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「福島を知る」~作文に込めた中学生の思い~

  • 2020年3月16日

東日本大震災、そして原発事故の被災地となった福島のことを知ろうと、山梨県で学び続けている女子中学生がいます。

何度も訪れた福島への思いを胸に、決意の春を迎えようとしています。

「皆さんは東日本大震災が起きてから、福島県に行ったことがありますか」。

山梨県北杜市に住む中学3年生の塚田愛由希さん(15)です。

作文のタイトルは「福島を知る」。去年11月、山梨県内の中学生を対象にした作文コンテストで、3300人の中から最優秀賞に選ばれました。

塚田さんは「作文でいちばん伝えたかったのは、福島の正しい情報を知ってもらいたいということが一番」と話します。

塚田さんが福島に興味を持ったきっかけは、4年前、小学5年生のときに見たNHKスペシャル「原発メルトダウン 危機の88時間」です。

福島第一原発の事故直後、対応にあたった人たちの実話を元にしたドラマです。

「事故の被害を最大限少なくするために、一生懸命頑張ってきた人たちがいたっていうことをテレビ見て初めて知って、そこにすごく感銘を受けました」。

原発事故に強い関心を持った塚田さん。小学6年生のとき夏休みの自由研究では、原発事故の経緯を調べました。

福島を肌で感じるため、現地に8回足を運びました。

そこで地元の人たちの声を聞きました。

「福島産の桃だとわかったとたん吐き捨てられた」。

こうした証言から福島が苦しむ偏見や差別を知りました。この経験を元に書いたのが「福島を知る」という作文です。

「私が福島旅行に行ったことを地元のある場で話したときのことです。1人の小学生がこう聞きました。『浜通り地方に行ったらやけどするんじゃないの』。私はすぐに『そんなことはないんだよ』と答えましたが、正直少し驚きました」。

知識不足による「偏見」と無意識の「差別」。それを防ぐため、正しい情報を知るべきだと訴えています。

「私たちの中の情報が更新されないままでいると、知らず知らずのうちに誤解や偏見を生むことがあります。よく分からないから起きる不安ではないでしょうか。少しでも正しく知ることが差別や風評被害を無くしていくスタート地点になります。自分で学べる知識はしっかり学び、それを周りの人に伝えていけたらと思います」。

中学卒業を控え、塚田さんは大きな決断をしました。4月から福島県にある工業高等専門学校に進学することになったのです。

新しい制服を身に着けた塚田さんは「新鮮な感じがします。緊張しますね。これで入学するの、これ着ると」と笑顔をみせます。

 

生まれて初めて山梨の親元を離れる塚田さん。原発の廃炉作業に関する知識や技術を学ぼうとしています。

塚田さんは「まだスタートにこれから立つところなので、一生懸命ここで廃炉とかロボットについて勉強できたらと思います。福島県が早く、復興や発展をしていくように、一生懸命廃炉に貢献していきたいと思います」と将来の夢を語っていました。

  • 丹治 亮介

    NHK甲府

    丹治 亮介

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