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ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチン どう違うの?

  • 2021年10月4日

新型コロナウイルスの対策として、日本で接種が進められてきたファイザーとモデルナのワクチンに加えて、8月からはアストラゼネカのワクチンも公的な予防接種に使われ始めました。
この3種類のワクチンの特徴や効果などをまとめました。
※5月21日に公開した記事に、8月24日時点での最新情報を加えて更新しました。

特徴1 ファイザーとモデルナは「mRNAワクチン」

この2つのワクチンは、遺伝物質のメッセンジャーRNAを使っていて、メッセンジャーRNAワクチン、もしくは頭文字をとって「mRNAワクチン」と呼ばれています。
新型コロナウイルスが細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質を作るための遺伝情報を含む物質、「mRNA」を投与する仕組みです。「mRNA」はいわば設計図のようなもので、体内の細胞によってスパイクたんぱく質が作られ、その後、免疫の仕組みが働き、ウイルスを攻撃する抗体を作るよう促します。
実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染することはありません。

特徴2 アストラゼネカは「ウイルスベクターワクチン」

アストラゼネカのワクチンはウイルスベクターワクチンという種類で、ウイルスの表面にあるスパイクと呼ばれる突起部分のたんぱく質を作る遺伝子を無害な別のウイルスに組み込み、そのウイルスごと投与します。すると、人の細胞に無害なウイルスが感染して、新型コロナウイルスのものと同じスパイクたんぱく質が作られるようになり、それを受けて免疫の働きで抗体が作られます。
実際のウイルスは使っておらず、ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに感染することはありません。

国内での承認時期や使用経緯

国内での承認時期や使用経緯は以下の通りです。

 

ファイザー

モデルナ

アストラゼネカ

国内での承認 2021年2月14日 2021年5月21日 2021年5月21日
接種対象など ・2月17日~ 医療従事者
・4月12日~ 高齢者
・現在は12歳以上
・12歳以上
・自衛隊や自治体の大規模接種会場
・企業や大学などの職域接種が中心
・7月30日に公的予防接種に決定
・8月23日~ 一部の自治体で接種開始
・他のワクチンにアレルギーある人や海外でアストラゼネカのワクチン接種を1回受けた人など
※極めてまれに血栓生じるリスクから40歳未満には接種せず

発症予防や変異ウイルスへの効果

発症を防ぐ効果や変異ウイルスへの効果は以下の通りです。

 

ファイザー

モデルナ

アストラゼネカ

発症などを防ぐ効果 ▼発症予防95%
(臨床試験の結果をまとめた論文)
■発症予防94%
■重症化防ぐ効果92%
■感染を防ぐ効果92%
(イスラエルの接種結果まとめた論文)
●発症予防91.3%
●重症化防ぐ効果100%
(ファイザーなどのプレスリリース)
▼発症予防94.1%
(臨床試験の結果をまとめた論文)
▼発症予防70.4%
(イギリスやブラジルなどで行われた臨床試験の結果をまとめた論文の平均)
変異ウイルスへの効果 ▼イギリスで確認された「アルファ株」
→93.7%

▼インドで確認された「デルタ株」
→88.0%
▼イギリスで確認された「アルファ株」
→効果に目立った変化なし

▼南アフリカで確認された「ベータ株」
→抗体の働きを示す値が約6分の1に

▼ブラジルで広がった「ガンマ株」
→抗体の働き示す値約3分の1に

会社
「抗体の働きを示す値はいずれの変異ウイルスに対してもワクチンとして必要なレベルは上回っていた」

●2回目接種から半年後の効果
→変異前の新型コロナウイルス100%
→「アルファ株」96%
→「デルタ株」96%
→「ベータ株」54%
●イギリスで確認された「アルファ株」
→有効性70.4%

■南アフリカで確認された変異ウイルス
→10.4%

▼ブラジルで広がった変異ウイルス
→抗体の働きを示す値は一定程度下がるものの効果はある

★「アルファ株」
→74.5%

★インドで確認された「デルタ株」
→67.0%

※●■▼★などはそれぞれ別の論文によるデータであることを示しています

副反応 接種回数 供給量

副反応や接種回数、供給量は以下の通りです。

 

