書家・金澤翔子 感性磨いた母との歩み

  • 2020年7月6日

ダウン症の書家・金澤翔子(かなざわ しょうこ)さん。大胆な筆使いから生み出される、躍動感あふれる翔子さんの書は、世界から高い評価を受けています。その才能は、母と2人で時間をかけて開花させてきたものでした。

世界が評価 大胆で生命力にあふれた書

書家・金澤 翔子さん。ことし2月、銀座で開いた個展で書を披露しました。大きな紙に全身を使って書いていきます。躍動感のある大胆な書。翔子さんの持ち味です。

代表作、「共に生きる」。翔子さんの最も好きなことばです。

金沢 翔子さん
「みんなの元気とか、夢を見てほしいなと思います」

翔子さんの作品は国内だけでなく、海外でも高く評価され、ニューヨークなどでも個展を開いてきました。

見て、体験して、体で覚える

翔子さんの書の先生は、母親の泰子さんです。翔子さんが初めて筆を持ったのは、5歳のとき。指導されなくとも、正しい持ち方が出来ていたといいます。

母・金澤 泰子さん
「彼女たちの力は “見る力”。言葉が出ない分、だからすごく見ているし、ためちゃっている分、すごいですよ。観察眼は」

それでも、上達は思うようにいきませんでした。翔子さんが10歳のときに書いた文字です。

「線が、めちゃくちゃ。平行でもないし、ななめでもない」 

書の基本である、右上がりや平行を理解できませんでした。そこで母親の泰子さんが行ったのが、体験を通した学びです。

「観念的に理解することが難しいですから、実際に目に見て、これが上がる、右に上がるっていう風に教えてきました」

 右上がりを体感するために、坂を何度も上り下りした泰子さんと翔子さん。平行の概念を理解するために見に行ったのは、線路です。2本のレールが、ずっと同じ幅で交差せずに並んでいるのを見せて、これが「平行」だと実感できるようにしました。 

「それはもう体験とか、見てとか、自分で体で覚えていくしかないこといっぱいありましたよ。それが後から実を結んでいく」

各地のお寺や神社、美術館も訪れました。

「年中うろうろして、それこそ色んな良い物を見てね。知らず知らず身についたのかな?すごい美意識は」

コロナ禍 祈り込めて書き続ける

この15年間、個展やイベントで国内外を飛び回り、忙しい日々を送ってきた翔子さん。しかし、新型コロナウイルスの影響で、3月以降のスケジュールが白紙となりました。

突然やってきた、まとまった休み。いま、翔子さんが毎日数時間かけて取り組んでいるのが「般若(はんにゃ)心経」です。

書に込めるのは、感染収束 への願い。

金澤翔子 さん
「なるだけいっぱい書いて、コロナが無くなりますようにと、心をこめて書いています」

 (首都圏情報ネタドリ! 6月19日放送)

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