1月8日から延長を繰り返した新型コロナウイルスの2度目の緊急事態宣言。その期限が今月21日に迫っています。1都3県の4人の知事は、解除を申請するのか、それとも延長を求めるのか。15日の発言の詳細をまとめました。
●1都3県の現状(内閣官房が公表しているデータより)
・病床全体の使用率 (8日時点と15日時点)
東京 29%(8日)→25%(15日)
埼玉 41%→38%
千葉 45%→40%
神奈川 28%→26%
→いずれも減少し、改善
・直近1週間と前の週の新規感染者数の比較(8日時点と15日時点)
▼東京都 0.94倍(8日)→1.13倍(15日)
▼埼玉県 1.10倍→1.19倍
▼千葉県 0.93倍→0.92倍
▼神奈川県 1.02倍→0.91倍
→東京と埼玉は増加、千葉と神奈川は減少
●宣言の期間は残り1週間となったが、どのように検討している
「都は今検査、調査をより強化している。それから医療提供体制を拡充するために病床数の確保を進め、変異株についての分析も行っている。ただ、やはりきょうも国の基準で言うところのステージ2、ステージ3、それぞれ重症者の方はクリアしても療養者が増えるとか、そういう動きになっている。病床を確保するということは、他の疾病の方がそこに入れなくなるというおそれがある。やはり感染しない・させないという、そこに戻ってくると思う。基本的なことをくれぐれもお守りいただくことが医療従事者の負担を減らす。この話は、毎回申し上げている通りなので、そこをぜひとも意識をしながら行動をしていただきたい」
●緊急事態宣言解除の要請について
「神奈川県の感染者数は、下げどまりではあるが一応下がっている。県内では病床のひっ迫具合の指標がステージ3だが、ステージ2にかなり近い段階まで来ているし、他の指標はステージ2だ。総合的に神奈川だけを見ると解除できる条件が整っている。1都3県は、共通して進むべきだと思うが、私自身は解除の方向性が見えてきていると思う」
●緊急事態宣言の再延長について
「いま街の雰囲気を見ても皆さんの様子を見ても、もう我慢しきれないという状況ではないかと感じる。緊急事態宣言そのものの効果もどんどん薄れてきていると思う。そこでさらに延長しても皆さんの気持ちが続かないのではないか。ここはいったん解除して、その代わり皆さんには緊張感を持って対策を徹底して過ごしてもらい、段階的に規制を緩和していくのがよいのではないかと思っている。もし感染者がまた増え始めたら、『まん延防止等重点措置』を出して規制をお願いすることになってくると思う。ただこれは1都3県で議論したうえで、政府が最終的に判断することだと思っている」
●緊急事態宣言について小池都知事と話をしたか
「まだ話をしていない。様子をぎりぎりまで見たほうがいいと思う」
●東京都などで感染者が増加していることについて
「若干増えている感じはあるがドーンと増えてるわけではない。それと病床のひっ迫具合はかなり改善されているように見える。やはり、状況は変わってきているのではないか」
●1都3県で一致して行動するのかについて
「1都3県でワンボイスでするかどうかはわからない。1都3県で話をして、前回も1つにまとまる感じではなかった。でもそれはそれとしながら、我々はこういう考え方を持っていると提示して、最終的には国の専門家のみなさんが協議して総理が決断されると思う。1都3県で議論する際は、解除の方向で話をしたいと思っているが、ほかの都県が延長の意見で、両方の案を提示して、専門家の皆さんの議論や政府の判断で最終的に延長ということになれば、我々はそれに従う」
●変異したウイルスについて
「変異株は用心しなければならず、重点的に見ている。変異株は感染力が強いと言われており、広がると感染者が増える要素の1つになることは間違いない。県民には変異株に対してはぜひ用心していただきたいが、特別な対応はなく、つまりコロナに感染しないために原点に立ち戻って対策を徹底的にやっていただくことをお願いしたい」
●緊急事態宣言の延長の意義はあったか
「なかなか難しいところだ。あの時点での解除っていうのも1つの選択肢ではあったと思う。なぜなら、延長したほうがいいが、患者が増えてきたら、次に切るカードが無くなって、もっと厳しい措置をやらなきゃいけなくなる。去年の第1回目の緊急事態宣言の時は、幅広い業種で休業要請をかけ、学校の一斉休校までしたが、それを今やるのは厳しい。結果的に見て、神奈川県の状況だけ見ていると2週間で改善はしてきているので、それなりに意義があったとは思うが、今起きている現象は、緊急事態宣言の延長の前の状況が反映されていると考えると難しい」
●千葉県の現状について
「緊急事態宣言再延長から1週間が経ったが、新規感染者数の14日までの7日間平均は、103人で感染拡大が収まったとは言えない。全国的に変異株による感染者が報告されているが、千葉県でも3月3日から14日までに4人が確認されている。さらに15日、17人変異株による感染が確認され、非常に強い危機感を持っている」
●変異したウイルスについて
(宣言解除に変異株による感染の増加の影響はあるかという質問に対して)
