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「地毛証明書」に「頭髪届」 都立高校の4割余りで提出求める

  • 2021年2月25日

「地毛証明書」に「頭髪届」。これ、どんな時に出す書類だかわかりますか?都立高校で髪の毛が黒以外の色やくせ毛の生徒が、地毛であることを証明するために学校に提出するものです。
この届け出、都立高校の4割余りで、対象となる生徒に求めていることがわかりました。東京都教育委員会は「事実誤認による頭髪の指導を防ぐためで、強制ではない」と説明している一方、専門家は「時代にあっておらず生まれつきの容姿の否定は存在自体の否定につながる」と話しています。

保護者署名に押印 証明のための写真提出のケースも

これが都立高校で使用されている届出書です。

「地毛届」に「頭髪届」、「地毛申請書」「地毛証明書」「頭髪地毛届」。名前はいろいろですが、いずれも髪の毛が生まれつき茶色など、黒以外の色やくせ毛の生徒について、保護者の署名、押印とともに、地毛の特徴などを届け出るための書類です。

一部の高校の文書では、「ウェーブがかかっています」とか「栗毛色です」といった項目を選んだり、地毛であることの証明として中学時代や幼少期の写真の提出を求めたりしています。

都立高校177校中79校 届け出求める

こうした届け出について、共産党東京都議会議員団が都教育委員会に情報公開請求した結果、全日制の都立高校177校のうち44.6%にあたる79校が地毛であることを証明する届け出を求めていることがわかりました。また、こうした届け出について、「任意」だと文書で説明しているのは79校のうち5校でした。

実際に届け出た生徒は

実際に届け出をした生徒は、どう感じているのでしょうか。

都立高校に通う1年生の女子生徒は、小学生のころに友人や教員から髪の色について指摘されたことがあったそうです。

女子生徒
「小学校の頃と中学校の頃に周りの子と遊んでいて『髪、ちょっとまわりと違うね、ちょっとだけ明るいね』などと、友だちに言われたことがありました。小学校のころ1回転校したことがあって、その時も先生にも『明るめだね、染めてたりするの?』と言われました」

高校入学にあたり、髪が茶色だったりくせがあったりする場合は届け出るよう求められ、学校とトラブルになることを恐れて書類を出したといいます。

「入学してすぐに目をつけられたくないし、髪を染めていないのに怒られるのも嫌だと思ってとりあえず書類を出しました。指導対象になり進路や就職に影響することを心配しました」

一方で、自分の髪について届け出ないといけない指導や、髪に関するルールを定めた校則全体についても疑問を感じています。

「地毛証明書を出す理由があやふやだし、なくなったら無駄な悩みも減るし、ないのが一番理想です。そもそも自分の髪の色を否定されるような感じになります。納得できる答えをくれないまま『社会に出たときに通用しないよ』と言われても、社会に出たことがないので何も言えなくなります」

都教育委員会は

都教育委員会
「事実誤認による頭髪の指導を防ぐため、生まれつきの髪であることを届け出てもらっているが強制ではない。人権尊重の理念にたった指導が大前提で、生徒や保護者などの意見も聞き毎年、確認方法を見直す必要があると考えている」

専門家は

教育学が専門 関西学院大学 桜井智恵子教授
「外国籍など多様な子どもがいる現実とずいぶんかけ離れている。時代にあっておらず生まれつきの容姿の否定は存在自体の否定につながり、人権侵害にあたるのではないか。子どもたちに意見を述べてもらえるように学校や大人が子どもとやりとりをすることが必要だ」

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