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緊急事態宣言が解除されたらどうなる 1都3県シミュレーション

  • 2021年3月4日

東京・神奈川・埼玉・千葉で緊急事態宣言が解除された場合、感染者や死亡者の数はどう変化するのか?東京大学の経済学者のグループが行ったシミュレーションの結果が公表されました。
このうち東京の場合、解除後の気の緩みなどで再び感染が拡大すれば、7月には新規感染者数が再び1日1200人を超える、などとなっています。以下、複数の結果を紹介します。

1都3県シミュレーション

シミュレーションは、東京大学大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師のグループが行いました。2月28日までのデータをもとに、感染の広がりを予測する数理モデルと経済学の予測モデルを組み合わせ、1都3県で緊急事態宣言が解除された後の感染状況や経済への影響を分析しました。

東京都ケース1  “150人下回って解除 ”

3月第3週に新規感染者数が1日150人を下回った状況で宣言が解除され、ワクチンの接種が順調に進むと想定しました。その結果、経済活動の再開などにより感染者数は再び増加し、7月には1日500人を超えましたが、その後、感染は収束に向かい、今後1年間の死者数は2147人という計算結果となりました。

東京都ケース2 “気の緩み”想定

シミュレーションには別の結果もあります。
宣言解除後に、気が緩んで歓送迎会や花見の宴会などが行われ、感染が再び加速したとすると、新規感染者の数は、7月には1日1200人を超え、1年間の死者数は3083人という結果となりました。

東京都ケース3  “飲食店や旅行すぐ再開せず”

一方、宣言解除後も、飲食店の営業や旅行などの経済活動をすぐに再開せず、2か月かけて去年の秋程度のレベルまで戻していくと想定すると、7月に新規感染者の数が1日350人余りとなり、ピークを迎えました。この場合、1年間の死者数は、1971人ですぐに経済活動を再開した場合に比べて1100人余り減りましたが、経済的な損失は3118億円増加する計算となりました。

仲田准教授
「宣言解除までに感染者の数がしっかり減ることが前提なので、感染状況によってはその後の結果は変わる。今回のシミュレーションによって宣言を解除したあとに段階的に経済活動を進めることで、感染者数の増加を大幅に抑えることができることが分かってきた。こうした結果を政策の参考にして欲しい」

神奈川・埼玉・千葉は?

グループでは、緊神奈川県、埼玉県、千葉県の3県でも、緊急事態宣言を解除した場合の感染状況と経済への影響についてシミュレーションを行いました。いずれもワクチンの接種が順調に進み、効果が期待できるという想定など、さまざまな想定を置いた上でのシミュレーションとなっています。

神奈川県ケース1  “80人下回って解除”

神奈川県では、3月の第3週に1日あたりの新規感染者数が80人を下回った状況で宣言が解除されたと想定しました。その結果、新規感染者数は、7月の第3週にピークを迎え、1日341人となりましたが、その後、収束に向かうという計算になりました。

神奈川県ケース2  “気の緩み”想定

ただ、宣言解除後の「気の緩み」を想定すると、新規感染者数は6月の第3週にピークとなり、1日701人と再び緊急事態宣言が出されるような水準まで増え、今後1年間の死者数は1537人という結果になりました。

神奈川県ケース3  “経済活動すぐ再開せず”

一方、宣言解除後も経済活動をすぐには再開せず、2か月かけて去年の秋程度まで戻していくと想定すると、新規感染者の数はピーク時でも252人で、1年間の死者数は1161人でした。また、経済損失は緊急事態宣言が回避できたことですぐに経済を再開する場合に比べて1555億円少なくなるという結果でした。

埼玉県ケース1  “60人下回って解除”

埼玉県は、3月の第3週に1日あたりの新規感染者数が60人を下回った状況で宣言が解除されたと想定しました。その結果、新規感染者数は7月の第4週にピークを迎え、1日357人となりました。

埼玉県ケース2  “気の緩み”想定

「気の緩み」を想定した場合は、感染者数は5月の第3週に1日404人で、緊急事態宣言が出される水準となり、1年間の死者数は1155人という結果になりました。

埼玉県ケース3 “経済活動すぐ再開せず”

経済活動を2か月かけて去年の秋程度まで戻していくと想定すると、ピーク時の新規感染者の数は1日244人で1年間の死者数は1080人、経済損失は緊急事態宣言が回避できたことですぐに経済を再開する場合に比べて1633億円少なくなるという結果でした。

千葉県ケース1 “60人下回って解除”

千葉県では、3月の第3週に1日あたりの新規感染者数が60人を下回った状況で宣言が解除されたと想定しました。その結果、新規感染者数は6月の第2週にピークを迎え、1日368人となり、再び緊急事態宣言が出される水準になったということです。

千葉県ケース2  “気の緩み”想定


宣言解除後の「気の緩み」を想定した場合は感染者数は5月の第1週にピークとなり、1日391人とこちらも再び緊急事態宣言が必要となる水準になりました。1年間の死者数は888人という計算でした。

千葉県ケース3  “経済活動すぐ再開せず”

経済活動を2か月かけて去年の秋程度まで戻していく想定でも7月の第4週には新規感染者数は1日367人、1年間の死者数は878人となったほか、すぐに経済を再開する場合に比べて経済損失は1862億円増える結果となりました。一方、経済活動を戻すまでにさらに1週間長くかけた場合には再び感染が拡大しても緊急事態宣言の水準まで感染者数は増えなかったということです。

仲田准教授
「再度の緊急事態宣言を引き起こさないことが最も重要だ。地域の感染状況を見極めて、中途半端な対応を取らず、必要に応じてしっかりと時間をかけて経済活動を再開していくことが重要だ」

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