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市原ぞうの国 ゾウ6頭が体調崩し2頭死ぬ 原因不明

  • 2021年5月17日

国内で最も多い12頭のゾウを飼育していた千葉県市原市の動物園、「市原ぞうの国」で先週、6頭が相次いで体調を崩し、16日、2頭が死にました。原因は分かっていませんが、治療にあたった獣医師は「中毒が疑われる」と話していて、園は解剖を行うなどして調べています。

3月にリニューアル

千葉県市原市の「市原ぞうの国」は、老朽化した施設を改装して3月23日リニューアルオープンし、ゾウの自然の姿を見てもらおうと、ゾウの水遊び場などが整備されました。

間近でゾウの水遊びが見られる 3月撮影

また、坂本園長の長男で、日本人初の「ゾウ使い」になりながら、平成4年に20歳の若さで交通事故で亡くなった坂本哲夢さんが生前、ゾウ使いになる訓練を受けたのもタイだったことなどから、タイの魅力を発信するさまざまな施設も整備しました。

6頭が相次いで体調崩す

「市原ぞうの国」によりますと、先週14日、6頭のゾウが相次いで体調を崩しました。6頭にはいずれも、食欲がなくなる、水が飲めなくなる、便が出なくなる、お腹がはるなどの似たような症状がみられたということです。

園では6頭に点滴や投薬などの治療を行いましたが、16日、いずれもメスで、30歳のプーリーと35歳のミニスターの2頭が死にました。この年齢は、人間で言うと35歳から40歳くらいに相当するということです。

右が坂本園長

坂本小百合園長
「山奥で会ったときのこと、日本に着いたときのこと、一緒に京都の方まで撮影に行ったり海岸に行ったり、もう走馬燈のように頭の中でくるくるまわって、思い出します。ミニスターと暮らして35年、プーリーと暮らして20年経ちますけど、本当は私のほうが先に死ぬはずだったのに先立たれてしまいました。30年前の息子の死を思い出して、人の死と動物の死を一緒にしたらいけないかもしれないけど、私にとっては一緒ですね」

ほかの4頭については一時、重い症状を示したゾウもいましたが、いずれも現在は回復傾向にあるということです。17日午前、市原ぞうの国で撮影された治療中のゾウ、「ミッキー」の様子です。タイ人の飼育担当者が背中にまたがって、耳の裏側から点滴を投与しています。

体調不良の原因はわかっておらず、園は解剖を行うなどして調べています。

「市原ぞうの国」では2頭の死を悼むため17日、献花台を設けています。

坂本小百合園長
「2頭のゾウは子ども同然でした。『プーリー』は世界一と思えるくらいおっとりしていてとてもいいゾウでした。『ミニスター』は、可愛く、本当に頭のいいゾウでした。貴重な宝を一瞬で亡くしてしまったことに対して、言葉が出てこないくらいに辛いです」と話しました。その上で今後について、「『プーリー』には小さい子どももいて、残された子どもたちをしっかり見ていかないといけないという気持ちでいっぱいです。治療中のゾウも食事を取れるようになったので、原因の解明にも努めていきたい」

獣医師「中毒が疑われる」

「市原ぞうの国」から連絡を受けて治療にあたった、群馬サファリパークの園長で獣医師の川上茂久さんがNHKのインタビューに応じました。

川上さんは14日の午後、ゾウに初めての症状が確認されたあと、その日の夜から治療にあたったということです。

●症状や対応は
「それぞれのゾウに症状の重い軽いはあるが、お腹が張って痛そうな様子で、食欲もなく動きも少なくなっていた。栄養を補給するための点滴や痛み止めを投与して対応した」

また、死んだ1頭を解剖した結果、腸の中で出血が見つかったと報告を受けたということです。

●原因について
「中毒が疑われる。6頭ものゾウに同じ症状が出るのは、同時期に同じものを食べたりしないかぎりは考えにくい。2頭のゾウが死んでしまったのは治療にあたった身として非常に残念だ。ほかのゾウは治療中で、現在、回復傾向にある。今後はゾウを専門的に研究している海外の大学に検査を依頼し、原因について詳しく調べていきたい」

プーリーとミニスターはどんなゾウだった

「市原ぞうの国」は国内で最も多い12頭のゾウを飼育してきたことに加え、世界的に数が減っているゾウの国内での繁殖にも大きな成果を上げ、注目されてきました。
その原動力となっていたのが今回、死んだ2頭のうち1頭、アジアゾウの「プーリー」でした。

プーリーは今から19年前にインドからオスのテリーなどと一緒にやってきました。平成19年にはテリーとの間にメスの「ゆめ花」を出産しました。これはアジアゾウとしては国内で2例目でした。さらに、国内で初めてとなる自らの母乳による「自然哺育」で「ゆめ花」を育てました。その後も「りり香」、「もも夏」を産み、あわせて3頭の子どもを産み育てました。
別のメスが産んだものの、育児放棄されたオスの「結希」に対しても、 “乳母”として母乳を与え、自分の子と一緒に育て、「子育て上手なお母さんゾウ」として知られていました。

ゾウは東南アジアやインド、アフリカなどに生息していますが、開発による環境の変化や密猟などの影響で大きく減少しています。このため輸入は厳しく制限され、日本動物園水族館協会によりますと、国内で飼育されているアジアゾウの数は59頭、アフリカゾウは25頭と減少傾向にあり、高齢化も進んでいて、国内でいかに繁殖を進めるかが課題になっています。園は、子育ての経験が豊富なプーリーが死んだことは、国内の繁殖の面でも大きな損失だとしています。

また、死んだもう1頭のゾウ、メスのミニスターは、34年前にタイから日本に来て、若いゾウのお姉さんのような存在だったほか、ゾウのパフォーマンスショーではボールを上手に蹴ったりダンスを披露するなど、人気者だったということです。

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