東京湾岸開発最前線 新型コロナでどうなる?

  • 2020年7月17日

“開業ラッシュ”に沸くはずが、一転…。大規模な開発計画が各地で進む東京。特に大きな影響を受けているのが、オリンピック・パラリンピックと関わりの深い東京湾岸エリアです。様々な施設で大幅な計画の見直しを迫られています。

マンション入居延期で「人生設計どうしたら…」

有明アリーナ、有明体操競技場など、オリンピックの関連施設が集まる東京・湾岸エリア。

オリンピックの選手村として新たに建設された建物は、大会後、23棟5600戸のマンションとして整備されます。

このマンションを契約した30代の男性は、妻と2人の子どもとともに3年後の入居を心待ちにしていたといいます。しかし先月、男性のもとに不動産会社から手紙が届きました。内容は『大会の延期に伴い、マンションの引き渡しが1年程度遅れる』というものでした。

選手村のマンションを契約した男性
「心の整理がつかないというか、戸惑いましたね。いつごろ引き渡し日が決まるのかまだ見えないので、何とも言えないです」

延期の影響は、家族の生活にもおよんでいます。
マンションから歩いて3分の場所にある、選手村の食堂です。

大会後は、この食堂の場所に小学校と中学校が建設される予定ですが、その完成も1年先送りになる見込みです。男性の長女は引っ越しと同時に、この小学校で入学式を迎えるはずでした。

選手村のマンションを契約した男性
「いま住んでいるところで長女を小学校に入学させると、慣れて1年ですぐ転校させなきゃいけない。いろいろ分かる年になっているので、ちょっとかわいそうかなと思います」

マンションの契約をキャンセルすべきかどうか、男性は決めかねています。

湾岸開発の“シンボル” クルーズターミナルは今

東京都が390億円をかけ整備した、東京国際クルーズターミナル。世界最大級、5000人規模の超大型客船が停泊できる都内唯一の拠点として、オリンピック・パラリンピックに合わせて開業する予定でした。

しかし、開業まで半年を切ったことし2月。思いもよらぬニュースが飛び込んできました。豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での、新型コロナウイルスの集団感染です。
感染の拡大で、オリンピックも延期に。開業予定の見直しを余儀なくされました。

東京都港湾局港湾経営部 福元香苗さん
「残念なタイミングではありますけど、今は正直、客船を運航できる状況ではないということは実感しています」

新たな開業の目標は、秋。湾岸エリアのホテルや商業施設も交え、戦略の立て直しに動き始めています。

東京臨海副都心まちづくり協議会事務局長 徳竹友子さん
「街の底力の見せどころかなと思うので、みなさん協力し合いながら、東京都と一緒にやっていきたいなと思っています」

「“インバウンドありき”ではない活用法を」

戦略の大幅な変更を余儀なくされている湾岸エリアの開発計画。
都市政策が専門の明治大学 野澤 千絵教授は、インバウンド需要を前提に作ってきた商業施設やホテル、コンベンションホールなど多くの施設を、今の状況にあわせ柔軟に使いこなせるかが大事だと指摘します。

明治大学 野澤 千絵 教授
「新型コロナの影響をネガティブに捉えるだけではなく、これまでニーズがあったけどできなかったことを実験的に行い、ウィズコロナ、アフターコロナの時代につなげていくチャンスだと思います。
例えば、国土交通省では緊急措置としてテイクアウトとかテラス営業などのための道路占有許可基準を緩和しています。公共空間の使い方を工夫して、街の魅力を上げていく。クルーズターミナルも公共施設なので、あの広い空間を創意工夫で使いこなそうという方向に、都市政策の流れを変えていけばと思っています。」

(首都圏情報ネタドリ! 7月10日放送)

ネタドリ! これまでの番組内容をテキストで

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