医療従事者への優先接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンは、次の段階となる高齢者への接種が4月12日から始まります。このワクチンについて、1回目より2回目の接種後のほうがけん怠感や頭痛などの症状が多く見られたことが、国の研究班の調査で分かりました。
新型コロナウイルスのワクチンは、高齢者への優先接種が4月12日から始まります。対象となるのは、令和3年度に65歳以上になる人で、令和4年4月1日に65歳の誕生日を迎える人も含まれます。人数はおよそ3600万人で、日本の人口の3割近くにのぼります。
最初はワクチンの供給量が限られるため、限定的に接種が開始されます。その見通しです。
厚生労働省によりますと、さらに、5月9日までに4000箱程度が配送される予定で、およそ3600万人の高齢者が2回接種するために必要なワクチンは、6月末までにすべて配送できる見通しだということです。
一方、接種後の症状について新たな調査結果がまとまりました。厚生労働省の研究班は、ファイザーのワクチンの接種を受けた医療従事者のうち、1回目の接種を受けたおよそ1万9000人と、2回目を受けたおよそ3900人について、接種後の症状をまとめました。
それによりますと、大半の症状は2回目の接種後のほうが多く見られ「けん怠感」が確認された人は、1回目の接種後が23%だったのに対し、2回目では67%でした。また「頭痛」は1回目の接種後に確認された人が21%だったのに対し、2回目は49%、37度5分以上の「発熱」が見られた人は、1回目の接種後が3%で2回目は36%だったということです。
発症の時期は、1回目・2回目ともに接種の翌日が最も多くなりました。
順天堂大学医学部 伊藤澄信 客員教授(研究班の代表者)
「2回目の接種後のほうが症状が多い理由は分かっていない。接種から3日後には症状が治まっていることが多いが、特に2回目の接種のあとは翌日の仕事を休むことも検討してほしい」