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コロナ療養者か 五輪対応か 悩む海外メディアの宿泊先ホテル

  • 2021年6月15日

7月23日に開幕予定の東京オリンピックでは、選手や関係者以外に、海外メディアの来日も予定され、首都圏には宿泊先として部屋を提供するホテルが各地にあります。このうち、さいたま市のホテルは、現在は新型コロナウイルス患者の宿泊療養施設となっていて、今後、療養者の受け入れを続けるのか、オリンピック対応を行うのか、悩ましい状況に立たされています。

コロナ療養者受け入れか 海外メディア対応か

埼玉県では、13日時点で新型コロナウイルスに感染した258人が、9か所のホテルで宿泊療養を続けています。このうち、さいたま市大宮区のホテルでは、宿泊療養施設として県に客室を貸し出していて、13日時点で30人が療養しています。

県との契約は6月末までですが、県からは療養者の受け入れを継続してほしいと打診されているということです。
一方、このホテルでは、7月9日から8月10日までは、東京オリンピックで来日する海外メディアの宿泊場所として、およそ100室が、組織委員会に貸し出される予定になっているということです。

オリンピック用の部屋の貸し出しは、新型コロナの感染拡大で東京大会が延期される前に指定・契約されたもので、その場合、療養者には、ほかの施設に移ってもらう必要があるとして、ホテルは悩ましい状況に立たされています。

パイオランドホテル 田代秀一代表取締役
「一生に一度の東京で開催されるオリンピックなので、契約した当時はオリンピックに貢献したいという気持ちだったが、この状況で宿泊療養者を追い出して、オリンピックの関係者を受け入れるのは、どうなのかと思う。私だけの判断で海外のメディア関係者をホテルに招いていいのか、非常に悩む」

組織委員会「宿泊療養施設として使用できるよう調整」

大会組織委員会によりますと、コロナの宿泊療養施設として使用されることになった複数のホテルから相談が寄せられているということで「組織委員会としての予定を変更するなどして できるだけ宿泊療養施設として使用できるよう調整を行っている」とコメントしています。そのうえで「大会時にコロナの療養施設としての使用が決まっていた施設に対して、組織委員会から大会関係者の宿泊施設としての使用を求めたことはない」としています。

“隔離終えた人の受け入れだと想定していたのに…”

一方、海外のメディア関係者の宿泊先のホテルからは不安の声も上がっています。
東京オリンピック・パラリンピックでは選手団とは別に海外のメディア関係者も多く訪れますが、大会組織委員会は感染対策のため入国後14日間はGPSによる行動管理を行い、宿泊先もおよそ150か所に集約する方針です。

宿泊先の一つとなっている東京 日本橋のホテル「住庄ほてる」は、海外メディアの関係者に28部屋を提供する予定です。
別館を1棟貸し切りにするなどして、ほかの宿泊客と接触しないようにしたうえで、大会1週間前の7月16日から受け入れを始める方針です。

ところが…。

角田社長

我々にも情報が何も降りてこないので、かなり不安ですね

 

6月になっても詳しい情報が示されないとして、従業員から不安の声が上がっていて、ホテル側は受け入れの詳しい内容について組織委員会に質問を送っていました。
これに答えるため、6月10日、組織委員会の担当者がホテルを訪れ、角田隆社長に受け入れの詳しい計画について説明しました。

角田社長によりますと、組織委員会の担当者は出国前と入国後にPCR検査を受けてからホテルに宿泊することや、3日間は基本的にホテルの部屋で待機し、4日目以降もホテルと競技会場など認められた場所の往復のみで、14日間が過ぎると自由に行動できるようになると説明したということです。

そのうえで、組織委員会から、4日目以降はホテルの従業員などが部屋の清掃に入ってほしいと要望されたということです。

説明を受けたホテル側は、この日の話を聞くまで、入国後14日間の隔離は別の場所で行われると考えていて、来日直後から宿泊を受け入れるとは思っていなかったということです。

角田社長は「われわれは宿泊施設であって隔離施設ではない。従業員に対して、14日間の隔離の最中に対応することになるなんて言えない」と組織委員会の担当者に伝えていました。

組織委員会の説明を受けた角田社長は、従業員に…。

角田社長

事前の隔離期間ないんだって。まいったな、掃除の人にいえないよ、こんなこと

 

説明の内容を従業員に伝えましたが、従業員たちからも不安を訴える声が上がっていました。

住庄ほてる 角田隆社長
「隔離を終えた人を受け入れると想定していたので、説明の内容は本当にショックだ。行動管理も本当に厳格化できるのかと不安になる。十分な対応をしてもらえない場合、受け入れは難しいかもしれない」

組織委員会「丁寧に情報の提供に努めたい」

海外のメディア関係者が宿泊する予定のホテルから入国直後の隔離期間の受け入れをめぐって不安の声が出ていることについて、大会組織委員会は「それぞれのホテルに対しては丁寧なコミュニケーションを心がけ、できる限り丁寧に、情報の提供に努めたい」とコメントしています。

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