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ブルーライト抑えるメガネ寄贈中止に 眼科の学会の意見とは 

  • 2021年5月12日

スマートフォンなどの画面から出る「ブルーライト」を抑えるメガネ。店頭でもよく見かけますが、こうしたメガネを東京・渋谷区の小中学生に寄贈しようという計画が中止されたことがわかりました。このメガネをめぐっては、4月に眼科の学会などが意見書を出して慎重な対応を求めていました。その意見はどんな内容だったのでしょうか。

子どもに無償で配る動きも  ブルーライトを抑えるメガネ

ブルーライトはデジタル端末の画面などから出る波長が短い青い光で、この光を抑えるとするメガネが多く販売され、中には子ども用の商品もあります。

こうしたメガネを販売している専門店チェーン、「JINS」の運営会社は、ことし3月、東京・渋谷区立の小中学校のすべての児童生徒に無償で配ると発表していました。

ところが、眼科の専門医で作る学会などから慎重な対応を求める意見が示されました。こうしたメガネを子どもがかけることについて、日本眼科医会や日本眼科学会など6つの団体が意見書をウェブサイトに掲載したのです。

“子どもに推奨する根拠はない”  眼科の専門医で作る学会などが意見書

意見書では、ブルーライトについて夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れが指摘されているとして「夕方以降にカットすることには一定の効果が見込まれる可能性がある」としています。

その一方で、画面から出るブルーライトは曇りの日の太陽や窓越しの自然光より少なく、目の網膜に障害を生じないレベルで、オーストラリアの大学のグループが行った臨床試験でブルーライトを抑えるメガネには眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されているとしています。
さらに、子どもが十分な太陽光を浴びないと近視が進行するリスクが高まり、ブルーライトにさらされることより有害である可能性が否定できないとしています。

学会などはブルーライトが目に悪い科学的根拠はないとするアメリカの眼科アカデミーの見解も紹介しながら「小児に推奨する根拠はなく、むしろ発育に悪影響を与えかねない」として一般の人たちに対して慎重に考えるよう訴えました。 

教育委員会「意見書踏まえ判断」 計画は中止に

東京・渋谷区立の小中学校のすべての児童生徒に無償で配ると発表していた「JINS」の運営会社は、意見書を受けて渋谷区教育委員会と対応を協議し、関係者によりますと計画は中止されたということです。
「JINS」の運営会社はNHKの取材に対し「答えられることはない」とコメントしています。また、教育委員会の担当者は「意見書を踏まえて判断した」としています。

意見書を作成した東京都眼科医会は

東京都眼科医会 福下公子 会長
「今回は眼科的な問題ですが、眼科医会とか学校医に相談したうえで決めてほしいと思っております。ICT化が学校現場でどんどん進み、目の疲れの問題とか、子どもたちの姿勢からくる整形外科的な問題とか、今後、いろいろな影響が考えられますので、わたしたちは真摯に対応していきたいと思っております。これを契機に、わたしたちは、もう少し学校保健に関わっていかなければいけないと感じています」

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