ファイザー

モデルナ

アストラゼネカ

副反応 【疼痛】
1回目 92.6%
2回目 89.5%
【けん怠感】
1回目 23.2%
2回目 68.9%
【頭痛】
1回目 21.4%
2回目 53.1%
【かゆみ】
1回目  8.0%
2回目 11.9%
【38度以上の発熱】
1回目  0.9%
2回目 21.3%

※2021年8月4日に専門部会で示された厚労省研究班資料より
【疼痛】
1回目 86.5%
2回目 88.2%
【けん怠感】
1回目 26.8%
2回目 83.9%
【頭痛】
1回目 17.4%
2回目 67.6%
【かゆみ】
1回目  5.3%
2回目 13.7%
【38度以上の発熱】
1回目  2.1%
2回目 61.9%

※2021年8月4日に専門部会で示された厚労省研究班資料より
【疲労】
1回目 49.6%
2回目 26.8%
【頭痛】
1回目 48.6%
2回目 26.7%
【筋肉痛】
1回目 40.3%
2回目 18.9%
【38度以上の発熱】
1回目 7.1%
2回目 1.2%

※ワクチンの添付文書より


※以下研究班中間報告より
【けん怠感】
1回目 66%
【頭痛】
1回目 51%
【37.5度以上の発熱】
1回目 47%
接種回数と間隔 2回
3週間あけて2回目
2回
4週間あけて2回目
2回
4週から12週間あけて2回目(8週間以上おくのがのぞましい)
保管温度と期間 -25度から-15度で最長14日間保管 2度から8度の冷蔵庫で30日間保管 2度から8度の冷蔵庫で6か月間保管
供給量 年内に9700万人分 ことし9月までに2500万人分 年内に6000万人分

アストラゼネカのワクチンと血栓

このワクチンをめぐって2021年3月、EU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局などから接種後に血の塊、「血栓」などが確認されたケースが報告され、ドイツやフランスなどヨーロッパ各国で予防的な措置として一時、接種を見合わせるなどの動きが出ました。

2021年4月7日に公表されたEMA=ヨーロッパ医薬品庁の調査結果によりますと、接種後に血栓が起きたケースの多くは接種から2週間以内の60歳未満の女性で報告されているということです。ワクチンの免疫反応が関係している可能性はあるものの極めてまれなため、新型コロナウイルスに感染するリスクを考えると接種する利益のほうが上回るとしています。また、イギリスの規制当局は、2021年8月11日までにイギリス国内でこのワクチンを1回接種した人が2480万人、2回接種した人は2390万人いて、このうち、血小板の減少を伴う血栓症になったのが412人、そして73人が死亡したと報告しています。血栓が起きる頻度は接種100万回あたり、14.9回だとしています。

血栓は若い世代の方が頻度が高く、イギリス政府は2021年4月7日、その時点のデータが基づいて、30歳未満に対しては別のワクチンの接種を勧めると発表し、その後、2021年5月7日には予防的な措置として、対象を10歳引き上げて40歳未満には他社のワクチンの接種を勧めると発表しました。 

WHO=世界保健機関は2021年4月16日の声明で、感染が続く国ではワクチンを接種するメリットはリスクをはるかに上回るとした上で、各国は感染状況やほかのワクチンを入手できるかといった事情を考慮して判断すべきだとしています。

アストラゼネカのワクチン 公的な予防接種に追加

アストラゼネカのワクチンは8月3日、公的な予防接種に使うことが認められ、厚生労働省は都道府県に第一弾の配分方針を示しました。それによりますと、緊急事態宣言が出ている東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、沖縄県の6都府県を優先して、8月16日から9月にかけて順次、配送するということです。
配送量は、東京都が57万9500回分、神奈川県が39万600回分、大阪府が35万7900回分、千葉県が30万5600回分、埼玉県が25万8700回分、沖縄県が5万8000回分をそれぞれ上限とします。
このほかの道府県にもそれぞれ1000回分を上限に8月23日以降に配送する方針で、配送量は全国であわせておよそ200万回分になります。
アストラゼネカのワクチンは、極めてまれに血栓が生じるリスクがあるとされていることなどから、原則、40歳未満には接種しないことになっていて、ほかのワクチンの成分にアレルギーがある人や、海外ですでにアストラゼネカのワクチンの接種を1回受けた人などが対象になるということです。
厚生労働省は、都道府県に対して、少なくとも1か所は接種場所を設けるとともに、接種を受ける人に有効性と安全性を丁寧に説明して同意を得るよう求めています。

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