「もちろん影響すると思う。影響されないように私たちは変異株を抑えていかなければならない。緊急事態宣言を解除するかしないかは、国がいろいろな知見を持って決めるところではあるが、まず私たちは、1人でも感染者を少なく変異株を少なくすることが大事だ」
●緊急事態宣言の解除について
「21日、みんなで解除だと、こう言えるような状態になってほしいと思う。しかし、千葉県の場合は(新規感染者数を)何とか2桁、より一層少なく持っていかねばならない。また、リバウンドも私たちは考えなければならない。特に変異株という感染力の強いものも出てきていることもある。徐々に緩和をすることを考えていかねばならないのではないか。拙速に、もう大丈夫だと、さあ万歳、というわけには、いかないのではないか。これだけは、注意をしっかりしてやる。オリンピック・パラリンピックに影響してくるわけで、それを頭に入れて判断すべきと思っている。感染防止対策をしっかりやらねばならないし、検査などもより一層進めていきたい」
●1都3県としての取り組みは
「事情もお互いにあるが、その中でも共通できるものをまとめていったほうがいいと思う。要するに共有できないものを無理にまとめようとすることは必要ないと思う。1都3県でこれだけはお互いにできるねというものを、前面に出していった方が私はよいと思う」
●感染拡大防止に協力を
「飲食を伴う花見等は、控えてください。今回だけは控えてください。お願いいたします。(人の集まりも)極力、人数を控えていただき、自粛をお願いしたい。今回の宣言期間中にはいわゆる昼カラオケの4件のクラスターが発生している。マスクの着用、マイクの消毒、換気をお願いします。
4月のスタートを気持ちよく迎えるために、今はその準備だ。その準備をしっかりやっていこうと、そのような気持ちでいるので。皆様のご協力をよろしくお願します」
●感染者の現状について
「多くの県民の皆様にはご協力をいただいている。ただ、人出の増加に伴ってか、新規の陽性者数はこれまで下げ止まりと言っていたが、下げ止まりどころかリバウンドの兆候を示している。再度増加する兆候示している。
残り1週間を残す再延長の期間となったが、不要不急の外出は、昼間の人の流れが減っていないという話をしたが、夜間だけででなく昼間も不要不急の外出自粛をお願いしたい。感染対策の基本は変異株にも有効なので、マスク、手洗い、消毒、換気、三密回避を改めて徹底していただきたい」
●緊急事態宣言の解除についてどう考える
「緊急事態解除は政府が決めることだが、われわれとしては県の状況を見ながら解除の要請行うなり、解除しない要請も含めて、意見申し上げたり要請したりは一般論としてあると思っている。陽性者数が上がっていることで、現状では少なくとも解除の要請行う段階ではないと考えている。残念ながら。特に入院患者数を重視している。というのはこれからワクチン接種があってこれまで以上に負担が医療機関にかかるので、医療関係の負担を減らすためにも入院患者数をとにかく下げたい」
●21日までに解除する方向という報道について
「一部報道は拝見したが、もちろんこういった考えがあることは聞いている。それが政府のまとまった見解とは思っていないし、政府がまとめた場合でも分科会等での議論もあると思う。大切なのは、まだ1週間あるので埼玉県の状況を正確に伝えることが大切だと思っている。状況が、去年11月中頃から後半と数字的には大体同じ。過去には12月に入ってぽんと跳ね上がった。それを我々は想定すべきなのか、あるいはイギリスやフランスで起こったように、一定程度だらだらと上がったり下がったりの状況に入っているのか、変異株を含めてまだ判断できていない。我々が期待するのは、がくんと下がることだが、そこは判断が本当に微妙なところで、この1週間我々が見ているものを正確に、見解と共に正確にお伝えしたい」
●緊急事態宣言の延長を要請することは?
「延長の要請は当然、あり得ると思う。ただしそれは、ファクトをきちんとおさえた上でのことだ。今、一番気になっているのは変異株。入院患者数は多いが、この数まで下がってきているとある程度やりくりできるレベルまできていることは事実だ。ただ、変異株が埼玉県も多くなっている。埼玉については行政検査に回されているPCR陽性者は、ほぼ100%変異株の検査をさせていただいているが、全体がわからない。そのあたりの知見を国が示してくれないと、どこまで変異株を考えればいいのか(わからない)」
●下げ止まりの原因は?
「因果関係はわからない。想定以上に人出が減っていないとか、昼間のカラオケだとか昼飲みとかが一定程度、感染経路になっているのは把握している。ただ変異株やこれまで想定してこなかった要素が入ってきているので、このリバウンドが何を意味しているのかが一番気になっている。そこは政府の知見を聞きたい。その上で県民にお願い。変異株はわからないこと多いが、三密とか手洗い、消毒とかマスクが同じように効果があると言われているので、改めて徹底お願いするとともに、昼も可能な限り不要不急の外出避けていただきたい」