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一度閉店した横須賀市のデパート「さいか屋」存続求める声で再開

  • 2021年3月8日

地方や郊外にあるデパートの閉店が相次ぐ中、神奈川県横須賀市のデパート「さいか屋」は、去年、閉店を発表しましたが、6日、店の規模を縮小したうえで営業を再開しました。再開を決めた理由は、利用客から存続を求める声でした。

明治5年創業の呉服屋が前身

神奈川県横須賀市にあるデパートの「さいか屋」は、明治5年(1872年)に前身となる呉服屋を創業しました。

大正元年(1912年)

昭和3年(1928年)からは今のデパートの業態に変わり、神奈川県内に3店舗を構えています。

昭和39年

しかし、人口減少に加え、衣料品などの専門店やネット通販との競争が激しくなる中で、4年連続で赤字になるなど業績の悪化が続きました。去年2月期の売り上げは、ピークだったおよそ20年前に比べると5分の1にまで減少し、去年5月、横須賀店の閉店を発表しました。

閉店発表後 存続求める声や手紙が続々と

閉店の発表以降、なじみの客などから「存続してほしい」といった声が相次いで寄せられ、なかには、店長の原幸夫さんの元に、直接届けられた手紙もありました。

 届いた手紙の一部です。

「閉店を知りがっかりしています。昔の思い出がつまっていて、なんとしても続けてほしい」

「私が生まれた時からあり、エレベーターにはきれいなお姉さんが乗っていて、レストランや遊園地があって、特別感を持っていました。大人になってからは、友人が働く場所、特別な買い物をする場所になっていました」

こうした声を受けて、本社とともに再建の道を模索した結果、希望退職者を募って従業員を3分の1ほどに減らすほか、地下1階から6階までの売り場を4階までに縮小し、入居するテナントも見直すことで、採算をとることは可能だと判断したということです。

再開が決まると、遠く離れた群馬県の伊勢崎市の人から、「地元のイトーヨーカドーが閉店して、活気がなくなって寂しいと思っている。遠い地ではあるけれど、さいか屋の地元の人たちは、自分と同じ気持ちだと思う。頑張ってください」とう趣旨の励ましの手紙も届いたといいます。

さいか屋横須賀ショッピングプラザ 原幸夫店長
「本来起こらないようなことも起きて、地域のみなさまにとって町のランドマークみたいなものだと思っていただいていたと強く実感した。惜しむ声に甘んじるだけでなく、自助努力をして背水の陣で臨もうと考えた」

店は必要な改装を行うため、2月21日に一度閉店しました。

営業再開の日

そして6日、午前10時に店は営業を再開しました。

開店前から並んでいた大勢の客に、原店長が挨拶しました。

「2度と閉店を発表することなく、この地でみなさんとともに永続していきたいと思います」

再開にあたっては客が多く集まる1階にカタログギフトや商品券を扱うサービスカウンターを設け、利便性を高めたということです。

また、通路の間隔を広くしたため、これまでより利用客の混雑を避けてゆとりをもって買い物ができるようになりました。

売り場を無くし、空きフロアとなった5階と6階は、当面、新型コロナウイルスのワクチンの接種会場として使われる予定だということです。

50年近く店を利用しているという75歳の女性
「横須賀に嫁に来た若いときから買い物はここにしか来ないなじみの店なので、再開してくれて本当にうれしく思います」

2年前までさいか屋で42年勤務した女性
「ここの住民なので、さいか屋があって私たちがある。地域の1番店なので、それを貫いて、若い人からお年寄りまで愛される店であってほしい」 

さいか屋横須賀ショッピングプラザ 原幸夫店長
「148年、戦争や関東大震災からの町の復興とともに営業を続けてきて、町にはなくてはならない存在なのだと実感した。地域の人に生かされたという思いなので、生まれ変わったと思って経営に臨んでいきたい。人口減少といったまちの状況に応じた店作りを心がけて、これからも長く愛される店を目指していきたい」 

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