新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種開始が1週間後に迫る中、5日以降、都道府県にワクチンが配送されます。東京都内で接種がもっとも早く始まる八王子市では、5日、コールセンターなどで先着順による予約の受け付けが行われました。
八王子市は、都内の市町村で高齢者の人口が最も多く、世田谷区とともに1週間後の4月12日から接種が始まります。
市に今週末に届く予定の1900回分のワクチンは、市役所や商業施設で行う集団接種にあてられ、5日に、この初回分についてコールセンターとインターネットサイトで先着順による予約の受け付けが行われました。
このうち、コールセンターでは開始時刻の午前9時になるとともに一斉に電話が鳴り始め、1時間半ほどですべての予約が埋まりました。
高齢者への接種をめぐっては、最初に配分されるワクチンが少ないため、どのような順番で接種を行うかは自治体によって対応が異なっています。
東京23区では、世田谷区をはじめとして高齢者施設の入所者から接種を始めるところが多くなっていますが、八王子市は、先着順にした理由について、施設には市民でない人もいることから市民を優先するためなどとしています。
ワクチン接種担当武井博英課長
「4月に接種を受けられるのは対象者全体の約1%にとどまり、予約が取れず不満に思われる市民の方も多いと思いますが、5月以降、必ず接種できるので、改めて基本的な感染対策を徹底し待っていてほしいです」
八王子市と同じく高齢者へのワクチン接種を都内で最も早く行う東京・世田谷区は4月12日から区内の7つの特別養護老人ホームで順次、入所者への接種を始めることにしています。
世田谷区は重症化やクラスターが発生する危険性が比較的高い高齢者施設の入所者を最初の対象とし、4月12日から区内の7つの特別養護老人ホームで順次、接種を開始します。
接種を担当するのは施設の嘱託医や民間の医師らでつくる訪問チームでアナフィラキシーなどの副反応にすぐに対応できるよう1つの施設につき複数の医師を配置する考えです。
世田谷区では4月26日の週に配付される予定のおよそ500人分のワクチンについても同様に特別養護老人ホームの入所者を対象に接種を行うことにしています。
一方で、区内の65歳以上の高齢者はおよそ18万5000人にのぼり、区では集団接種などで本格的に高齢者への接種を始められるのはワクチンの供給が増える見込みの5月中旬以降になると想定しています。
アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンは、今月12日から65歳以上の高齢者およそ3600万人を対象に接種が始まります。
厚生労働省は今週から順次、都道府県にワクチンを配送する方針です。
●今週中
・東京と神奈川、大阪に3900回分ずつ
・そのほかの道府県に1950回分ずつ
●来週と再来週
・東京、神奈川、大阪に1万9500回分ずつ
・そのほかに9750回分ずつ
●26日の週
・すべての市町村に975回分ずつ
接種が始まる当初は国が用意した注射器の構造上、1つの容器から採取できるワクチンの量は5回分になる見込みで、厚生労働省は来月中には6回分を採取できる注射器に切り替えたいとしています。
ことし6月末までには対象の高齢者全員に2回ずつ接種できる量を供給できる見通しだということです。