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コロナ病棟 限界の医療現場に立つ看護師の声

  • 2020年12月23日

新型コロナウイルスの感染拡大により、医療がひっ迫しています。心身ともに負担が増す中、現場では、対応を続ける看護師たちの姿もあります。幼い子ども、おなかの中の命、大事な存在がありながらも、命を守るために日々奮闘していました。その一方で、カメラの前で顔を出さずに話さざるを得ない状況も。年末年始を前に、それぞれの看護師がどんな思いで医療を支えているのか。都内の総合病院で聞きました。

感染拡大 対応に追われる看護師

取材したのは、東京・港区の東京都済生会中央病院です。新型コロナ専用の病棟はおよそ20床。ことし9月、患者は12人でしたが、“第3波”とされる感染拡大で、11月には22人に増加しています。
特に、手厚いケアが必要な基礎疾患がある高齢の患者への対応に追われていて、取材に訪れたこの日、糖尿病を患い透析の治療を受けているコロナの患者の対応に、看護師が4時間近くついていました。

限られた人員「感染してはいけない」という緊張感

勤務時間外に30代の看護師に話を聞くと、限られた人員で対応にあたっているため、「自分が感染してはいけない」という緊張感の中で働いている精神的な負担を明かしてくれました。

30代の看護師
「もしコロナに感染してしまうと、看護師に欠員が出て、どこかに応援を依頼しないといけない。ギリギリの状態でやっているので、最終的には、患者さんの受け入れを制限せざるをえないというところになってきてしまう。コロナにはなれないな、なっちゃいけないな という、今までと違う緊張感や疲労感が常にあります」

使命感と責任感 妊娠中も現場に

妊娠がわかったあとも現場に立ち続ける看護師もいます。現在、妊娠8か月の20代の看護師は、一般病棟の担当に変わることも打診されましたが、家族と話し合った上で、今も対応にあたっていました。

妊娠中の20代の看護師
「妊娠が分かったときは、このままコロナの病棟で働いていくことについて、どうしようかと悩みました。看護師として何ができるかと考えた時に、どこにいても看護することは変わらない、その使命感と責任感でやっていました」

防護服を着て、N95マスクをつけて、アイシールドをつけて、完全防備しながらの看護で、気持ちが悪くなったこともあるなど、妊娠中の業務の大変さについても語ってくれました。

「この子に何もなくここまで来られたのは、職場のみんなが助けてくれたから」と語ったこの看護師は、1月には出産のため病棟を離れるということです。

子どもにも我慢を強いてしまって…看護師の母

現場には子育て中の母親の姿もありました。5歳と3歳の2人の子どもを育てている30代の看護師。コロナ病棟で患者の対応にあたっています。家族への感染の不安を抱えながら、患者のケアや病室の消毒を担っています。

子育て中の30代の看護師
「自分にも感染のリスクはありますし、それを家族や大切な人にうつしてしまう可能性もあります。それで精神的にもきついなと思う部分はあります。小さな子どもにうつさないように、手洗いや消毒など、しっかり行っています」

感染の拡大により、母親として子どもたちを遊ばせる時も、遠方への外出を控え、大勢が集まる公園には遊びに行かないなど、子どもたちにも我慢を強いていると苦しい胸の内を明かしてくれました。

「『コロナウイルスが落ち着いたらどこか遊園地にいこうね』などと言っていましたが、最近はそれすら言わなくなってしまいました。子どもたちにも、すごく我慢させてしまっていると感じていて、先が見えないことに対して申し訳ないなと思っています。でも『お仕事がんばってきてね』って送り出してくれるので、それが一番、力になります」

医療従事者への差別 帰省はできない…

40代の看護師は、新型コロナ病棟では働いていませんが、感染拡大後、看護師が帰省先で差別を受けたという話を聞き、実家に一度も帰っていないということです。

40代看護師
「法事で帰ってきて石を投げられちゃったんだよって聞きました。親に負担かけるんだったらやめようかなって思い、今は帰省していないです。医療関係者だということを隠す現状ってどうなのだろうと…頑張ろうねと言うしかない」

この看護師は、医療従事者が こういう形でしか扱われないことが悔しいと、言葉を詰まらせながら話してくれました。

看護師をどう支えるか 病院の取り組みは

この病院では年末年始も看護師のほとんどがまとまった休みを取らずに勤務するということです。さらに、看護師ひとりひとりには、精神的な負担がのしかかっています。病院では、院内の精神科医らが支援チームを作り、看護師の心のケアにあたっています。

東京都済生会中央病院 樋口幸子看護部長
「なんとかギリギリのところで、がんばってくれているのだろうなと思っています。言わないけれども心は折れる寸前ではないかと思います。仕事とプライベートが、常に仕事とという状況を、早く解決、緩和してあげないといけないと常に考えてます」

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