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ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチン どう違うの?

  • 2021年5月21日

欧米の製薬会社、モデルナとアストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、21日、正式に承認したと発表しました。すでに国内で接種が行われているファイザーのワクチンとともに、効果などについてまとめました。

モデルナとアストラゼネカのワクチン 正式に承認

欧米の製薬会社、モデルナとアストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、21日、正式に承認したと発表しました。このうちモデルナのワクチンは、モデルナの新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、18歳未満に接種しないことを条件に、公的な予防接種で使用する方針を決めました。24日に開設される大規模接種センターなどでの使用が予定されています。

一方、アストラゼネカのワクチンをめぐっては、極めてまれに血栓が生じるリスクがあると指摘されていることから、厚生労働省は、当面、公的な接種に使わず、推奨する年齢などを慎重に検討する方針です。

ファイザー、モデルナ、アストラゼネカのワクチン比べると(5月21日現在)

発症を防ぐ効果や変異ウイルスへの効果は以下の通りです。

 

ファイザー

モデルナ

アストラゼネカ

発症を防ぐ効果 95%
(臨床試験の結果をまとめた論文)
94.1%
(臨床試験の結果をまとめた論文)
70.4%
(イギリスやブラジルなどで行われた臨床試験の結果をまとめた論文の平均)
変異ウイルスへの効果 イギリス・ブラジルの変異ウイルス
→働きを抑える効果が従来のウイルスとほぼ変わらない

南アフリカの変異ウイルス
→効果は低いものの十分
イギリスの変異ウイルス
→目立った変化なし

南アフリカの変異ウイルス 
→抗体の働きを示す値 およそ6分の1

ブラジルの変異ウイルス
→抗体の働きを示す値 およそ3分の1

※抗体の働きを示す値 いずれもワクチンとして必要なレベルは上回る
イギリスの変異ウイルス
→有効性70.4%

南アフリカの変異ウイルス
→効果は見られなかった

ブラジルの変異ウイルス
→抗体の働きを示す値は一定程度下がるものの効果はある

 

副反応や接種回数、供給量は以下の通りです。

 

ファイザー

モデルナ

アストラゼネカ

副反応 【摂取した場所の反応】
1回目 92.9%
2回目 92.0%
【かゆみ】
1回目 8.0%
2回目 12.1%
【けん怠感】
1回目 23.2%
2回目 69.6%
【頭痛】
1回目 21.2%
2回目 53.7%
【38度以上の発熱】
1回目 0.9%
2回目 21.5.%
(2021年4月30日に専門部会で示された厚労省研究班資料より)
【疲労】
1回目 37.2%
2回目 65.3%
【頭痛】
1回目 32.7%
2回目 58.6%
【筋肉痛】
1回目 22.7%
2回目 58.0%
【発熱】
1回目 0.8%
2回目 15.5%
【疲労】
1回目 49.6%
2回目 26.8%
【頭痛】
1回目 48.6%
2回目 26.7%
【筋肉痛】
1回目 40.3%
2回目 18.9%
【38度以上の発熱】
1回目 7.1%
2回目 1.2%
接種回数と間隔 2回
3週間あけて2回目
2回
4週間あけて2回目
2回
4週間あけて2回目
保管温度と期間 マイナス25度からマイナス15度で最長14日間保管 2度から8度の冷蔵庫で30日間保管 2度から8度の冷蔵庫で6か月間保管
供給量 年内に9700万人分 ことし9月までに2500万人分 年内に6000万人分

アストラゼネカのワクチンと血栓

アストラゼネカのワクチンを接種したあと、ヨーロッパ各国で、極めてまれに血栓ができる副反応が確認され、亡くなったケースも報告されていますが、EMA=ヨーロッパ医薬品庁は安全で効果的なワクチンで、接種によって発症や重症化を防ぐメリットは副反応のリスクを上回るとしています。

アストラゼネカのワクチンは、「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれるタイプで、新型コロナウイルスのたんぱく質を作る遺伝子を無害な別のウイルスに組み込み、そのウイルスごと投与します。
このワクチンで、接種したあと血栓ができたケースが報告されていて、2021年4月7日に公表されたEMAの調査結果では「血栓は非常にまれな副反応としてリストに加えられるべきだ」として、ワクチンと血栓の間に関連性がありうるという認識が示されました。

それによりますと、血栓は60歳未満の女性で接種から2週間以内の報告されるケースが多く、脳や腹部の静脈などで起き、血小板の減少を伴うこともあるなどとしています。
イギリスの規制当局は、5月12日までにイギリス国内でこのワクチンを1回接種した人が2390万人、2回接種した人は900万人いて、このうち血小板の減少を伴う血栓症になったのが309人、そして56人が死亡したと報告しています。
血栓が起きる頻度は接種100万回あたり12.3回だとしています。

このワクチンの海外での添付文書には、接種後に血小板の減少を伴う血栓が極めてまれに確認されていて、死亡例もあることが記載されています。
血栓が起きる割合は高齢者よりも若い世代で高いとされ、イギリス政府の諮問委員会は予防的な措置として40歳未満には別のワクチンの接種を勧めるとしていて、ほかにも年齢制限を設けた国や接種を中止した国も出ています。

血栓ができる原因は特定されていませんが、各国の研究グループから血を固める「血小板」の働きを高める抗体が増えていることが報告されていて、血を固まりにくくするヘパリンという薬を投与したあとに、血小板が減り、逆に血栓ができてしまう「ヘパリン起因性血小板減少症」と似ていると指摘されています。

WHO=世界保健機関は2021年4月16日の声明で、感染が続く国ではワクチンを接種するメリットはリスクをはるかに上回るとした上で、各国は感染状況やほかのワクチンを入手できるかといった事情を考慮して判断すべきだとしています。

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