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コロナのクラスター起きた高齢者施設 “複数の施設利用”が背景に

  • 2021年2月25日

ことし1月、新型コロナウイルスの感染者の集団=クラスターが発生した群馬県伊勢崎市の高齢者施設では、複数の施設を利用している高齢者が多くいることが、感染拡大の背景にありました。

別のデイサービスの利用者が陽性に

群馬県伊勢崎市にある短期入所の高齢者施設です。

1日あたり平均でおよそ20人が利用しています。

この施設では1月7日、初めての感染が確認されました。最初の1人を含め、利用者6人と職員1人のあわせて7人が感染して、クラスターが発生。うち1人が入院先で亡くなりました。

施設の副管理者
「初めての体験ですし、次から次に、いつ感染者が出るのだろうという状況でした。亡くなった方とご遺族には、通常の人生の終え方ができなかったのは、預かっていた側として本当に申し訳なかったと思います」

クラスターを経験して見えた課題は、複数の施設を利用している高齢者が多くいることでした。

クラスターが発生する1週間ほど前、別のデイサービスを利用していたお年寄りの女性が、ここの施設も利用していました。

デイサービスではその直前に感染した人が出ていましたが、当時は連絡がなく、そのあとにクラスターが発生し、女性も陽性だったとの連絡が入りました。

ただ、その時点ではすでに施設でも1人が発熱していました。
日頃から施設の間では利用者の体調などについて情報をやりとりしていますが、さらに連携を密にすることが必要だと感じたといいます。

施設の副管理者
「市中感染も起きていたので、こまめに他の事業所さんともやりとりしていたつもりなんですけど、私たちが感染を知ったのはその方が私たちの施設を利用されたあとでした。複数利用する方でも、事業所間での連絡調整とか情報のやりとりがもう少し出来ていれば、感染の可能性があれば利用を控えていただくなど調整はできたのではないかと思います」

自主的にPCR検査や抗原検査で対策

クラスターの発生を受け、施設では職員と利用者を対象として自主的にPCR検査を3回ずつ実施し、感染の広がりを抑えるようにしました。

また、デイサービス事業所との間で感染した人の情報をより迅速にやりとりすることを確認しました。

2月からはすべての利用者に抗原検査を行うなどの対策もとったうえで、短期入所の受け入れを再開しました。

施設の副管理者
「検査結果をどう日常の介護で生かしていくか、早めの隔離をするとか、一時退所をしていただくとか、介護しているスタッフがその場面場面での感染対策を確認していかなきゃならないと思います」

群馬県 高齢者施設のクラスター急増で巡回や助言

群馬県では、去年12月から高齢者施設でのクラスターが急増し、2月から施設を巡回し、改めて注意喚起を行っています。

群馬県によりますと、県内の高齢者施設でのクラスターの発生は、去年11月末までは2件でしたが、12月に入ってから急増し、25日までに19件に上っていて、クラスター全体の50件のうち38%を占めています。

感染が確認された高齢者のうち、およそ4割が施設で感染したということで、その後、入院して亡くなる人も出ているということです。

県は宿泊するタイプのすべての高齢者施設に対し、利用者やスタッフの体温や健康状態を毎日報告してもらうシステムを整備していて、発熱の症状がある人が職員で1人以上、利用者で2人以上出た施設には連絡を取って対応を指示してきましたが、クラスターの発生を抑え切れませんでした。

このため2月から、施設を巡回して改めて注意喚起を行ったり、医師や看護師を派遣して対策を助言したりしています。

群馬県の山本知事は2月4日の会見で「施設側に慣れや緩みがあったことが実態の1つとしてあるのかもしれない。今まで以上の細かい対策を実施しないといけない」と話しています。

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