新型コロナウイルスの感染が確認されたあと、自宅で療養する人が急増しています。もし、自分や家族が新型コロナウイルスに感染し、入院や宿泊施設での療養ではなく、自宅療養となった場合は、どうすればいいのでしょうか?東京都は、療養者や同居する人が気をつけるべきポイントをまとめたハンドブックを作成し、配付を始めました。
都が、1月21日に公開したハンドブックの中では、自宅で療養する際に同居している人や、周囲の人に感染を広げないための8つのポイントが、イラストなどを使ってわかりやすくまとめられています。
●8つのポイント
・部屋を分ける
・感染者の世話をする人はできるだけ限られた人にする
・感染者と世話をする人はお互いにマスクをする
・感染者と世話をする人は、こまめに手を洗う
・日中はできるだけ換気する
・手のよく触れる共用部分を掃除・消毒する
・汚れたリネン、衣服を洗濯する
・ゴミは密閉して捨てる
この中では、ポイントごとに、具体的な手順や注意点を示しています。
まず、感染者が出た場合です。同居の人は部屋を分けて過ごすことや、住宅事情から部屋を分けることができない場合は、少なくとも2メートル以上の距離をあけ、仕切りやカーテンでエリアを区切って過ごすよう記されています。
さらに感染者がよく触れる部分を、スプレーや噴霧ではなく拭き取りでよく掃除・消毒することも求めています。1日1~2回、ドアノブなどを100倍希釈した家庭用洗剤で拭き掃除するほか、トイレや浴室は使用の都度、 住居用洗剤で拭き掃除することなどを呼びかけています。
洗濯の注意点では、感染者のおう吐などで汚れた衣類やシーツは80度の熱湯が入ったバケツに10分以上入れて消毒してから、通常の洗濯を行うことなどが紹介されています。
また、感染者の体を拭いたり、体液に触れたりする可能性があるときには、使い捨てのエプロンなどを使い、用意できない場合は大きめのごみ袋で代用してもよいことなどが記されています。
このハンドブックは、自宅療養する希望者に対し、都が無料で発送している食料品のセットの中に同封されているほか、都のホームページでも公開し、広く活用を呼びかけているということです。
ハンドブックの作成に関わった国際医療福祉大学の松本哲哉教授
「自宅療養に必要なものは薬局などで簡単に手に入るものばかりです。感染していない人もハンドブックに目を通してもらい、どういう対応をすればいいか、少し考えておくだけでも、万が一の際に落ち着いて対応ができると思います」
東京都内で、新型コロナウイルスの感染が確認されたあと自宅で療養している人は、今月18日に最多の9442人となったあと、やや減少傾向にあるものの、25日時点で8063人と、1か月前の4倍近くになっています。
12月25日 2143人
12月31日 3000人を超える
1月 7日 5000人を超える
1月10日 7000人を超える
1月17日 9000人を超える
1月18日 9442人(過去最多)
その後 8000人台で推移
1月25日 8063人 → 1か月前の3.8倍に
都は「依然として多い数だ。自宅療養中に死亡するケースもあり、自宅療養者を減らしていく必要がある」と話しています。