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「急に幅寄せされた」北関東道2人死亡事故で助手席の女性が証言

  • 2021年2月9日

去年12月、群馬県の北関東自動車道で乗用車がガードレールに衝突し女性2人が死亡した事故は当初、単独事故とみられていましたが、助手席に乗っていた女性が「並走していた車に急に幅寄せされた」と証言していることがわかりました。乗用車を運転して亡くなった女性とことしで交際50年だという夫は「このままうやむやで終われば妻はうかばれない」として原因究明を求めています。

当初は単独事故とみられていた

去年12月13日の午前4時前、北関東自動車道の伊勢崎インターチェンジ付近で乗用車が本線と出口に向かう車線の分岐点にあるガードレールに衝突しました。
この事故で乗用車に乗っていた女性4人のうち、運転していた群馬県桐生市の三田昌子さん(当時64)など2人が死亡し、2人が重軽傷を負いました。

詳しい事故の経緯です。

当日、三田昌子さんは友人の女性3人と旅行に行き、富士山近くの仏閣などを回る予定でした。

午前3時半ごろ、群馬県桐生市の三田さんの自宅に集合し、三田さんが運転する乗用車で出発しました。自宅近くの太田薮塚インターチェンジから北関東自動車道に入り、高崎方面に向けて走っていました

そして午前3時50分ごろ、およそ5キロ走った伊勢崎インターチェンジ付近で本線と出口に向かう車線との分岐点にあるガードレールに衝突しました。
車のフロント部分はバンパーが外れ、ボンネットやエンジンも原形をとどめていないほど激しく壊れていました。

この事故で三田さんと助手席の後ろに座っていた50代の女性が全身を強く打つなどして死亡したほか、運転席の後ろに乗っていた女性と、助手席に乗っていた女性が重軽傷を負いました。

現場は片側2車線の見通しのいい直線道路です。

捜査関係者によりますと、現場にブレーキの跡がなく、車体にほかの車と接触した傷も見つからなかったため、当初、単独事故とみられていたということです。また、三田さんの車にはドライブレコーダーがついておらず、事故現場にカメラも設置されていないということです。

事故に遭う前の三田さんの車

女性が証言「クリーム色に緑のラインが入った車が急に幅寄せ」

「女性の証言をもとにした事故の再現CG」


当初、単独事故とみられていましたが、助手席に乗っていて軽いけがをした女性が「並走していた車に急に幅寄せされた」と証言していることが遺族などへの取材でわかりました。

女性の証言は、乗用車を運転していて亡くなった三田さんの夫の静雄さんなどが女性の許可を得て録音しました。

女性は当日の状況について、「午前3時半に三田さんのお宅で待ち合わせをして皆がそろったところでじゃあ行くよと出かけました。高速には太田薮塚インターから乗ってすぐだったのでそんなにスピードは出ていませんでした。彼女(三田さん)は運転上手ですから走行車線をバーって行っちゃうんですけど、あの日はゆっくりで、走行車線をゆっくり走っていたんです。トラックに何台か追い越されましたが、車はそんなに走っていませんでした」などと説明しました。

そして、事故直前の状況については、「私たちの車は走行車線を走っていたんですが白っぽい、クリーム色に緑のラインが入ったバンではないけど、乗用車じゃない感じの車がほとんど並行するような形で少し前を走っていました。そしたら急に中に入ってきてみんなが『危ない』とか『おいおいおい』って言っているうちにどんどん走行車線に入って来てその瞬間にぶつかる感じでした。 そのときはよけるとか、ブレーキを踏むとか、そんな感じではなかった。一瞬のことで気がついたときには分岐にある大きな丸いものに衝突していました」などと証言しました。

交際50年の妻と突然の別れ 夫「このままでは妻は浮かばれない」

亡くなった三田昌子さん(当時64)と夫の静雄さん(65)は、夫婦で縫製業を営んでいて、4年前からは2人で暮らしていました。3人の子どもに5人の孫がいて毎月、会いに行き、成長を見守りながら一緒に遊ぶのが楽しみだったといいます。

夫の静雄さんによりますと、社交的で明るい性格だった昌子さんは友人たちとの旅行も楽しみの1つで、最近も伊勢神宮や伊豆などに自ら運転して行ったということです。

昌子さんが50年間大切にしていたものがあります。中学3年の時、15歳の誕生日に交際していた同級生の静雄さんからプレゼントされたオルゴールです。交際を始めてからことしで50年で、1月30日の昌子さんの誕生日を夫婦で祝うのを心待ちにしていました。

15歳の誕生日に静雄さんがプレゼントした

静雄さん
「15歳からずっといっしょで最近は何も言わなくても通じるみたいなことがある。いっしょに苦労もしてきたし、夫婦であり同志です」

しかし、別れは突然でした。

事故からおよそ5時間後の午前9時ごろ、静雄さんがいつものように自宅で飼い犬の世話をしていると長男から昌子さんが事故にあったと連絡が入り、すぐに病院に向かいましたが、帰らぬ人となっていました。

静雄さん
「まさかというのが正直な気持ちでした」

静雄さんは助手席に乗っていた女性から「並走していた車に急に幅寄せされた」と聞いて、妻を供養するためにも事故を起こした原因を究明する必要があると考えるようになったといいます。

静雄さん
「妻は運転が好きで1日に300キロでも500キロでも平気で運転していた。夜の高速道路でもよく運転していたので、『なんで』というのが一番だった。このままうやむやで終われば妻はうかばれない」

そして去年12月20日に「刑事責任を念頭にした捜査をお願いし、このような事故が2度と起きないことを望みます」と事故の原因究明を求める上申書を警察に提出しました。
警察はあおり運転も視野に現場付近を走行していた車の特定など捜査を進めています。

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