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劇団でコロナのクラスター マウスシールドだけで稽古して…

  • 2021年3月19日

去年10月、さいたま市の劇団で大規模な感染者の集団=クラスターが発生しました。感染が拡大した原因は「狭い部屋での密集」と「マウスシールド」でした。劇団ではいま、その教訓を踏まえ、公演再開を目指しています。

出演者やスタッフの8割ほどが感染

沖縄戦の悲劇を描いた舞台の公演などを行っているさいたま市の劇団、「ミュージカル座」では、去年10月、大規模なクラスターが発生しました。

稽古に参加していた出演者の男性の感染が確認されたあと、わずか3日間の間に次々に感染が判明。感染者は76人、稽古に参加した出演者やスタッフの8割ほどが感染したのです。

ミュージカル座 プロデューサー 中本吉成さん
「県庁の方から言われたのは、接触感染でも空気感染ではなく、もう明らかな飛沫による感染だと。ミュージカルというのは普通に歌うとか喋るとかよりも、かなり遠くまで飛沫が飛ぶということで、かなり考慮してやっていたんですが、こんなにもすぐ蔓延するということに恐怖を感じました」

なぜ感染が広がったのか。

さいたま市の調査で浮かび上がってきたのは、「狭い部屋での密集」と、「マウスシールド」でした。
問題となったのは、公演のおよそ2週間前、全員が集まって行った2日間の「通し稽古」でした。

劇団では、通し稽古までは少人数で窓を開けて換気も行い、全員マスクをつけて稽古していました。

しかし、通し稽古ではおよそ80平方メートルのスタジオで30人ほどが稽古。キャスト同士は飛沫がかかる位置にいました。

通し稽古で使われたスタジオ

ほかのおよそ30人は舞台脇の狭いエリアで見学し、密な状態となっていました。

また、稽古をしている人は互いの表情を確認しようとマスクを外してマウスシールドだけにしたのです。

稽古で使用したマウスシールド

プロデューサー 中本吉成さん
「演出面では顔を背けたり向かい合って喋るシーンをなくしたり、たくさん考慮してやってきたんですけれども、考えが浅かったというかうかつだったというか、マスクをどんなときでも外しちゃいけないということが一番の教訓になります」

教訓を踏まえて活動を再開

劇団は、教訓を踏まえ、先月から活動を再開しました。

稽古場は、これまでの10倍の広さの場所を確保し、必ずマスクとフェイスシールドをつけることにしました。

出演者とスタッフの間には、アクリル板も設置しました。

さらに、全員PCR検査を受け、稽古期間中は飲食店でのアルバイトも禁止としました。

選んだ演目は、25年前の初演の時から毎年のように公演を行ってきた、劇団の看板作品とも言える沖縄戦のひめゆり学徒隊をテーマにした作品です。

公演にあたっては、マスクを外さない、完全にダブルキャストにする、小道具や床、自販機のボタンも念入りに消毒する、出番が終わったらすぐに手を消毒するなど、対策を徹底しています。

プロデューサー 中本吉成さん
「クラスターを出したこの演劇をもう一度皆の前に出すことに対して、すごく抵抗がある人もいるんじゃないかとか、皆で考えましたし、たくさんの応援の声も、何をしてるんだっていう声もありました。でも、やっぱりやれることはミュージカルを作ることしかない。だからコロナ禍の中でね、とにかくやれることをちょっとやってみようと思っています」

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