「家族での卒業写真 残してあげたい」卒業式規模縮小の中…

  • 2020年3月25日

この時期は卒業シーズンですが、新型コロナウイルスの影響で規模を縮小し、保護者が会場に入らない形で式が行われた学校も少なくありません。

こうした中、家族での卒業写真を残してあげたいと活動を始めた女性カメラマンがいます。

にっこりほほえむ幼稚園を卒園した園児や、卒業証書を誇らしげに持つ小学生の写真。

この写真を撮影したのは相模原市のフリーカメラマン、大久保美姫華さんです。ふだんは、主に企業の宣伝用の写真を撮影しています。

4歳の娘がいる大久保さん。今回、卒業式に保護者が参加できないケースがあると知り「自分にできることはないか」と考えたといいます。

「誰が悪いというわけではないんですけど、やっぱり一生に1回ですし、写真という形で何か記念に残して差し上げることができないかなと」と話す大久保さん。

SNSで「卒業写真を無料で撮影します」と募集すると、ある依頼が寄せられました。

「サプライズで家族で卒業式を作ろうと思うので、撮影してほしい」という内容でした。

「卒業写真」を依頼した山田啓子さんです。

ウイルスの感染拡大で小学生の長男、詠斗くんの卒業式に保護者は参加できなくなりました。

山田さんは「6年間の成長、最後の部分をしっかりこの目に焼き付けたかったというのは正直あります。嫌な思い出にならないよう、いい思い出をつくってあげたいと思ったんです」と依頼した理由を打ち明けます。

 

「こっちに入っても大丈夫です」

「上を見上げる形で臨機応変に動きながら」

撮影に向け、打ち合わせをします。

当日、体育館から場所を変更し、教室で行われた卒業式。山田さんは校舎の外で見守るだけでした。

その頃、自宅では夫と長女が「家族卒業式」の準備を急ぎます。

大久保さんは、その様子も写真に収めていきます。

 

そして、いよいよ・・・

詠斗くんが、友達と帰ってきました。

山田さんが「これから令和元年度、山田家主催の卒業式を始めます」と宣言し、夫が「あなたは6年間元気に小学校に通い続け、本日めでたく卒業したことを証明します」と「卒業証書」を読み上げ、詠斗くんに手渡します。

「おめでとう!」

学校で見ることがかなわなかった表情を、大久保さんが記録していきます。

切り取ったのは“失われそうになった”家族の時間でした。

詠斗くんは「卒業式は体育館から教室に変わって、なんか寂しくて物足りなかったです。家での卒業式は、カメラマンもいて本当にすごいなと思いました」とびっくりした様子でした。

母親の山田さんは「記念に残すことは諦めるしかないかなと思っていたんです。子どもたちの心の財産にもなったと思いますし、親もいい区切りができたかなと」と感慨深そうでした。

写真を撮影した大久保さんは「自分の両親が喜んでくれたり、『おめでとう』と思ってくれていたんだというのが、きっと伝わるものになるんじゃないかなと。ひと家族でも笑顔になっていただければ、ご家族のお役に立てたらなと思います」と話していました。

 

カメラマンの大久保さんは、3月末まで活動を続けたいと話していました。

  • 戸叶 直宏

    首都圏放送センター

    戸叶 直宏

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