詐欺のさまざまな手口をお伝えし、被害を未然に防ごうという「STOP詐欺被害!」
今回は、ATMに誘導する電話を不審に思って、とっさに声をかけたことで被害を防いだ事例をお伝えします。テーマは「あなたの声かけが被害を防ぐ」です。
神奈川の特殊詐欺被害
「自動音声に注意」
「キャッシュカードの交換が必要に注意」
「通帳が新しくなるに注意」
「カードは何色ですかに注意」
タクシー運転手の松本浩武さん。横浜市にある瀬谷警察署から感謝状を贈られました。
感謝状が贈られた理由は…
「乗客の会話内容から詐欺事件を疑い、積極的な声かけにより、還付金詐欺を未然に防止した」というものでした。
松本さんのタクシーに乗ってきたのは、横浜市内に住む70代の女性でした。
11月、その女性の自宅に区役所を名乗る男から「医療費の還付金がある。いますぐ手続きをしないと間に合わないのでATMに着いたらコールセンターに電話して」と電話がありました。
話を信じた女性は、松本さんが運転するタクシーでATMが設置されているコンビニに向かいました。
タクシーのドライブレコーダーには、女性と詐欺グループのやり取りの一部始終が記録されていました。
…犯人と女性のやり取り…
犯人:「もしもし、コールセンターです」
女性:「あの、発行、番号発生の手続きを」
(…途中略…)
犯人:「そうです。コンビニの中に入ったらすぐ右側のほう」
犯人:「まっすぐ行くとATMの機械があるのでそちらの機械のほうに向かってください」
女性:「はい、ちょっと待ってください」
…松本さんと女性のやり取り…
松本:「ちょっと待ってください。これ、オレオレ詐欺じゃないですか?」
女性:「じゃないと思います、福祉、福祉」
松本:「これ、たぶん違くないですか?」
松本さんは、ATMに誘導しようとしていたことから詐欺を疑いました。
そして、こう告げました。
松本浩武さん
南口に交番があるので、そこでおまわりさんに聞いてみて『払ったほうがいいよ』と言うのであれば払いましょう。おまわりさんが『払わなくていい』と言うのなら、この話はやめましょう。たぶん、嘘だと思います。
松本さんは、これからもお客さんの様子に注意を払い、被害を防いでいきたいと話しています。
タクシー運転手の松本浩武さん
「とっさですね。振り込んでしまったら取り戻すことがきないと思うので、未然に防げてよかったです。気づいたのであれば積極的に止めていきたい」
皆さんへのお願いです。「あなたの声かけが被害を防ぐ」
高齢者が、詐欺グループからの電話を信じてタクシーやバスなどで移動し、ATMで現金を振り込んでしまう被害があとを絶ちません。
ちょっとでも不審だと思ったら声をかけてみてください。あなたのひと言で、詐欺を防げるかもしれません。