日の23日、東京都庁に到着しました。最後のランナーは歌舞伎俳優の中村勘九郎さんで、聖火を聖火皿にともしました。

ブルーインパルス飛来

このタイミングに合わせ、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が午後0時40分ごろ、都内の上空を飛行し、オリンピックカラーの青、黄、黒、緑、赤の5色の「カラースモーク」でそれぞれ線を引きました。

この様子を見ようと周辺には大勢の人たちが集まりました。

 

84歳女性

前回大会の時も飛行を見ましたが、今回も見ることができ感動しました。こうした機会はもうないと思います。

24歳男性

駅を出た時は想像以上に人がいたので新型コロナウイルスのことを考えると、あまりよくないと思いました。実際に見ると感動しました。

40歳男性

人混みの中で、周りの人は距離を気にしながら見ている感じがしました。夏休みに行くところがないため子どもを連れて見に来て、よい記念になりました

”コロナがはやくおさまってほしい”

2度目のブルーインパルスを見た女性もいます。
新宿区の都営アパートで1人暮らしをする奥原博子さんは(84)、5年前まで国立競技場近くの都営アパートで暮らしていましたが、東京オリンピックに伴う再開発によって、立ち退きを余儀なくされました。
前回の東京大会が開かれた当時は、空に描かれたオリンピックのシンボルマークに戦後の復興と平和への祈りをささげたと言います。今回はかつての団地仲間と一緒に見ることを楽しみにしていましたが、新型コロナの影響で集まることが叶わず、ひとりで見ることになりました。

それでもブルーインパルスが上空に姿を現すと、奥原さんはベランダに飛び出し、その姿を興奮した様子で見つめていました。

奥原さん

ひとりで見るのは寂しいと思ってたけど、空に描かれた五輪の輪が見れて、思わずはしゃいでしまいました。オリンピックの開催には不安もあったけど、コロナが早くおさまってほしいと願いました。

​​​ブルーインパルスは、午後0時50分ごろには、国立競技場の上空1500メートルほどの場所で、オリンピックのシンボルマークを描くように上空を飛行しました。

競技場周辺は交通規制始まる

東京オリンピックの開会式を前に、国立競技場周辺では、午後4時から大規模な交通規制が行われました。
青山通りのおよそ2キロの区間や外苑東通り外苑西通りの一部などでは一般の車は通行できなくなり、警察官がカラーコーンを置いていました。

開催中止を求めるデモも

大会の中止を求めるデモも行われました。

このうち、東京・渋谷区で行われた市民団体が主催するデモにはおよそ400人が集まり、国立競技場周辺までの1.5キロを行進しました。
「五輪より命」
「五輪中止まだ間に合います」
横断幕や看板を掲げながらシュプレヒコールをあげ、大会の中止を訴えていました。

35歳女性

オリンピックはもともと楽しみにしていましたが、今はもっと優先すべきことがあるはずで、開催することには疑問を感じます。開会式当日ということでその思いが強くなり、デモに参加しました。

午後8時開会式 周辺は混雑

開会式が近づくと、国立競技場の周辺は、少しでも雰囲気を味わいたいという人たちが集まり、混雑しました。
午後8時に開会式が始まるとスマートフォンのアプリでテレビ中継を見守り、花火があがると、拍手をしたり写真を撮ったりしていました。

 

40代女性

生きている間に二度とないかもしれないと思い少しでも雰囲気を味わおうと来てみましたが、こんなに集まっているとは思いませんでした。開会式の直前で関係者の辞任が相次いで、こんなことで無事に終わるのかと不安もありますが、家のテレビで応援したいです。

マンションのベランダから

競技場が見えるマンションのベランダから、開会式を見守った人たちもいました。
新宿区のマンションに住む奥名さん一家は、東京での開催が決まった2013年から、国立競技場が新しく建て替えられるのを写真に納めるなどして、オリンピックの開催を心待ちにしてきました。
午後8時に、開会式が始まると家族でそろってベランダに出て、会場から打ちあがる花火に歓声をあげていました。

ドローンが描いた地球も

小学4年生
琴美さん

コロナで感染のことなど不安なこともあるけど、開会式を見てオリンピックが始まったことを感じました。選手たちには頑張ってもらいたいです。

母親
和子さん

子どもの修学旅行や運動会などいろんな行事が制限されて、オリンピック開催には複雑な思いもありますが、ここまで準備されてきた人や選手たちのことを考えると応援したい気持ちです。

国立競技場前のラーメン店

国立競技場の前で46年営業を続けてきたラーメン店は、競技場周辺を訪れた人たちで賑わっていました。

店主の牛久保英昭さん(82)は、1964年のオリンピックの熱狂を今も鮮明に覚えているといいます。そのため、今回のオリンピックに寄せる期待も高く、海外から訪れる客向けに外国語のメニューを用意するなど準備を進めていましたが、コロナ禍や無観客など次々に期待を裏切られた形となりました。

 

外国語で書かれたメニュー

ただ23日は、ここ最近にはない客の多さで、牛久保さんも手を休めることなくラーメンを作り続けていました。

牛久保さん
「最近は社会情勢もあってオリンピックも停滞していたけれど、少なくともいまこの周りだけは大変な騒ぎです。いろんなことが言われていますが、選手たちには歴史に残るような試合を見せてほしいです」

聖火は臨海部に

開会式で国立競技場の聖火台にともされた聖火はランタンに移されたあと、車で東京・臨海部の「夢の大橋」のたもとに設置された同じデザインの聖火台に点火されました。
聖火はオリンピックが閉幕する8月8日までこの聖火台でともされます。

ただ、都内では新型コロナウイルスの感染拡大が続き、緊急事態宣言が出ていることから大会組織委員会は、人の流れの抑制や密集を防ぐ必要があるとして、現地での観覧を自粛するよう呼びかけています。聖火台の周囲は人が近づかないように柵を設けて立ち入りが制限されているほか、周辺で計画されていた公式グッズ販売店の営業なども中止されています。

 

 

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