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コロナ 自宅療養中に症状悪化で死亡 注意点は

  • 2021年1月14日

新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫するなか、感染が確認された当初は入院の必要がないと判断され自宅で療養していて、急に症状が悪化して死亡する人が相次いでいます。どのような状況だったのでしょうか。また、症状の悪化をいち早くつかもうという取り組みも始まっています。

自宅療養中の死亡 4都県で7人

NHKが関東の1都6県の自治体に取材したところ、自宅療養中に死亡した人が12月以降、東京都で3人、栃木県で2人、神奈川県と群馬県で1人と4の都県で7人にのぼっていることがわかりました。

それぞれの状況です。

東京都では3人が死亡

東京都によりますと、これまでに都内で新型コロナウイルスの感染が確認されて、自宅療養中に容体が悪化して死亡したのは80代の男性と50代の女性、それに60代の男性のあわせて3人です。

《① 80代の男性》
糖尿病の基礎疾患があり、今月7日にせきの症状があり、医療機関で検査を受けたところ陽性と判明しました。東京都の基準では70歳以上の患者は原則、入院することになっていますが、保健所は医療機関で病床の確保が難しくなるなか、男性の症状が比較的軽かったとして、当初は自宅療養で対応しました。
しかし、翌日の8日の朝になって37度台の熱が出て症状が悪化したと同居する家族から連絡が入ったため、保健所と都の「入院調整本部」が連絡を取り合って調整しましたが、受け入れ可能な医療機関は見つかりませんでした。
こうした状況について保健所が家族に説明したところ、男性の症状が朝に比べて改善していたため、自宅療養で様子を見ることにしたということです。
9日と10日は入院の調整は行わず自宅療養していましたが、今月11日の朝、男性が意識がもうろうとして症状が悪化していると家族から都に連絡が入り、救急搬送しましたが死亡したということです。

《② 50代の女性》
発熱やのどの痛みなどの症状があり、今月6日に検査で陽性と判明しました。女性には高血圧の基礎疾患がありますが、薬を飲むことで安定するとして保健所が都の基準に基づいて「入院させる緊急性が低い」と判断し、自宅療養となりました。しかし、翌7日の朝に女性は倒れ、救急搬送されましたが死亡しました。

《③ 60代の男性》
発熱やせきなどの症状があり、12月19日に検査で陽性と判明し、基礎疾患がないことから自宅療養となりました。保健所が定期的に健康観察を行い、28日には熱が下がって快方に向かっていたということです。しかし、翌29日に自宅で倒れているのを訪れた家族が発見し、救急搬送しましたが、死亡しました。保健所は、男性が死亡した翌日の30日に連絡をとって症状がなければ自宅療養を解除する予定だったということです。

栃木県では2人死亡

栃木県では1月、自宅療養中に容体が悪化した2人が死亡しています。
2人はいずれも当初は軽症や無症状で、医師が入院の必要はないと判断した上で、自宅療養を行っていたということです。保健所の職員が毎日行っていた健康観察では異常はなく、容体の急変後に病院に運ばれたあと、亡くなっているということで、県は対応に問題はなかったとしています。

神奈川県では1人死亡

神奈川県では、自宅で療養していた横浜市内の60代の男性が、今月6日に死亡しています。
ひとり暮らしのこの男性は、今月3日に感染が確認され、高齢で肺炎の症状もあったことから入院の対象でしたが、横浜市の保健所は体調もよく本人の希望もあったことなどから自宅療養としていました。
男性は血液中の酸素濃度の値が低くなっていましたが、県の健康管理の担当者は、本人が息苦しさなどの症状を訴えず会話もできていたことなどから、正確に測定できていない可能性があるとして経過観察とし医師の診察などは行われませんでした。

これについて黒岩知事は、「対応に問題があった」として検証するとしています。

群馬県では1人死亡

群馬県では自宅で健康観察中に容体が悪化した1人が12月、死亡しています。
死亡したのは、県内に住む年代と性別は非公表の高齢者で、先月、濃厚接触者として検査を行って陽性が判明しましたが、保健所は軽症だったことなどから、入院や宿泊施設での療養の対象にせず自宅で健康観察をしていました。
保健所は先月24日に電話で連絡した際、容体が安定していることを確認していましたが、翌日の25日に症状が悪化したという連絡が保健所にあり、病院に運ばれましたがその日に亡くなったということです。

自宅療養 東京都は8414人

東京都内では、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養している人が増え続け、13日時点で8000人を超えています。

11月 1日   215人
12月 1日   998人
12月13日  1208人
 1月 1日  3278人
 1月12日  8000人超える
 1月13日  8414人

自宅で療養している人は日によって増えたり減ったりしますが、1か月前の先月13日と比べるとおよそ7倍に増加しました。

入院かホテル・自宅療養か調整中の人 東京都は6546人

11月 1日   273人
12月 1日   577人
12月13日  1024人
 1月 1日  2447人
 1月13日  6546人

1か月前の12月13日と比べると6倍あまりに増えています。

神奈川県 自宅療養4708人 入院待ち71人

神奈川県によりますと、13日の時点で4708人が自宅で療養しています。
12日の時点で、自宅などで医療機関への入院待ちをしている人が71人いるということです。

自宅療養の際の注意点は

都内で新型コロナウイルスに感染し自宅で療養していた男性が入院先が見つからず症状が悪化して死亡したことについて、感染症学が専門の国際医療福祉大学の松本哲哉教授は深刻な医療体制のひっ迫状況を指摘しました。

「本来であればもう少し早めに入院の判断ができるところが、医療体制がひっ迫しているため我慢して自宅にいてもらうという状況だ。病院はすでにいっぱいの状態で新しい患者を受け入れようと思ってもベッドの空きがなくて入院させられず、簡単にベッドを増やせる状況にもない。医療現場は確実にステージが変わっている」

自宅療養の際の注意点を聞きました。

・感染した人のなかには自分の症状の悪化を自覚しにくい人がいる。自覚症状がでたときには非常に症状が進んでいる
・同居する人がいる場合は感染への対策をとりながら、肩で息をして呼吸が苦しそうではないかや顔色が悪くなっていないかなど自宅で療養している人の様子を観察する
・『パルスオキシメーター』という血液中の酸素濃度を測る機器を使用し、定期的に自分の状況を数値化して把握する

江戸川区は酸素濃度測る医療機器貸し出し

自宅で療養する人の症状の悪化をいち早くつかもうと、東京・江戸川区は、自宅で療養する人に血液中の酸素濃度を測る医療機器を貸し出す取り組みを進めています。

東京・江戸川区では自宅で療養をしている人は、14日時点で入院を調整している人を含めて704人にのぼっています。
区は、自宅で療養する人の症状の悪化にいち早く気づけるように「パルスオキシメーター」という血液中の酸素濃度や脈拍数を測定できる医療機器の貸し出しを進めています。

区はこの機器を270個購入し高齢者や基礎疾患のある人などに優先的に貸し出していて、1日1回、この機器で計測した酸素濃度の数値を電話で聞き取っています。そして、数値が悪化している場合などは体温やせきなどの自覚症状とあわせて判断した上で、入院への優先度を決めることにしているということです。

江戸川区保健所健康部の菊池佳子副参事
「客観的な数値が出ると療養する人も安心感がある、私たちも対面しているわけではないので判断を裏付ける材料になっている」

区は、今月中にもこの機器をおよそ1000個確保し、自宅で療養する人全員にこの機器を貸し出したいとしています。

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