東京都に12日から「まん延防止等重点措置」が適用され、23区と6つの市で飲食店などに営業時間の短縮が要請されています。JR三鷹駅は駅の南北で自治体が異なるために重点措置の対象となるかどうかが分かれ、周辺の飲食店からは戸惑いの声が聞かれました。
JR三鷹駅周辺は、駅を隔てて北側が「まん延防止等重点措置」が適用される武蔵野市で、南側が適用外の三鷹市になっていて、飲食店の営業時間は北側が午後8時まで、南側は午後9時までとごく近い距離で対応が分かれます。
街の人に聞いてみると…。
Q 同じ地域で差が出ることについて、どう思いますか?
「生活者としても駅またいで違うのは、結局なんなのこれと理解しづらい。目的がまん延を防止するんであれば、その辺は統一するほうがいいのではないかと思います」
「三鷹は吉祥寺のような繁華街を抱えていないので、市域で区切るしかない。三鷹駅周辺はダメですと言ったとして、周辺ってどこなのかという話になりわかりにくい」
「不平等かなという気はしますけれども、致し方ない部分もあるのかなと思います。お客さんが選ぶのは自由なので、こちらに住んでる人があちらに行ったりというのはできると思う」
重点措置が適用される駅の北側でおよそ40年、居酒屋を経営する大澤伸雄さんは、都の要請を受け、12日から営業時間を午後8時までに短縮します。日々の売り上げは2万円ほど減る見込みだと言います。
大澤さんの店では座席数を半分にしたほか、換気の徹底やアクリル板の設置もしています。
また、大声で話す客に対して注意を促すなど対策に細心の注意を払ってきました。
婆娑羅の店主 大澤伸雄さん
「自治体ごとに一律に営業時間を短縮するのではなく、店の感染対策で判断するなど、実態をみてほしい。給付金ではなく、健全に商売して獲得するお金が一番いいと思います」
一方、今回の重点措置の適用外で、営業時間が午後9時までとなっている駅の南側の居酒屋を営む中山圭さんは、「駅の北側から客が流れて来る時点で、まん延防止措置といえるのか疑問です」と話しました。
中山さんは、駅の北側のお店を紹介するカードを店内に置くなど店どうしで交流をしてきたということです。北側の飲食店とともに地域を盛り上げてきましたが、今回の措置が水をさす形にならないか懸念しています。
酒道 ハナクラのオーナー 中山圭さん
「ほんの少し立地が違うだけでほかの店がつなぎとめている客をとってしまうことを望んでないし、ちょっとした“いさかい”の原因になりかねないようなことを国や都がやってしまうのは違和感があります」