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カウントダウン2020 パラカヌー・瀬立モニカ選手 メダルのカギは“地元” 5月7日

今回紹介するのは、パラカヌーの瀬立モニカ選手です。

生まれも育ちも東京・江東区。来年のパラリンピックで地元・江東区の支援を受けて、メダル獲得を目指しています。

 

力強いパドルさばきを見せるのは瀬立モニカ選手、21歳です。

地元の中学校の部活で始めたカヌー。高校1年生の時にけがをして、腰の回りや下半身が動かなくなる障害を負いました。

それでも車いすで練習場に通い、カヌーを続けています。

 

そんな瀬立選手には、忘れられない記憶があります。

18歳で出場したリオデジャネイロパラリンピックの決勝。地元から駆けつけた応援団の前で、トップから10秒以上離され、最下位に終わりました。

瀬立選手は「自分自身がまだ選手としても確立していなかったと思うし、まだまだあまちゃんだったなと言うところがあって」と振り返っています。

 

あれから2年半。重視しているのが、海外選手に負けない体づくりです。

今、集中的に鍛えているのが機能が残っている背筋と腕。2日に1回の筋力トレーニングを欠かしません。

 

鍛え上げた筋力を生かして取り組み始めたのが、新たなスタートです。

片方のパドルを水中につける姿勢を保てるようになり、素早いスタートダッシュが実現しました。

瀬立選手は「リオの時はたぶん12秒ぐらいトップと差があったのが、去年のワールドカップの段階では差を3秒まで縮めることができていて、自分たちがやってきたものが積み重ねることでそれが自信につながるかな」と手応えを感じています。

 

世界との差を縮め、東京大会でメダルを目指す瀬立選手。その裏には地元・江東区の職員の存在が欠かせません。

練習に付き添っているのは区の職員。船やクレーンの免許を取り、3人が交代で支援を続けています。

職員の1人は「仕事でこういうことをすることになるとは思わなかったです」と打ち明けます。

 

街なかに多くの運河がある江東区は、ウォータースポーツで街を盛り上げようと、4年前から地元選手を育成する事業を続けています。

江東区スポーツ振興課の大石謙一さんは「水辺に親しむスポーツということで、カヌーを長いこと、シンボルスポーツではないが積極的に取り組んできて。江東区出身のパラカヌー選手をぜひ東京大会に送り込もうと」と、そのねらいを話しています。

 

さらに区は去年、新たな練習場所を確保しました。東京パラリンピックのカヌー会場から北におよそ5キロ、本番のコースと平行してあるほぼ同じ長さの運河です。

風や波など自然に影響されやすいカヌー。本番に限りなく近い環境で繰り返し練習することができます。

江東区スポーツ振興課の大石さんは「身近にいる人が一生懸命取り組んで、まさに地元で行われる東京大会に出場するかもしれないというのは、皆さんにとって勇気とか希望とか感動とかを与えてくれる存在になるのではないかと思います」と期待を寄せています。

地元の支援という「地の利」を武器に、瀬立選手は東京での活躍を誓います。

 

瀬立選手は「サポートしていただいて、ちょっと早めに2020年に向けて同じような環境で練習できるというのは、すごくうれしいです。今はまだ『表彰台に登りたい』というところしか言えないんですけれど、2020年の東京大会前には、しっかり『金メダルを目指します』と言えるくらい、練習を頑張りたい」と決意を語りました。

 

【萩原智子さんの一言】

私も3年前に瀬立選手を取材したことがあるんですが、応援したい!と思わせてくれる、愛される人柄です。ここ数年で上半身の筋肉がとても大きくなったので驚きました。 行政がここまで応援してくれるのはとても珍しいことで、選手にとっては幸せなことです。私も不安で逃げ出したくなったときは、地元の方の顔が浮かびました。極限の緊張感のとき、最後の最後に味方になってくれたのは、地元の方々なんですよね。

東京パラリンピックのパラカヌーは、ことし8月の世界選手権で出場枠を獲得した選手が代表に内定する予定です。
瀬立選手は最近、タイムを伸ばしてきているので、十分にチャンスがあると思います。