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コロナ禍のオリンピック開幕 感染拡大進めば救急や地域医療に影響も

  • 2021年7月24日

東京都など各地で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、オリンピックが開幕しました。国立競技場の周辺では多くの人の姿が見られた一方で、都内の大学病院では、この2週間で一気に患者が増え、入院を断らざるを得ないケースも出ているということです。医療の現場からは地域医療や救急医療への影響を懸念する声があがっています。開幕時点の医療や感染の状況です。

東京オリンピック開幕 国立競技場周辺は

東京オリンピックの開会式が行われる数時間前の23日午後、国立競技場の周辺には、会場近くで雰囲気を感じようと多くの人が訪れていました。

急拡大する感染 入院を断らざるを得ないケースも

ただ、新型コロナウイルスの感染は急拡大しています。東京・文京区の東京医科歯科大学附属病院は、新型コロナの重症と中等症患者の治療にあたっています。この2週間で一気に患者が増え、重症用の病床はまだ受け入れられるものの、20あまりある中等症の病床は満床状態になり、入院を断らざるを得ないケースも出ているということです。

病院が撮影した映像には、若い男性がウイルスを飛散させない「陰圧装置」が取り付けられた専用の車いすに乗せられて病院に運び込まれる姿が記録されていました。
この病院では、患者の30%以上がインドで広がった変異ウイルス「デルタ株」に感染していて、感染力が強いことや、まだ分からない部分も多いことから、ほかの患者と病室を分ける対応を取っています。

大会関係者の感染対応も 地域医療への影響を懸念

今後、重症患者が増える懸念もあるほか、この病院ではオリンピック選手や大会関係者が感染した際に対応することにもなっていて、大会中に病床がひっ迫し、地域医療に影響が出かねないと危機感を強めています。
 

植木穣 病院長補佐
「中等症病床は完全にひっ迫している。この1週間で患者が倍になり、増え方はこれまでにない早さだ。これ以上、増えると、一般の救急患者の受け入れ先が決まらないなど、地域医療や救急医療に影響が出てくる。大きなイベントに影響され、少し気持ちが緩んでしまうことが、今後、一番懸念される」

首都圏など 感染拡大のペースが上がる

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。それによりますと、多くの会場がある東京都、それに周辺の神奈川県、埼玉県、千葉県では、新型コロナウイルスの感染拡大のペースが上がっています。
 

東京都  8日まで 前週比1.27倍  22日まで 前週比1.56倍
神奈川県       前週比1.15倍       前週比1.43倍
埼玉県        前週比1.32倍       前週比1.74倍
千葉県        前週比1.22倍       前週比1.40倍

〇東京都
東京都は、7月8日までの1週間では前の週の1.27倍でしたが、22日まででは1.56倍と5週連続で増加しました。1日当たりの新規感染者数はおよそ1373人と、前の週よりおよそ490人増えました。

〇神奈川県
神奈川県は、7月8日までの1週間では前の週の1.15倍でしたが、22日まででは1.43倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ492人となっています。

〇埼玉県
埼玉県は、7月8日までの1週間では前の週の1.32倍でしたが、22日まででは1.74倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ328人となっています。

〇千葉県
千葉県は、7月8日までの1週間では前の週の1.22倍でしたが、22日まででは1.40倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ265人となっています。

また、全国でも、7月8日は1.16倍だったのに対して、22日まででは1.56倍と、4週連続で増加し、感染が拡大するペースが上がっています。

専門家 “家でテレビを通して応援を”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について、「全国で感染拡大の第5波に入ってきていることが見えてきている」と指摘しています。

〇感染状況について
「第5波では、感染力が強い変異ウイルス『デルタ株』の影響もあり、第4波の関西で見られたような急激なまん延、医療現場のひっ迫がもう一度全国で起きてもおかしくない状況になりつつある。大きな感染の波は作らないという決意を持って1人1人が感染を防ぐ行動をしないといけない」

〇東京の状況について
「東京では緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間になるが、まだ宣言の効果は見られず、増加が止まらない心配な状況になっている。緊急事態宣言でも感染が収まらないことが見えてきた場合には、さらに強い対策をちゅうちょなく取る覚悟が必要になってくるだろう」

〇オリンピックについて
「本当に重い決断として、無観客での開催を決めたので競技場の周りに集まって騒いでしまうと、効果が薄れてしまう。競技場の周りでの飲食、酒を飲むような機会があると、感染を広げるリスクを高めることになりかねないので、家でいつもいる人と、テレビを通して応援してほしい」

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