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新型コロナ 都内「通常医療と両立困難」 専門家が3つのひっ迫を指摘

~12月10日 都のモニタリング会議~
  • 2020年12月11日

「通常医療との両立が困難な状況となっている。医療提供体制がひっ迫し始めている」都内の新型コロナウイルスの感染状況などを分析・評価する「モニタリング会議」で専門家は強い危機感を示しました。専門家が指摘する3つの「ひっ迫」と分析の詳細です。

感染状況の警戒レベル

※最も高いレベルを継続

「高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすことや、深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための感染拡大防止策が必要だ」

医療体制の警戒レベル

※上から2番目を継続

「通常医療との両立が困難な状況となっている。医療提供体制がひっ迫し始めている。新規陽性者と重症患者の増加を防ぐことが最も重要だ」

3つの「ひっ迫」

12月10日のモニタリング会議で都内の医療提供体制を分析・評価した東京都医師会の猪口正孝副会長は、3つの「ひっ迫」があると説明しました。

「病床全体のひっ迫」

医療機関は通常の医療を行っている病床を新型コロナウイルスの患者用に転用していて、入院患者の急増で通常の医療との両立が困難な状況だとしています。

「重症患者用の病床のひっ迫」

人工呼吸器を装着している患者が複数入院している医療機関の負担が増しているとしています。重症患者は新規陽性者の増加から少し遅れて増えてくることなどを踏まえて、病床の確保を進める必要があるとしています。

「入院の調整のひっ迫」

保健所から都に対して入院の調整が依頼される件数は新規陽性者の急増に伴い高い水準で推移し、翌日以降の調整に繰り越す例が連日、多数発生しているとしています。
また、緊急性の高い新型コロナウイルスの重症患者のほか、認知症や透析患者、精神疾患がある患者などの手続きが難航しているとしています。

猪口副会長(医療提供体制の警戒レベルについて)
「上から2番目を維持したが、非常に苦しい状況だ。たくさんの『ひっ迫』があるがこれは『ひっ迫し始めている』という状態で、完全にマヒしているわけではない。いかにここで食い止めるかだ」

新たな感染確認(12月9日までの7日間)

424.6人
(その前の1週間比 -19人)

専門家
「依然として高い数値の状態が続いている。規模は小さいもののクラスターが頻発し感染拡大が続いている。通常の医療が圧迫される深刻な状況となりつつある」

1週間で確認された新規陽性者(~12月7日)

2917人
(このうち23.2%が無症状)

新規陽性者 65歳以上

全体に占める割合
16%(その前の1週間比 +0.2ポイント)

患者数
468人(その前の1週間比 +22人)

専門家
「重症化のリスクのある65歳以上の高齢者が高い水準で推移している。家庭、施設をはじめ高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすとともに、基本的な感染防止策を徹底する必要がある。家族が軽症や無症状であっても高齢者にうつすリスクがあることに留意してほしい」

新規陽性者 感染経路の内訳(判明分)

▼家庭内:45.2%
感染経路別では19週連続で最多
▼施設内(病院・高齢者施設など):19.9%
▼職場内:10.3%
▼会食:6.1%
▼夜間営業する接待を伴う飲食店:2.5%

専門家
「日常生活の中で感染するリスクが高まっており深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための感染防止策が必要である。
院内感染が拡大するとその医療機関の体制が低下するだけでなく、もともと病気で入院している人が感染することで重症患者や死亡者が増え、都内の医療機能や連携システムに影響が生じる。
例えば、地域の基幹となる救命救急センターで院内感染が発生して救急患者の受け入れが停止すると、周辺の救急病院への負担が増し通常の医療を制限せざるを得なくなって病床の確保がいっそう厳しくなるという連鎖が起きてしまう」

感染経路不明(12月9日までの7日間平均)

232.1人(前週比 -17人)

※感染のひろがりを反映する指標

入院患者

1820人(12月9日時点)
1週間前に比べ191人増加

専門家

「入院患者が1800人を超える非常に高い水準まで増加しており、医療提供体制、ベッド数がひっ迫し始めている。受け入れ可能な病床数が少ない状況が続き、緊急性の高い重症患者、認知症、透析患者や精神疾患を持つ患者の入院、高齢者施設からの転院に加え中等症以上の新規入院患者の入院調整が難航している」

自宅・宿泊施設での療養

自宅    1073人
宿泊施設など 804人(12月9日時点)

専門家
「自宅療養者の増加に伴って健康観察を行う保健所の負担が増加していることを踏まえた年末年始の療養体制の確保が急務である」

重症患者

59人(12月9日時点・都の基準による)
1週間前と同じ

専門家
「基礎疾患のある人、肥満、喫煙歴のある人は若い人であっても重症化リスクが高いことを普及啓発する必要がある。例年、冬は脳卒中や心筋梗塞などの入院患者が増える時期であり年末年始に休日対応となる医療機関で重症患者のための病床の確保との両立がよりいっそう困難になることが予想される」

 

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