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座間9人殺害事件 被告に死刑判決【被告の証言含め詳しく】

  • 2020年12月15日

神奈川県座間市のアパートで若い女性など9人の遺体が見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた白石隆浩被告に対し、東京地方裁判所立川支部は検察の求刑どおり死刑を言い渡しました。裁判所がどのような判断をしたのか、被告は裁判でどのような証言をしたのかまとめました。

事件の概要と裁判の争点

2017年10月、神奈川県座間市のアパートで、男女9人の遺体が見つかった事件では、白石隆浩 被告(30)がSNSで誘い出して性的暴行をしたうえ殺害し、現金を奪ったなどとして強盗殺人などの罪に問われました。

東京地方裁判所立川支部でことし9月から23回にわたって開かれた裁判員裁判では、被害者が殺害されることを承諾していたかどうかが主な争点となり、検察が「いずれの被害者も抵抗するなど殺害を承諾していなかった」として死刑を求刑したのに対し、被告の弁護士は「被害者たちはみずから死を望み被告に会いに行ったもので、殺害を承諾していた」として死刑を回避するよう求めていました。

一方、被告は裁判で「金銭や乱暴目的で9人を殺害した。承諾はなかった」などと述べました。

※被告の裁判での詳細な証言は記事の後半にあります。

主文は後回しに

裁判は午後2時2分ごろに開廷しました。東京地方裁判所立川支部の矢野直邦裁判長は、冒頭で結論にあたる主文を述べず、判決の理由を先に読み上げました。

殺害の承諾の有無

裁判長は「被害者は予告や前触れもなくいきなり襲われた。いずれの被害者も殺害されることについて承諾はしていなかった」と述べました。

被告の供述の信用性

裁判長は「弁護人は、被告はあきらめの気持ちから真実を述べていないのではないかと主張するが、性的な目的の犯行などがいずれ明らかになると考え観念したなどとする被告の供述は十分納得でき、信用できると判断した」と指摘しました。

被告の刑事責任能力

裁判長は「殺害などの準備をした上で犯行に及び、証拠の隠滅を図るなど一貫した行動をとっていて、精神障害は認められない」などと述べ、弁護側の主張を退け、完全責任能力があると認定しました。

量刑の理由

裁判長は「9人もの若く尊い命が奪われた被害結果はきわめて重大で、死者としての尊厳も踏みにじられた。被告は、SNSで悩みを抱え精神的に弱っていそうな女性を狙い言葉巧みにだましたうえで 突然襲いかかり殺害している」

「いずれも計画性が認めれ犯行の手口は狡猾、巧妙で、卑劣というほかなく犯罪史上まれに見る悪質な犯行だ。SNSの利用が当たり前となっている社会に大きな衝撃や不安感を与えた」と指摘し、検察の求刑どおり死刑を言い渡しました。

被告の様子は

白石被告は黒縁のめがねに白いマスクをつけ、緑色の長袖を着ていました。証言台の前に座り、裁判長のほうをじっと見たまま判決理由の説明を聞いていました。

死刑の主文が言い渡されたとき被告は証言台の前に立ってじっと聞いていました。そして裁判長が「聞こえましたか」と尋ねると被告は「はい、わかりました」と述べました。

裁判は午後3時22分ごろに閉廷しました。

裁判での被告の証言

裁判で白石被告は事件を起こした動機や詳しいいきさつについて淡々と証言しました。

■「被害者に承諾はなかった」と弁護士と異なる主張をした理由
「『自分の親族に迷惑がかかるので起訴内容を認めて早く裁判を終わらせたい』と話したら、当初は同意していたのに争点を整理する段階で『弁護士として争う』と主張し、私の希望は受け入れられなかった。裏切られたことを根に持っている」

■起訴内容を認めた理由
「黙秘したり承諾殺人で通らないかを考えたりしたが、ことの大きさを感じ、あきらめて白状することにした」

■動機や背景
「同居していた父親と折り合いが悪く、家を出て女性に養ってもらったり、金を引っ張ろうと考えた。風俗店で働く女性をスカウトする仕事の経験から悩みを抱えた女性は口説きやすいと思い、ツイッターで『疲れた』『死にたい』などとつぶやく女性を狙ってアクションを起こした」

「会うことができれば女性の容姿を褒めたり悩みを深掘りして信頼を得るとともにお金になりそうか見極めた。お金にならなそうであれば性的暴行をして、通報されるのを防ぐため殺害した」

■裁判官から「殺害までする必要があったのか」と質問されて
「1人目の被害者の女性から借りていたお金の返済を求められると、断った際に恐喝になる恐れがあり、執行猶予中だったので実刑になると思った。殺害してもばれなければいいと思った」

「2人目以降の女性については、性的暴行をして生きて返せば通報されるので殺害した」

■事件を後悔しているか
「結果として捕まってしまい失敗したと後悔している。捕まっていなければ、後悔はしていない」

■被害者への謝罪について
「一部の被害者に謝罪をしたいと思っています。おとなしく罪を認めて罰を受けます。本当に申し訳ありません」

一方で、
「一部の被害者には本当に後悔しているが、一部の被害者には深い後悔を持つことができていません」と述べました。その違いについては、「過ごした時間の長さや家庭環境、そしてその人によって逮捕につながったことだと思います」などと説明しました。

■判決について
「極刑だと思う。親族に迷惑をかけたくないから控訴はせずおとなしく罪を認め、罰を受けるつもりです」

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