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丹沢山地のヤマビルに注意 広めたのはシカ?

  • 2020年9月29日

多くの登山客が訪れる神奈川県西部の丹沢山地では、人の足首に忍び寄り血を吸うヤマビルが、山にすむシカに運ばれて生息範囲を広げているとみられ、これからの紅葉シーズンを前に県などでは注意を呼びかけています。
(横浜局/ディレクター 勝田真季)

■草むらから現れたヤマビル

神奈川県西部の丹沢山地は以前からヤマビルが生息していて登山客などに注意を呼びかけています。
9月26日に登山の玄関口になっている神奈川県秦野市に取材に行きましたが、山すその草むらや登山道の途中でヤマビルが確認できました。

神奈川県によりますとヤマビルは体長2~5センチの、シャクトリ虫のような動きをする生きもので、ふだんは湿った落ち葉の下などにいますが、人間が近づくと体温や吹きかける息に反応して寄ってきます。

■私も吸われてしまいました

靴をつたって足首などに付いたヤマビルは血を吸います。吸血時の痛みをなくし、血液の凝固を妨げる「ヒルジン」という物質を出すため、本人は吸血されていることに気づかず、傷跡から出血が続きます。
引っ張っても吸盤のように吸い付き、血を吸い終わると離れますが、人によってはかゆみが長く続きます。

毒などはありませんが、ごく稀に傷口から細菌類による感染を起こし、じんましんや発熱などの症状をきたす場合があるそうです。

やっかいなのは、痛みなどがほとんどないため吸われていることに気づきません。

赤い点がヤマビルに吸われた痕

現地に行ったディレクターも取材が終わったあと、アキレス腱の上あたりにヤマビルが吸い付いているのにようやく気づきました。
血を吸ってぱんぱんに膨れたヤマビルは、はがすとすぐに落ちましたが取材から2日たっても吸われた痕がくっきり残っています。

■シカが運ぶヤマビル

このやっかいなヤマビルは近年、生息範囲を広げていると見られています。
県が行った生息域の聞き取り調査で2001年と最近を比較すると明らかにその範囲が広まっています。

ヤマビル研究会の代表、谷重和さんは、要因の1つは山に住むシカだと指摘します。

というのもヤマビルが吸った血を詳しく調べたところ、シカの血が多いという調査データがあるからです。
餌場を求めて山のふもとに下りてくるシカとともにヤマビルの生息範囲が広がったと見られているのです。

谷さん
「ここはシカがものすごく多くてシカにヤマビルがついて広まっていく。薬剤で駆除してもシカは行動範囲が広いので大変なんです」

■スプレーや塩で撃退

では、どう対策すればいいのでしょうか。
登山道の入り口に近い、秦野ビジターセンターではヤマビルよけスプレーを販売しています。

山に入る前に靴に吹きかけるとヤマビルが近づきにくくなるそうです。

もっと身近な塩でもヤマビルを退治することが出来ます。ナメクジのように水分が出て死んでしまうということで、ビジターセンターでも無料で配布しています。

また、気をつけてほしいのは服装です。
長袖・長ズボンを身につけるのはもちろん、ズボンの裾を靴下に入れるとヒルが裾から入り込むのを防ぐことができるということです。

谷さん
「10月というのは台風が来たり雨が多い時期なので、そのころはヤマビルが活発に活動する時期になるので、その時は気をつけてヒルの被害を避ける工夫をしていただくことが大事です」

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