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インドで広がる変異ウイルス 関東で新たに15人 “ベトナム変異株”も警戒

  • 2021年6月3日

インドで広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は5月31日までの1週間に関東で新たに15人の感染が確認されたと発表しました。
また、ベトナムで見つかった新たな変異ウイルスについて、専門家は「詳しい性質はまだわからないが、インドの変異ウイルスがさらに変異したものと考えられる。ベトナムは日本とも人の交流が盛んなので、十分に警戒が必要だ」と指摘しています。

インド変異株全国で24人 関東で15人

厚生労働省によりますと、インドで広がっている変異ウイルスに、31日までの1週間で、全国で24人が感染していたことが新たに確認されたということです。前の1週間に確認された人数を3人上回っています。
関東では東京都が9人、埼玉県が3人、群馬県と千葉県、神奈川県がそれぞれ1人であわせて15人です。
これまでに国内で感染が確認されたのは、あわせて53人で、東京都が14人、大阪府が9人、千葉県が7人、兵庫県が6人、静岡県が5人、埼玉県と神奈川県が3人、愛知県が2人、群馬県と長野県、広島県と鹿児島県でそれぞれ1人となっています。

厚生労働省 検査態勢の強化

インドで確認されている変異した新型コロナウイルスを早期に発見しようと、厚生労働省は全国的な検査体制の強化を進めています。インドの変異ウイルスかどうかをPCR検査で見極める方法を国立感染症研究所で開発し、5月21日に全国の地方衛生研究所に配備しました。民間の検査機関の一部でも試行的に導入し、5月28日から2日間で104人の検体を調べた結果、18人からインドの変異ウイルスが検出されたということです。
厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染した人のおよそ4割に検査を行うことを目標にしています。また、地方への技術移転を進めた結果、全国13か所の地方衛生研究所でウイルスの遺伝子解析ができるようになり、さらに22か所で実施できるよう準備を進めているということです。

他の変異ウイルスは?

このほか、全国では31日までに、ブラジルで見つかった変異ウイルスに79人、南アフリカの変異ウイルスに23人が感染していたことが確認されています。
一方、イギリスで最初に見つかった変異ウイルスは、5月24日の時点で1万1235人の感染が確認されていましたが、厚生労働省は、すでにほとんどの地域で従来のウイルスに置き換わったと見て都道府県ごとの集計を取りやめています。

“デルタ” インドで広がる変異ウイルスの特徴とは

インドでの爆発的な感染拡大に影響しているとみられるこの変異ウイルスには、どんな特徴があるのでしょうか。いまや国内で主流になっているイギリスで見つかった変異ウイルスとの比較してみました。

WHOが「デルタ」と呼ぶよう推奨しているインドで確認された変異ウイルスは、感染力を高めることに関わる可能性が指摘されている「L452R」と「P681R」という変異があります。
従来のものより感染力が高い、イギリスで確認された変異ウイルスと比べて、さらに50%感染力が高いという試算もあります。
京都大学の西浦博教授は「イギリスのものが日本に侵入するのには2か月ほどかかったが、それよりも短いスパンで、突如として流行が始まり拡大すると考えられる」とコメントしています。

一方で、イギリスの公衆衛生当局はこれまでのところ、重症度が上がったりワクチンの効果に影響が出たりするという証拠は確認されていないとしています。

ベトナムで見つかった変異ウイルスとは

そしていま、気になるのが、ベトナムで見つかった新たな変異ウイルスです。これはインド型にさらに別の変異が起きたものと見られていて、北里大学の中山哲夫特任教授は次のように解説します。

「詳しい遺伝子の情報は入っていないが、インドの変異ウイルスがさらに変異したものと考えられる。感染力や病原性などについてはまだはっきりしたデータがなく詳しい性質はわかっていない。症状の重さについてはイギリス株やインド株を超えるものではないと考えている。一方で感染力についてはインドの変異ウイルス自体、感染力が強いという報告があり、ベトナム国内の感染者の急増などを見ると感染力が強い可能性も否定できない」

その上で、中山特任教授は次のように指摘します。

「ベトナムはインドに比べて日本との人の交流が盛んなので、十分に警戒が必要だ。対策を取らないとインドの変異ウイルスと同じように侵入を許す可能性が高い。インドの変異ウイルスに対しても検査態勢はまだ不十分だと感じているので監視体制の強化が必要だ」

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