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コロナのクラスター起きた屋形船の挑戦 「半個室」に換気の実験も

  • 2020年12月17日

お台場や隅田川など東京の名所を周遊する屋形船では、まだ今のように感染が広がっていなかったことし1月、新年会として利用していた客や船の従業員に新型コロナウイルスの感染が広がりました。
“第3波”で苦境が続く中、屋形船を改装して「半個室」を設けたり、客に安心してもらうために換気の実験を行ったりするなど、新たなチャレンジをしています。

新年会でクラスターが

東京・品川区の「船清」が運営する屋形船で、ことし1月、個人タクシーの組合支部に所属する運転手や、家族や友人など、およそ70人が参加する新年会が開かれました。

屋形船には長さが2メートルほどのテーブルが12卓、並べられ、それぞれに6人ほどが座り、食事やカラオケを楽しんでいたということです。
新年会は2時間あまり開かれ、この日は雨が降って寒かったこともあり、窓はほとんど閉められていたということです。

その後、しばらくして参加していた客の中に発熱などを訴える人が出て、最終的に、利用客や船の従業員、合わせて10人あまりの感染が確認されました。

脅迫状や中傷の電話も

休業を余儀なくされた船会社にさらに追い打ちをかけたのが心ない非難の声でした。
脅迫状が届いたりひぼう中傷の電話がかかってきたりしたということです。

船会社のおかみ 伊東陽子さん
「初めて大きな団体でクラスターが起きたと言われ、本当にびっくりしました。頭の中も真っ白になるし、どうしようという状態でした。当時はまだ今のような感染対策も言われていない時期でしたし、誰が悪いということではなく、残念な気持ちでした」

再開したものの“第3波”で再び苦境に

感染が確認されてからおよそ3か月半ぶりの5月下旬、屋形船は感染対策を行って営業を再開しました。

換気や消毒を徹底するとともに、船内の客席を半分ほどに減らし、テーブルには間仕切りを立てて客同士が向き合わないようにしたほか、空気清浄機を設置しました。

しかし、利用客は以前の1割にも満たないほか、“第3波”の感染拡大で、再び予約のキャンセルが相次いでいるということです。

去年は、週末になると7艘ある屋形船に300人以上を乗せることもありましたが、今は1艘も出せない日もあるということです。

新チャレンジ「半個室」で少人数利用も可能に

逆境の中ですが、12月から新たなチャレンジを始めました。

これまでは船内全体にテーブルを並べ、宴会場のようにしていました。

しかし今回、屋形船そのものを改装し、船内を9つの「半個室」に仕分けて、2人から5人という少人数でも利用できるようにしました。

これまでは団体客の宴会などに多く利用されてきましたが、「半個室」にすることで、家族連れやカップルにも利用してもらおうというねらいです。

6つの換気扇のほか、どの部屋にも好きなときに自分で開け閉めできる窓が備え付けられています。
料理もみんなで食べる盛り合わせはなく、1人1人、個別に提供するスタイルに変更しました。

何分で換気ができるか実験してみたら

さらに、換気についても、船内にスモークを充満させて換気扇を回したとき、何分で空気の入れ替えができるか計測したところ、3分から5分ほどで換気できることがわかったということです。

換気の実験の様子 3分~5分で換気ができた
 

今後、こうした実験映像を会社のホームページで公開し、利用客に安心してもらおうと考えています。

船会社のおかみ 伊東陽子さん
「感染拡大が続くと、どうしても隣の人が気になる。個室を作れば安心して利用できるかとチャレンジしてみました。人数も今までの半分しか乗って頂けませんが、私たちも考え方を変えなければいけない。屋形船という日本の風情あるものを残したいですし、従業員も守りたい。何かいい方法があるのではないかと、みんなで模索しながらなんとか乗り越えていきたい」

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